蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

『マリア様がみてる チャオ ソレッラ!』

2004-09-29 21:02:22 | マリみて
『特別でないただの一日』を十二分に楽しみたいと思うがゆえに、既刊分の感想を残すことはできない!
そう心に誓った僕は、今日二つ目のマリみて感想を書いてしまいました。
#つか、いつもこのペースで書けよ、自分。
#えー、こんな待ち時間じゃないと時間つくれないっすよ(言い訳)。

これって祐巳たちの修学旅行というよりは今野先生の旅行日記なのではないか?
読後最初の感想がこれでした。そしてその感想は今も変わってません。

■偶然ですが
自分が初めてイタリア旅行したときのコースと殆ど同じで、やっぱり北から入ってちょっと南下してまたミラノに戻ってくる、そういうコースを取っちゃうもんなんだなと。
だから今回は感情移入というよりは情景移入?そんな感じでした。
完全に視点が旅行者視点でしたからね、だから旅行日記でしょ。

私はツアーの海外旅行が苦手なので個人旅行しますが、イタリアは特に個人旅行がお勧めであります。
何と言っても料理が美味しい。
ツアーで行くとたいして美味しくないリストランテに連れて行かれる(両親談)話を聞きますが、ホテルのコンシェルジュみたいな人に美味しいところを聞いて、予約もお願いしておくといいっす(まず外れない)。
ローマなんかは美味しかった思い出しかありません。
ああーまた行きたい。
#イタリアは色んな都市を周るより、一つの都市を中心にローカル路線を使う程度で楽しむ方が満喫できると思います。

■出発と帰国が
一番面白かったと言うと怒られるんでしょうか。
#いや、もちろん涙を流すマリア様のような志摩子さんとかよかったすよ。ほんと。
#蟹名静さま、再登場とか正直嬉しかったス。
#熱出しちゃう由乃とかも。
#海外でも前向きに吸収しようとする祐巳とか普通に良かったんですよ。
#もっとはめ外すのかと思ってたんで。しかし皆さん最後までリリアン淑女でした(ガッカリ、えー)。

出発前に島津・支倉家の壮行会の後、令ちゃんと由乃が二人で歩くシーンとか良かったですねぇ。
出発前に乃梨子が志摩子さんに電話して「待ってるから」なんてシーンとか良かったですねぇ。
それに引き換え、祐巳・祥子さまは「ローマ饅頭とフィレンツェ煎餅」買って来いですよ。
#その分、帰ってきてから絵葉書が届くシーンは良かったですねぇ。特に祥子さまが。

■エピローグにあたり
可南子は祐巳争奪戦争の中で祐巳の姉である祥子さまにばっさり切り捨てられていたんですが、その可南子と祥子さまを和解?させフラットなラインに戻したってのはにくい演出ですね。
戦況は膠着したまま既に7ヶ月が過ぎようとしていた・・・なんてナレーションが聞こえてきそうです。
つか、伏線の度合いで言えばこれで可南子リードでつか?
それともニュートロンジャマーキャンセラー搭載クラスの新キャラが登場するのでしょうか?

否が応でも『特別でないただの一日』への思いが盛り上がります。
でも、まだ読めない・・・(泣)。
#早く仕上げてくれー、待ちでこっちはこんなに文章書いちゃったよー。
#頑張れ若者!(いや僕もまだ二十代だから、ぎりぎり)。

『マリア様がみてる バラエティギフト』感想

2004-09-29 18:45:00 | マリみて
間に合わなかった・・・。
『特別でないただの一日』を購入する前に既刊すべての感想を書いておきたかった・・・。
#でもまだ読んでないので、今日全部アップしようかな。
#どうせ後輩の指導で残業確定なので・・・、こんな日に・・・。
#あれ、涙でディスプレイが見えないや(涙)。

こんなのありか?と思うような短編集だったのですが、十分有りですと思った読後感でした。
#ただ僕の場合そのまま『チャオ ソレッラ!』を読んだのであまり感じませんでしたが、新刊待ち状態に入った人たちは結構物足りなかったかもしれませんね。

■ここに来て新キャラを
登場させてくるとは恐るべし今野先生。
もちろんこれは笙子のことなんですが、挿絵3枚入っててこの役どころだから今後も登場予定で当然の如く誰かの妹候補になっていると思われます(たぶん、そうですよね?)。
つか、是非今後も登場して欲しい。

