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リタイアーのよもやま話

ストレス経費

2011-11-28 22:12:13 | 読書

とある本にあった話しである。
文章は、かなりカットして、著者の言いたいとこを
焦点化してみた。

 

ストレス経費

「絶対に収入は減ったのに、なんであまり苦しく
ないんだろう?」

不思議だったので考えてみました。それでわかった
のですが、嫌なことを仕事にしていたときに比べ、
無駄遣いが圧倒的に減ったのです。

僕が20代前半で、すごく仕事が嫌だったとき。当時は
意識していませんでしたが、実は衝動買いや、無駄遣い
ばかりしていました。

好きなことで独立してからは、ストレス経費はほとんど
なくなりました。

衝動買いはめったにないし、タバコ、お酒代もほぼゼロ
です。
高いランチやスイーツも、必要以上に求めなくなりました。

独立して多少収入は減っても、ストレス経費がゼロに近く
なったので、生活は思ったほど苦しくありません。

むしろ、それどころか、前と同じようなちょっとした贅沢
が、前よりずっと楽しくなったのです。

「仕事ってのはな、嫌なことを我慢する代わりに、お金を
もらってるんだよ」

一見これは、説得力があるように感じます。

でも、嫌なことを我慢して得たお金がストレス発散で消えて
いっているのでは、なんのための我慢なのかわかりません。

ただ生活のために我慢してお金を稼ぎ、そのお金を何か
大切なことに使うのではなく、ストレス発散に消えていく。

そんなことで、幸せになれるはずがありません。

だから、働くことが、むなしいのです。

あなたの一カ月のストレス経費。いくらくらいになって
いますか?


以上。


著者とまったく同じでなくても、何かと思いあたるような
ことはないだろうか?

ストレス経費としての無駄遣い。

わたしも振り返れば、この話し、自分のことのような
気もしてならない。

それは、わたしの人生そのものがそうだったのか、仕事が
そうだったのか。

それとも、両方だったのか?


時折、若い人が、好きな仕事をなんて言っているうちに、
フリーターから抜けられなくなってしまう人がいるよう
だ。

好きな仕事をするためには、それなりの才能も必要だし、
努力も必要だ。そして、その努力を可能とする環境も
必須である。

そうはいっても、競争相手が多すぎては、才能の供給
過剰となり、効率が悪くなってしまう。

 

テレビで、韓国のゴルフの英才教育の様子が放映された。

おそらく、その施設は、世界一だ。

授業料が、月25万円ほど、かかるということで、お
金持ちや自営業の子息しか、通えないということだ。

わたしには、信じられないが、学校も行かずに、一日中
ゴルフの練習をしているようで、学校でも公認のようだ。

そのような極端な英才教育に、大きな違和感が生じてなら
ない。

そして、である。

この英才教育の中から、プロになれるのは、1%と報じら
れていた。

そのあまりにも狭き門に、それなら、自分の父親の事業の
後継者として資質を養うことに専念したほうが、費用対効果
のほどは、ずっと高くなるはずだのにと、このゴルフブーム
のエキサイトぶりに、大いなる疑問がわいてしまった。

1%しか、プロになれないのなら、残りの99%とは、とんでも
ないリスクを背負うことになる。

学校もほったらかしていては、学業は身につかないし、友人
関係も育たず、どれほど歪な人間ができるのだろう。

それに、落ちこぼれのエリート意識が、加われば、その子
たちの人生は、あまりにも悲惨だ。そして、残酷な話しだ。

極端な英才教育の落ちこぼれでは、家業を継ぐなどの人生の
軌道修正のはかりようもないのではないか。

あまりにも歪な人生が桎梏となる。

とにもかくにも、1%の人しか、その努力に見合う結果を
享受できないとなると、残りの99%の人間の人生や暗澹
たるものだ。


好きなことが、遠い過去の時代か、まだ見ぬ将来にしか
享受できない内容になれば、それは、最悪だ。

だから、都合よく、自分の好きなことで、生きていくこと
は容易ではないのかも。

好きでない人生、好きでない仕事、そして、毎日の
生活に好きな事が見つからないとなると、それこそ
人生は最悪だ。

それでも、自分の生活を何とかしなければならない
と律儀な気持ちが勝れば、不条理と思いながらも、
そして、自分を偽りながらも、生きていかねばなら
ない。

もしかし、そのような存在の有り様を多くの人は、
強いられて生きているのかも。

自分のプライドに見合う才能と勇気とを持ち合わせ
ていなければ、人生は最悪だ。

だから、「仕事ってのはな、嫌なことを我慢する代わ
りに、お金をもらってるんだよ」という人生を選択せ
ざるを得ない

自分を偽った人生のストレスを解消するために、CMが
その疑似達成感を満たすべく、これでもか、これでもか
と、誘惑の手を差しのべる。

それで、経済がまわっていたりすることもあるのだから、
ことは、やっかいだ。

 

著者は、

ただ生活のために我慢してお金を稼ぎ、そのお金を何か
大切なことに使うのではなく、ストレス発散に消えていく。

そんなことで、幸せになれるはずがありません。

だから、働くことが、むなしいのです。

あなたの一カ月のストレス経費。いくらくらいになって
いますか?

と問いかけるのだが、

わたしの偽りの人生のストレス経費は、いったい全体、どれ
ほどのものになっているのだろう。

もしかして、わたしの人生、赤字決算になってはしないか。

取り返しもつかないほどに。

と、この本を読んで、いくぱくか、うろたえてしまった。

 


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