今日の朝刊にあった記事で、興味深いのがあった。
その抜粋である。
原発国家ー「電力」の覇権
「電力の重要性を利用者に教育するため、夏の供給量は
厳しい予測で出すべきだ」
福島第1原発でメルトダウン(炉心溶融)が進行していた
3月中句。
事故対応に追われる東京・内幸町の東京電力本店での会議で、
ある幹部は言い切った。
東電は14日、戦後の混乱期以来の「計画停電」に踏み切る。
鉄道各社は運行本数を大幅に減らし、首都圏の駅は「出勤
困難者」であふれた。
茨城、千葉両県の被災地までが停電の対象地域となり、予告
された地域で停電が見送られるなど発表も二転三転。
テレビ中継された東電幹部の官僚的な受け答えは利用者を
怒らせた。
からくり
東電は25日に「今夏の需給見通し」を発表。
「供給力が最大電力を大幅に下回ると予想される」と需給
状況を説明し、予想される7月末の供給力は需要見込みに
比べ、850万キロワット少ない4650万キロワットしかないとした。
数字にはからくりがあった。夜間の余剰電力でダムにくみ
上げた水を需要の多い時間に放水する揚水発電が除外されて
いた。
「供給力を算定できない」としたが、公表資料は設備容量を
1050万キロワットと明記している。
経済産業省の幹部は「東電は危機をあおり、俺たちをつぶし
たら大変だぞと脅しをかけていたんだ」と振り返る。
以上。
危機感をあおった東京電力
とか
供給不足を演出し、〝脅し〟
独占のおごり露呈
の文字も見られた。
この電力不足の話しについては、テレビでは辻褄があわない
という指摘もあったが、状況として、東電の都合通り、流れて
いった。
「電力の重要性を利用者に教育するため、夏の供給量は
厳しい予測で出すべきだ」
この発想なんだろう。
「利用者に教育するため」この言葉、何だろう。
国民は、そんなに、馬鹿なのだろうか。
ドラッカーの話しである。
"(マネジャーには)根本的な素質が必要である。真摯さで
ある。"
"うまくいっている組織には、必ず一人は、手をとって
助けもせず、人づきあいもよくないボスがいる。
この種のボスは、とっつきにくく気難しく、わがままなくせに、
しばしば誰よりも多くの人を育てる。
好かれている者よりも尊敬を集める。
一流の仕事を要求し、自らにも要求する。基準を高く定め、
それを守ることを期待する。
何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない。
真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない。
このような素質を欠く者は、いかに愛想がよく、助けになり、
人づきがいがよかろうと、またいかに有能であって聡明で
あろうと危険である。
そのような者は、マネジャーとしても、紳士としても失格で
ある。"
"真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。
それはまず、人事に関する決定において象徴的に表れる。
真摯さは、とってつけるわけにはいかない。
すでに身につけていなければならない。
ごまかしがきかない。
ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは
二、三週間でわかる。
無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。
だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。
彼らはそのような者をマネジャーに選ぶことを許さない。"
という話しである。
ところで、「電力の重要性を利用者に教育するため、夏の
供給量は厳しい予測で出すべきだ」と、
言い切った東電のとある幹部というのがいるようだが、無理
して節電して熱中症で亡くなった高齢者について、どう
釈明するのだろう。
東電の放射能で、国難に陥っているのに、何を考えているのだ。
現代のような情報化社会に、このような姑息な立ち振る舞いなんて、
そのうち、ばれる時代であるということが分からないお粗末な時代
遅れの頭脳だこと。
腹立たしいこと、極まりない。
放射能汚染で、子ども生むことに絶望した児童・生徒に対して、
東電の幹部は、何を語る。
多くの子どもたち、若い女性の人生を閉ざした責任をなんと
考える。