■これで妹候補は3人
になった訳ですが、現時点で「祐巳の妹」という線でいくと笙子はまだ微妙なところ。
ただ気になっているのは、笙子のこの言葉、

自分がどんな風に写るか、それを過剰に意識しすぎて、それで身動きがとれなくなってしまっているのだ。

いかに飾らない自分を出せるか、姉を持つことによって変わっていけるか、そういうテーマを持ってしまっているので、祐巳の妹という線も捨て難い。
#蔦子さんの写真でテーマ解決だとするならこの線は消えると思いますが、あれは次へのつなぎっぽいんすよね。
#弱々しく見えた祐巳が生き生きと見えるなんて描写も「変化」というキーワードにあたるし、ほんと笙子は(祐巳の妹候補として)微妙です。

■そういう意味で可南子は
父親の伏線をまだ消化していないので、やっぱりリード気味なんすかね。
テーマ的にも「拒絶」から「理解」へなんて考えも当てはまるし。

■でも瞳子は
最近えらく愛着のわくキャラに進化しつつあるし、最初の印象が最悪という状況から憧れ対象へ変化していくプロセスも面白い。
つか、作者は絶対瞳子で遊んでいると思う(個人的にもそれは支持)。
つか、瞳子っていうキャラが最近すごく好き。

■結論
こうやって悩んでいる僕は確実に作者の術中にはまっている。
実は作者も絞れてないなくて世論が盛り上がるのを待っている(かもしれない)。
個人的にはまだこれに妹になって欲しいというキャラが出てきてないということもあって、祐巳が祥子さまの妹になったかの如く全くノーマークの新キャラがかっさらっていく、なんてパターンもありだなと。

■何気に
由乃の妹選びについてもきっちり追い込みをかけてるんですよね。
こっちは候補の影もないため、上記の3人のうち誰かが由乃の妹になったりしたらめっちゃ面白いんですけど。

ゲットしました

2004-09-29 11:21:59 | マリみて
『マリア様がみてる 特別でないただの一日』

昨夜深夜1時をまわる帰宅だった私にかわり、職場の女性先輩が某書店にてゲットしてきてくれました。
つか、この人「神」でつか?
#十二国記を貸してくれたのもこの御方。
#涙でディスプレイが見えないや(感涙)。

ぎゃぼー、仕事なんかしてられないですー(のだめ風)。
つことで、今会社に来たのですが今日はもう帰っていいですか?

もう仕事が手につかないや(挙動不審)。

『マリア様がみてる レディ、GO!』感想

2004-09-27 22:24:01 | マリみて
来週・再来週あたりになると運動会・体育祭の季節なんですね。
本書でも丁度そういう季節、つまりテーマは体育祭でした。

祐巳の妹をいつ決めるのか、誰になるのか?が読者として目下の最大懸案事項なわけですが、それにしても学園祭まで引っ張りますねぇ。

■紅薔薇のつぼみとして
前巻『涼風さつさつ』のラストで紅薔薇姉妹の磐石振りを発揮したので、今回は予想通り祐巳が紅薔薇のつぼみとして、上級生としてどう成長していくか、にポイントが傾倒してきましたね。
それと切っても切れないのが妹探しになってくるわけで、妹探しという大きなテーマをバックグラウンドに今後も色んなイベントが消化されていくのでしょうね。

■この作品の一番大きなテーマとして
どうやって理解し合えるか、ということに尽きるのですが、今回そんな中で手強い相手が可南子。
彼女は瞳子が言うように「自分を憐れんで」自分の世界を作ってしまい、憧れ先行で勝手に人物像を描き、自分の理想と違えば拒絶とまさに相互理解の対極に位置しています。
十二国記で言えば『風の万里 黎明の空』の鈴そのものです。
この対極に位置した可南子をどう崩していくか、これを読んでいくのが楽しくて。
何事も一歩踏み込む祐巳の姿勢がこの壁を崩していくのはいうまでもないのですが、第1巻から読んでいる読者としては「たくましくなったなぁ」なんて娘の成長を見る親の視点になっていたりしたます。

■崩したからと言って
妹候補が絞られたかというとそうではなくて、今の時点では瞳子、可南子ともにスタートラインに立った状態でしょうか。
この巻では可南子の変化だけでなく、瞳子の変化も見ていてかなり面白かったのですが、可南子には父親という伏線がまだ消化されておらず、この時点では伏線有りということで一歩リードなんですかねぇ。
可南子が祥子さまに嫌われている点については『チャオソレッラ』のエピローグに譲りますが、このネタでまだ引っ張るんでしょうね。
これは多分作者自身が「まだ機が熟してない」と感じているのではないでしょうか。
もっと世論よ盛り上がれ、みたいな。

