昨日から、三重県の某地域を訪れていた。
そこで計画されている地域活性化策は、奇想天外であった。
それは森林を墓地と見立てることだ。
まず1500haの山を出資者を募って購入する。そこを墓地として分譲する。木製の骨壺を用意しており、木の苗とともに遺骨を埋める。そのことによって森は育つのだが、墓地であるから、永代供養料と管理料を受け取ることができる。
ご存じの通り、墓地を分譲すると言っても、土地を売るわけではない。あくまで死者を葬り祀る権利だけである。この供養料が出資者への配当にもなるし、山の管理料にもなるという寸法だ。一人300坪換算でも数万人分を引き受けられるうえ、時間と共に骨は土にもどるから、満杯になる心配もあまりあるまい。
いわゆる樹木葬とも、少し違う。
よく森林に精神性を求める声はあるが、それを具体的な資源に還元するのは簡単ではない。森林セラピーも、どこでもうまく行くわけではないし、金に変えるのも難しい。しかし、死者の尊厳を持ち出して「供養料」とする発想で金を得て、森を守り育てるというのは面白い。
しかも、供養料名目にすれば、結構な大金を払う人も多いだろう。
しかも、祟りがあるから、誰も森に手を出さないだろうしね。
といってありましたが
ビジネスでやりますか、コンセプトいいですね
孫が家建てるとき「これはじいさまの柱だ」とか子供に言ったりして
とか考えると結構いいと思うのですが
十分な検討もないままに、責任の所在もはっきりとしない事業が目につきます。
社債で資金をまかなうことは、明確な事業計画で投資してもらえる人たちの納得を得る必要があります。
責任は明確ですし、納得してもらえるだけの知識、やる気などが必要となります。
成功すればすばらしいことです。
大いに期待しています。
設計見取り図も見せてもらいましたし、現在はボイラーの選定中。
なお、補助金は10月に返上したそうです。補助金を受け取ると、みんなが甘えるから。さすがに地元の人々は驚いたそうですが、社債発行の予定です。
木材の利用を進める新たな技術、新たな仕組みがあって、その結果利用が進んだ時点で検討しても遅いものではありません。
木材利用の新たな仕組みを作らないまま、ブームであるバイオマスを全面に押し立ててもうまくいくはずがありません。
各地に補助金を使った木材のバイオマス施設が乱立していますが、北欧では実用化されている技術であって、別段難しい技術でもないものがコストに関係なく作られることに疑問を感じています。
木材そのものの利用をいかにするのかという本質の追究が緊急のことと考えます。
また、これは施設整備などの資金が必要なものではありません。
だいたい山林の買収には、2億5000万円かかります。いったんついた国の補助金も断り、自力調達に切り替えたそうですが、投資金額を見たら、回収に何十年もかかってビジネスになりません。
また事業は、バイオマス発電と温泉施設などの建設も含み、かなり大きなものです。もちろん首長や議員、地元企業も巻き込んだ大きな計画です。林野庁や環境省、経産省などが随分視察に来たそう。
里山の雑木林であればそこまでする必要性が判らない。
結局は森を育てるというイメージを利用した、新たなビジネスでしかない。
よほど信用できる人が行い、経理をオープンにして十分なチェックが行われなければ問題があると思う。
単なる山を利用した墓地事業として見ればよく、森林の理由付けは信用できない。