ゆるく考えよう
人生を100倍ラクにする思考法
ちきりん
〝おちゃらけ社会派〟ブロガー
イースト・プレス
にあった話である。
ちょっと、皮肉というかパラドックスである。
以下、その内容、抜粋である。
〇「人脈づくり」はたぶん無意味です
一時期ビジネス雑誌でよく特集されていた「人脈や
ネットワークの重要性」が、ツイッターやSNSの
普及もあって再び注目されています。
リアル社会でもネットコミユニティでも「いかに仲間を
増やすか」が重要視されているようです。
いまだに「異業種交流会に参加しよう!」といった
古典的なアドバイスも健在ですし、ツイッターのフォ
ロアー数を増やす方法や、SNSをビジネスに活用
する方法など、雑誌でもあれこれ特集され、マニュ
アル的なノウハウ集まででています。
けれどちきりんは、この「人脈だ、コミュニティだ、
ネットワークだ」という話にかなり懐疑的です。
講演会でも質疑応答のときは何も聞かないのに、
講師が壇上から降りて退場しようとすると名刺交換
のために列をなす人をよく見ます。
懇親会でも会場を駆け回り名刺を集める人がいます。
人脈づくりとは名刺集めのことかと思えるような風景
です。
そもそもみんな、仕事や自己実現にそんなに人脈や
ネットワークを使っているのでしょうか?
ちきりんが思いつく「人脈が重要な仕事」は、保険
販売の営業員くらいです。
本当は人脈が多いことより、本人が魅力的である
ほうがよほど意味があるはずです。
魅力的な人の周りには自然に人が集まるので、人脈
なんて簡単につくれるからです。
「自分が知っている人が多い」状態ではなく、「自分
を知っている人が多い」状態のほうが効率がよいです
よね。
人脈やネットワークとは「結果としてついてくるもの」
であって、それをつくるためにわざわざ努力するような
ものではありません。
そんな時間があったら自分が好きなことに集中し、その
分野で「すごく魅力的」といわれる人を目指したほうが、
将来きっと役に立つでしょう。
以上。
テレビで放映された内容で、新入社員を採用する場合、
その人のSNSの情報で、その人柄を調べて、採用の
資料にしたいというのがあった。
今度は、そういうことがあるので、就職指導をする専門家
は、SNSで友人を一杯作りなさいと指導しているようで
就職のための方策として、友人を作ることを「ノルマ」
としているようである。
それを、嬉々として、学生がやっていたのだが。
このテレビの放映を見て、笑ってしまった。
若者が、示し合わせて、就活として、「友達ごっこ」を
演じて、企業の就職担当者を待ち伏せている。
問題は、その中身も示し合わせて、方便だったり、上げ底
であったり、あることない事、もっともらしく、装ったら
これは、喜劇の世界だ。
なんにも、力のない学生が、メッキを施して、後で、
ばれたら、どうするのだろう。
ところで、千田琢哉氏は、こう言っていた。
それを読んで、ギョッとしたが、真実でもある。
しかし、力のない人には、できない話だ。
〇友達
友達を増やすのをやめる。
友達はがんばって作るものではなく、一人で
がんばっていたら勝手にできてしまっている
ものだ。
物心ついた頃から私たちは「友達をたくさん作りなさい」
と洗脳されて育てられてきた。
学生時代には「友だちだけは大切にしなさい」と言われ、
社会人になったら「同期だけは大切にしろ」と言われ続けて
きた。
現代人に精神的に参ってしまう人が多いのは、こうした
間違った価値観を強要する社会に原因があるのではないか。
最初に就職した損害保険会社の新入社員研修でこんなこと
があった。
会社史上最短出世コースを歩んでいるスーパーエリート
課長が心構えを話してくれた。
「同期は大切にしろというのは嘘だ。まず自分を大切に
しろ。
自分を大切にできないヤツに他人を大切にすることなどでき
ない。
自分が強くならなければ、弱いヤツに手を差し伸べることは
できない。まずは自分が強くなれ」
私が2週間の研修で今でも記億に留めているのはこれだけ
なのだ。
その後この言葉の意味を確かめるために、自分でも実際に
試してみたが一点の曇りもなく真実だった。
現在の拡は当時の課長の年齢を大幅に超えてしまったが、
今でも私にとって彼は師匠だ。
社会人の最初にこんな大切なことを教えてもらって本当に
ラッキーだった。
友達を増やす努力は無意味だ。
友達はがんばって作るものではなく、一人でがんばっていた
ら勝手にできてしまっているものなのだ。
親友がいない寂しい人間ほど数でごまかそうとするが、数を
増やせば増やすほどに寂しくなっていく。
友達を増やすのをやめると一気に自由時間が増えて、本当に
大切な人にだけ時間を費やすことができる。
これ以上に有効な命の時間の使い方が他にあるだろうか。
以上。
ちきんは、こう言った。
「自分が知っている人が多い」状態ではなく、「自分
を知っている人が多い」状態のほうが効率がよいです
よね。
眼から鱗が落ちる話だ。しかし、人は、なかなかそうは
考えない。
これがね。難しい。
変化する社会に、主体的に判断し行動できるような人間
には、誰もがなれない。
幕末の坂本龍馬のような人材には、誰もがはなり得ない。
孔子は、言った。
四十五十にして聞こゆること無くんば、斯れ亦た畏るるに
足らざるのみ。(論語)
孔子は、40歳50歳に至るまで世の中に認められない人は、
結局あまり大きな仕事は生涯できないと言っている。
つまり、世間の人に見えるよい仕事を、40くらいまでに
成し遂げなければだめだと説くのである。
これは、30代の仕事が非常にキーになることを意味して
いる。
であるが、
これが、なかなか厳しい。
自分の職場で、何かの事で、このようなボジションを獲得
するのも、何十年がかりの話だ。
ところで、現代型うつ病の若者、どういう人生が待っている
のだろう?
職場や社会の重荷になっていることを理解しているのだ
ろうか。
人脈にされるような人間どころではなく、人脈から
外される人間となっていくのだが。
わたしの自治会では、自治会活動を運営するために、
各班で、輪番制で役割分担をしている。
なかなかなり手のないその仕事で、係の選出では
苦労するのだが、その選出において、全く相手に
されない家庭がある。
話によると、教員の家庭だが、子どもの頃、家庭内
暴力で、地域の噂になっていたようで、そのような
ことから、何十年たった現在になってもその評価が
ついてまわっているようだ。
地域に全く相手にされない家庭というのもある
ようで考えさせられる。
人脈の該当者から外される人間もいるいうこと
だ。
人生は、難しい。