■でもこの中でもう一つのテーマというかイベントといえば
やはり由乃さんが体育祭で令ちゃんと並んで走れるようになったことだと思うんですよ。
手術でスーパー由乃になったとは言え、初めてまともに参加する体育祭ですからね、ご両親、祐巳だけでなく読者としても涙ぐましいシーンでしたよ。ほんと。
そういう意味では令ちゃん視点で今回の体育祭をやって欲しいんですよね。
また黄薔薇絵日記とかやってくれないかなぁ。

■あと
既刊の感想も2つとなりましたが、出来れば10月1日までに既刊の感想は書き終わりたい。
けど、最大の敵は中間決算。新刊発売に間に合わないかもしれない・・・(泣)。

『マリア様がみてる 涼風さつさつ』感想

2004-09-15 14:03:08 | マリみて
本書の設定でも丁度今頃の季節でしょうか。
夏休みが明けてしばらく経った後の出来事、祐巳の弟祐麒が通う花寺学院の文化祭のエピソードですね。
#1年前はこの時期まだ祐巳は祥子さまに存在も知られていなかったと思うと感慨深いですねぇ。

マリみてのベースにあるテーマは祐巳の成長を通じていろいろなことを「理解」していくことにあると思うのですが、今回はある意味一つのステップが終わり、新たなステップに入るエピソードでした。

■祐巳が姉になる心の準備
これまでのエピソードではお姉さまである祥子さまを中心に、祐巳から他の人への想いについて語られてきたのですが、そのスタンスはあくまで妹というスタンスでした。
瞳子をはじめ、今回可南子というキャラを登場させることによって、祐巳は今度は他人から想われるということを経験していかなくてはならなくなりました。
つまりこれは姉になるための心の準備を着実に積ませ始めていて、これが新たなステップに入るという意味ですね。

■思い込みによる人物像
つぼみとしての風格がいつのまにかついてきた祐巳ですが、水野蓉子さまにも熱烈なロサ・キネンシスト?(私もそうですが何か)がいたように、薔薇様になる人たちは憧れの対象になるわけで、その憧れの中には勝手な思い込みも含まれてしまうんですね。

その思い込みの代表格として可南子を登場させているんですが、これは完全に一方通行のコミュニケーションになっています。
祐巳の特徴として双方向のコミュニケーションを成立させる能力を持っているんですけど、可南子はこの時点で対極にいるわけで、当面のテーマとしてこういう相手に対してどう接していくか?ひいてはこれを祐巳自身がどう解決し、成長させるかが新たなテーマなんですね。
#解決編はレディGoに譲りますが、妹ができるまではそういうテーマを持って進むんではないかな。

■余談ですが
思い込みや、勝手な期待による人物像ですが、この辺は『十二国記 風の万里 黎明の空』で面白いくらいに描写されています。
ご参考までに。
またこういう思い込みはネットでも言えるというか、ネットの方が顕著なのかもしれませんねぇ。
掲示板なんかでは自分の書き込みの反応が気になったり、管理人さんの反応が気になったり、相手がどんな事情か分からないにも関わらず、返事がないとそわそわしたり、双方向とは言っても使い手によっては一方通行に等しかったりするんで、僕なんかは結構気楽に考えてたりするんですけどね。

■祐巳-祥子さまについては
一方通行のコミュニケーションによる弊害はとっくに乗り越えているので、可南子の罵倒を浴びた祐巳の前に現れる祥子さまはかっこ良かったですねぇ。
もうこのへんで紅薔薇姉妹も磐石の体制が築きあがってきた感じがあって、自分の中ではひとつのテーマが終わったような気もしました。
つまり二人の理解レベルはある程度の基準値を超えて、安定曲線に入ったわけでちょっとやそっとでは揺らがない状態になってきたんですね。
これが一つのステップの終わり。
これで祐巳は妹を作るというテーマと姉との別れ(つまり卒業)という新しいテーマに取り組んでいくことになる。
こういう丁寧な成長表現ひとつをとってみても、作者の各登場人物に対する愛情が感じられます。

