森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

トマトと林業

2005-07-19 12:07:56 | 林業・林産業
北海道からトマトとトマトジュースが送ってきた。
「田園倶楽部北海道」という会社からである。実はこの会社、『森コロ』で紹介した宮崎の相互造林の子会社で、日本最大のガラス温室(7,1ha!)で高糖度トマトを育てている。目茶苦茶甘いんだな、これが。

ありがたく中元としていただいた。私も御礼にもならないが『森コロ』を1冊多めに送った(^o^)。

それにしても中国に木材輸出するような林業の会社がなぜトマト? と思う人も多いだろう。
そこにあるのは農林一体の考え方だ。農業と林業を区別して考えることから、日本の林業は衰退したのではないか、と思うところがある。私も前作『日本の森はなぜ危機なのか』(平凡社新書)で書いたが、日本の山村では、農業と林業は分離不可のものだった。山から多彩な収穫物を得る中で、農作物もあれば木材もある、草花や葉や樹皮、樹液まで商品にする……という産業だった。今でもアグロフォレストリーという言い方があるとおり。
それを現代流にやっているのが、トマトと林業(^o^)。わかりにくいかな。

私も、林業で木を伐るのを自然破壊という声に対し、「畑から大根を収穫したら自然破壊か」と言い返していたが、似たようなものである(ちょっと乱暴)。

ちなみに「森を殺す」というタイトルから、伐採を思い浮かべる人が多い。しかし日本の森の現代問題は、むしろ伐採が行われないことである。伐採は収穫であり、収穫しないから森が荒れる。ほかの国と事情が違うのだ。

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4 コメント

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日向木の芽会 (海野洋光)
2005-07-31 09:58:42
はじめまして、日向木の芽会の海野といいます。日向木の芽会は、メンバー14人の小さな会です。「トマトと林業」にもありました。日向相互造林の社員もメンバーです。FSCの森諸塚村民もメンバーです。大断面集成材のメーカーの社員もいます。出来杉さんとは、面識はありませんが、杉だら倶楽部を通じて同じ会員です。私は№3です。相互造林のトマトは、本当に甘いですね。

日向木の芽会では、伐ることの重要性を伝えないといけないと同時に使うことの木材の可能性も広げていかないといけないと考えています。そして行動です。昨年は、子供たちと一緒に屋台を作りました。県と協力して学校の教材(CD化して、ダウンロードも可能です)も作りました。「杉コレクション」というコンテストも立ち上げました。小さな行動を確実に自分の足場から発信して広げていこうと考えています。

屋台は、東京へそして、グッドデザイン賞にエントリーします。教材は、さらにパワーアップする予定です。杉コレは、実物を主催者が作るようにしました。まだまだ発展途上の試みですが、楽しくがんばりたいと思います。
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Unknown (田中淳夫)
2005-08-01 00:03:05
海野さん、初めまして。

日向木の芽会というのがあるんですね。

相互造林に諸塚村に集成材メーカーとなると、林業全般を鳥瞰するのにもってこいのグループ構成じゃないですか。

活動も、なかなか幅広そう。

ぜひ機会があれば、ぜひお逢いしたいと思います。

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是非、お逢いしたいです (海野洋光)
2005-08-01 13:18:49
田中様にご返事がいただけるなんて光栄です。

日向木の芽会は、そのほかに、林家、土木、建築、原木市場、製材所、チップと一連の木材の流れがつかめる団体です。40数年の歴史もあります。ここ数年、私たちの活動に理解を示していただく方が、増えてきました。というか、何をしたら良いのか、よくわからない状態のようです。木の芽会も同様でとにかくやろうとして行動を起こしています。日向に遊びに来てください。大歓迎しますよ。

杉だらの仲間たちが月刊杉というWEB版雑誌を創刊しました。お読みください。



http://www.m-sugi.com/
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Unknown (田中淳夫)
2005-08-01 15:30:56
海野さん、こんにちは。



いやあ、6月に日向を訪問する前に知っていたら、ぜひ寄りたかったなあ。たしか11日は、雨でどこにも出かけられず、空港に閉じ込められていました(^^;)。

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