■紅薔薇姉妹のひとつの結晶として
ラストシーンがあるわけですが、光景自体ははたから見たら滑稽なんだろうけど、このシーン素直に好きですね。
どんな暗闇の中でも祐巳を見つけることができる、どんな格好をしていても祐巳を見つけることができる、それを有言実行できるだけの「絆」がこの二人にはあるわけで、まさに結晶という感じでした。
これでほんとに一つのステップが終わったななんて思いながら。

■おまけ
この方が書くWEB漫画が最高に面白くて、いつも楽しませて頂いているのですが、こんなラストでも面白かったなと。
#ネタバレ含むのでご注意ください。
たぶん、祥子さまは東仙に卍解「清虫終式・閻魔蟋蟀(すずむしついしき・えんまこおろぎ)」を喰らっても祐巳を探し出せる(殴
#ブリーチ読んで無い方、ごめんなさい。

『マリア様がみてる 真夏の一ページ』感想

2004-09-10 13:17:07 | マリみて
もう夏も終わってしまうので、その前までにこの感想を書かないと思いつつこんな時期になってしまいました。
といっても熟考して長文を考えていたというわけでは全然無く、むしろ感想は最も短い感想になってますし、単に忙しかっただけです(反省)。

■略してOK大作戦(仮)
祥子さまのO(男嫌い)K(克服)大作戦(仮)なわけですが、実際祥子さまの男嫌いを克服するっていうのはそれほど重要テーマではないんですよね。
たぶんそれは祥子さまの卒業までにそのきっかけができればいい的に今後も小ネタとして語られると思うんです。
今回の重要なポイントは、祐巳の心情変化ですね。
#それはいつも重要テーマなんですが。

今までは迷いの中から祥子お姉さまへの想いを試行錯誤してきたのですが、子羊達の休暇あたりからというかレイニーブルーの試練を乗り越えてから、祐巳は自分から二人の関係を提案できるステップへ移行しているんですね。

これは祐巳が妹として独り立ちしてきていて、紅薔薇のつぼみらしくなってきていることを暗に示しているわけで、それこそチェリーブロッサムあたりで感じていた祐巳は紅薔薇のつぼみとしてやっていけるんだろうか?なんて読者の心配を徐々に払拭してきているわけです。

第1巻マリア様がみてるでは既に祥子さまも令さまも十分つぼみとしての貫禄がありましたから、現つぼみ達(乃梨子は除くかな)が学園祭までにどれだけ山百合会幹部として安定感をだせるか、つまり心の成長・余裕を持てるか、というのが今後の読者の楽しみの一つでもあると思います。

■おじいさんと一緒
白薔薇姉妹最高!!
と思ってるんですけど、何か?

しかし、乃梨子というキャラはほんとに得がたいキャラですね。
志摩子さんはもともと超美少女キャラであると共に超天然キャラだと思います(そこがかなりイイわけなんですが)。
そこに乃梨子というつっこみキャラが加わったことで、白薔薇体制はもう磐石の域に達していると言っても過言ではないと思うのですよ。
しかも乃梨子自身、志摩子さんと一緒にいるときはボケキャラに転身するという反則技を持つわけで、フリーダム+ミーティア以上に強力です。
#ステイメン(志摩子)とオーキス(乃梨子)で二人揃うとデンドロビウム(白薔薇姉妹)の方がいいか?

今後も白薔薇姉妹でまた1本作品を作って頂きたいものです。
#あー、70を過ぎてもいいから志摩子さんと乃梨子と駅前で待ち合わせとかしたいものです。

■黄薔薇☆絵日記
軽めの話が続いた後におまけ程度にある令ちゃんの日記。
個人的にはこれが一番面白かったんですけど。
つか、由乃に一言言いたい。
君はもっと令ちゃんに優しくすべきだ!
#由乃が何もかも気に入らないと言っていた日記、読み返すと面白い。気に入らないわけです。ぷぷ。

蔦子さんにみるカメラ考察

2004-09-08 18:32:59 | マリみて
えー、マリみて見てない人には全く訳の分からないタイトルですが、先日、夏期休暇初日に思い立ったようにビックカメラへ行きカメラを購入しました。

我が家に初めての一眼レフがやってきました。
ちなみに購入したカメラは「キヤノン EOS Kiss 5」
しかも初心者よろしくスターティングキットです。

風景よりは人物。
もちろん撮りたいのは報道向けのスマイルではなく、何気ない瞬間に見せる表情(by蔦子師匠)。
もう蔦子道・・・もといカメラ道まっしぐらですよ。

一眼レフはシャッター音が心地よくて旅行先で調子に乗って撮影していたのですが、最後にアクシデントが。
もともとストロボがおかしいなぁ、なんて思ってたんですが、家に戻ってきて最後の1枚を撮ったらフィルムが戻らない。
ダッシュで近所の写真屋さんへ持っていったのですが
「うーん、初期不良っぽいですね、メーカーに送っておきますよ」
との回答。

・・・次の日ディズニーランドに行くのに・・・。

思ったより蔦子道は険しいようです・・・。

そんな我が家のカメラも先日やっと戻ってきました。
祐巳のもとに青い傘が戻ってきたほどの感動ではありませんが、それでも嬉しいことには代わりありません。

蔦子の道も一歩から、蔦子は一日にして成らず、蔦子に入っては蔦子に従え(違)。
これから改めて蔦子道に精進したいと思います。

ちなみに現像した写真を見ると
娘=80%
妻=15%
車=5%
風景=0%

蔦子魂ここにあり、です。
では、皆さんごきげんよう。

『マリみて』に見る軽井沢考察

2004-09-01 18:31:47 | マリみて
『マリア様がみてる 子羊達の休暇』に影響を受けて軽井沢へ行ったことはその感想でも触れましたが、ちょっと思うところがありまして。

■ジョン・レノンが愛した○○
旧軽井沢を歩いていると至る所でこの宣伝を目にします。
フランスパン、ロイヤルミルクティーなどなど、確かに美味しいですし私もジョン・レノンは好きです。
ただ、さらにその後に続く「あの芸能人も!」みたいな宣伝には多少食傷気味の感を否めません。
確かにそれも良いかもしれませんが、旧軽銀座の人ごみを歩きながら「こういうのがあったら良いのにな」と思ったわけです。

■小笠原祥子さまも愛した○○
小笠原祥子さまも愛したスコーン
小笠原祥子さまも愛した手作りジャム
小笠原祥子さまも愛したはちみつ
小笠原祥子さまも愛した福沢祐巳
こういうのがあったら一も二も無く買い占めるんですが・・・。
特に最後の福沢祐(殴

■もちろん疑問がある人もいるでしょう
いかに小笠原祥子さまがかの小笠原グループのご令嬢であろうと、世界的スターであるジョン・レノンと比較してはかわいそうです。
ジョン・レノンが10人中9人が知っているかもしれませんが、祥子さまは10人中8人くらいでしょうか、わずかに劣るのも無理ないことです。
やはりここはマリみてファン有志による解説員を1店に一人くらいのペースで配置します。
既に何店も店舗設置されているのかよという突っ込みは黙殺です。
そして小笠原祥子さまをご存知ないお客様に簡潔・丁寧に解説して差し上げるのです。

お客様 「あのー、このおがさわらしょうこさん、という方はどなたですか?」
解説員 「ああ、おがさわらさ・ち・こ・さまですね。ちなみにさま付けが基本です(そこんとこ気を付けろヴォケが!)。」
お客様 「・・・そのさちこさまはどのような・・・?」
解説員 「小笠原祥子さまとは日本でも有数の企業グループである小笠原グループのご令嬢であり、云々・・・」
(一時間後)
解説員 「・・・であり、現在リリアン女学院にご在籍中で・・・云々」
お客様 「もうイイですから!(悲鳴に近い)」
解説員 「いえお客様、ここからが重要です。この後、祥子さま最愛の妹である福沢祐巳嬢とのなれ初めが・・・云々・・・」
お客様 「ひぃ!!(脱兎の如く逃げ去る)」

こういうお店があると、年間パスポートでも取得してしょっちゅう通いたいですね。
いや、むしろこの店で働きたい。
つか、経営すれば良いんだ!
そんな簡単なことに今気が付きました。今から早速準備に取り掛からなければなりませんね。

残暑厳しいですが、皆様体調など崩されませんようお気をつけ下さい。
私はどうやら手遅れらしいですが。
では皆様、ごきげんよう。

『マリア様がみてる 子羊達の休暇』 感想

2004-08-31 22:06:43 | マリみて
夏休み前の我が家の会話

嫁 「今年の夏休みどこ行く?」
私 「軽井沢(即答)」
嫁 「え、去年も行ったじゃん」
私 「今年の軽井沢はちょっと違うの」
嫁 「ふーん、まいっか」
私 (ニヤリ)

ええ、違うのですよ、全く違うのですよ!今年の軽井沢は!
マリみてを読む前の軽井沢と読んだ後の軽井沢では!!
そんな訳で(半ば強引に)軽井沢に行ってきました。

旧軽で遊び、万平ホテルでお茶して、アウトレットでお買い物ときっちり「庶民」軽井沢を満喫しました。
もちろんミカドコーヒーのモカソフトは外しませんよ。
もちろん祥子さまのように1週間別荘に滞在とかじゃなく、2泊3日ペンションですよ。「庶民」ですから(泣)。

そんな「庶民」としては蔦子さんや真美さんでなくとも祥子お嬢様の夏休みを見てみたいというのは世の必定。
そして本編、そんな期待を十分満足させてくれる内容でした。
#前置き長っ!

■ポイントとしては3つほど
1.庶民代表の祐巳視点で見るお嬢様の休日
2.祥子さまの内面描写
3.成長する祐巳の姿
だと思うんですね。

1つめのポイントは完全にエンターテイメント重視で素直に楽しめましたが、今回特筆すべきは祥子さまの内面に踏み込んできていることですね。
これまで祐巳の視点でしか祥子さま像は見えてこなかったのですが、前巻のラストあたりからこういう描写が入ってきてますね。
家族に対する想いとか、自分の弱点とか、こういう表現が入るので恐れ多くも祥子さま美しい・・・から祥子さま実はかわいい・・・なんて思うようになったりするんですね。

■最後の祐巳は
圧巻で、レイニーブルーを乗り越えた二人に怖いものは無いみたいな。
こういうイベントを積み重ねて磐石の態勢が築かれるんだろうな。
そして祐巳は次のステップへという感じになるんでしょうね。

■意外なところでは
瞳子ちゃんのイメージが少し変わりましたね。
後続巻を読んでいるので分かりますが、この頃から祐巳に対する気持ちが変化してきているんですねぇ。

■何はともあれ
読者としても夏の休暇を楽しめた気分です。
軽井沢に行かれる方はまず本書を読んでから行くことを強くお勧めしますん(どっちやねん)。

『マリア様がみてる レイニーブルー』と『マリア様がみてる パラソルをさして』感想

2004-08-20 19:24:25 | マリみて
久々のマリみて感想です。
今回はたぶん自分史上最長の感想になってしまいました。
#お急ぎの方はご注意を。お時間が少しある方はお付き合い頂ければ幸いです。

現在『涼風さつさつ』まで読了なのですが、『レイニーブルー』から『パラソルをさして』は現時点で最も好きなシリーズとして自分の中に位置付けされています。

■今回は読後の感想から書いてみる。
お互いを想うが故に、次のステップに進むために立ちふさがる壁「誤解」「すれ違い」を乗り越えて手繰り寄せた「絆」は、以前とは比べ物にならない程強くしなやかなものでした。
この「絆」を紡ぐプロセスを主人公である祐巳-祥子ラインの紅薔薇ラインはもちろん、黄・白にも並行して歩ませ、紡ぎあがった紅・黄・白のラインは本当に美しく、この作者に対して尊敬の念を抱かずにはいられません。
いずれは通らなければならない「扉」を最高の形で描いてくれたと思います。
以下、白・黄・紅の順で感想を。

●ロザリオの滴
白薔薇姉妹はつくづく似ているなと。
お互いを想うが故に重荷を背負わせたくない。
でもこの二人にとって本当に必要なのは、重荷を一人で抱えることではなく、肩の荷を一緒に背負える相手なんですよね。
二人の想いがここに辿り着いて重なる時、一読者としても晴れ間を見た思いでした。

「世界は二人だけで構成されているわけじゃないよ」
と乃梨子は言ったけれど、肩の荷を背負い合える二人の世界がこの二人には必要だったと思いますし、乃梨子を通じて発せられた作者のこの言葉はきっと、この後に続く黄薔薇姉妹そして紅薔薇姉妹にも贈られた言葉ではないかと思ったりもするのです。

こんなに雨が降っているのに、志摩子の心の中は見事に晴れあがっていた。

ロザリオの滴のラストシーン、イラストも美しく何度読んでも美しいシーン・・・。
白薔薇姉妹に幸多からんことを。

●黄薔薇注意報
由乃視点で描かれる黄薔薇注意報ですが、ここで描かれたプロセスは実は令ちゃんにこそ必要なプロセスだったと思うのです。

■一つのことに
依存しないように、どこかでバランスを取るということは通常大切なことだし、誰しもやっていることだと思います。
ただ、この二人はあまりに距離が近く、外にバランスを求めるよりは内側(自分自身)に折り合いをつけることが必要なんでしょうね。
それが由乃の言う修行なのかも。

■特に
外科手術を受けてパワーアップしたスーパー由乃になってからは令ちゃんとのパワーバランスが崩れていたので、この修行で是非スーパー令ちゃん2くらいになって欲しいものです。
黄薔薇注意報というより、中型で強力な台風「ヨシノ」注意報だった気もします。

●レイニーブルー ~ 青空の下で
■近づくほどに見えなくなる、
またその人しか見えなくなる。そこに生まれる「依存」。
乃梨子の「世界は二人だけで構成されているわけではない」という言葉は実はここにもかかっていて「二人だけの世界」から「世界の中の二人」になれるかどうか、「レイニーブルー ~ 青空の下で」はそれが試される祐巳視点での成長ステップなんですよね。
これが「相互理解」と「相互依存」の決定的な違いになってくるんだろうな。

■この成長のプロセスを
丁寧に描いてくれているのが嬉しいところ。
大きく分けて祐巳には3つのステップを踏ませているのですが、
・周りにある「絆」の再確認
・自分の心との折り合い
・相手の気持ちの再確認
まあ、最後は再確認というよりは「本当の気持ち」の再発見といった方がいいかもしれませんね。
こういうステップを踏ませるあたり、作者の各キャラへ対する愛情が伝わって来るというもの。

■周りにある「絆」と世界の再確認

目の前にはまだたくさんの絆があったというのに。
そしてどれもが、かけがえのない人につながっているものなのに。

由乃と祐巳の会話を通じて語られるこのフレーズ。
まるで「君が築いてきた絆はそれだけじゃないんだよ」と作者が祐巳に語りかけているようで、祐巳に心の余裕を回復させる力を与えているんですね。

私はもともと涙腺が緩い方ですが、この後青い傘が帰ってきた(敢えてこう書く)くだりではもう・・・(涙)。
この表現は「もっと視野を広げなきゃ」という確信を祐巳に与えるためのツールだったのですが、一読者としても本当に吹っ切れる想いがしたものです。
これで立ち向かえる、みたいな。

■自分の心との折り合い
祐巳の心に余裕が出来たからこそ、しがらみとなっている山百合会と瞳子に向き合う余裕ができる。
自分自身の折り合いをつけるために、苦手意識のあるものに立ち向かうというプロセスは人の成長にとって非常に重要な部分だと思うのです。
祐巳の心の成長を考えて、こういうイベントを用意している作者の愛情を感じます。

仕事でもね、嫌だなと感じたもの(リスクイベントの温床)をコントロール下から外すもしくはノーアクションでいたとき、必ず後工程になって何倍にもなって痛手をこうむるものだと思うのです。
こんなとき、お腹の底にある嫌な感じをぐっと握りつぶしてリスクに突っ込んで考えるようにしています。
(大抵しんどい思いをするので)結構勇気のいることなんですが、このアクションを取ることで何度救われたことか。
だからこそ祐巳にシンパシーを感じるし、頑張って欲しいと思うのです。

■相手への気持ちの再確認

「あなたが好きなの」

祥子さまからこの言葉が出た時点で全ての答えは出ているんですよね。
#この言葉で私は軽い衝撃と大きな感動を受けましたよ。ほんと。

悲しいことは多かったけど、距離を置くことでどれだけ相手のことを必要としているか、そして必要とされているかを確認できた。
悲しいことは多かったけど、この「壁」を超えたことでこの先紅薔薇姉妹はどんなことがあっても大丈夫だと確信できたと思うのです。
紅薔薇最強姉妹誕生の瞬間、みたいな。

■あとがきにもあるのですが
レイニーブルーは「雨傘」
パラソルは「日傘」
こういう書き分けをしてくれることが読者としても非常に分かりやすく、読後感も壮快なものにしてくれていると感じます。

祐巳の心の成長過程と、紅・黄・白のそれぞれの「絆」が出来上がるプロセスをここまで丁寧に描いてくれている。
だからこそ僕はこの2作が既刊シリーズの中で最も好きなシリーズだと思っています。

マリみて、既にライトノベルの域を越えていますよ、確実に。
#長文にお付き合い頂き感謝です。