連休も終わったので、また別の話題を。
で、川上村だが(笑)、その下多古地区に村有林には、樹齢がだいたい380年くらいのスギがある。現在残っている村でもっとも古い人工植栽木の1本だ。最大のもので胸高直径164㎝、高さ50m。樹齢の割には意外と細いと感じる人もいるかもしれないが、吉野の木は、生長を制御しているから年輪が詰まっていて太くない。だから長生きできたとも言える。それゆえの価値があるのだ。
ほかにも、だいたい樹齢280年以上のスギやヒノキが巨木10数本林立している。それらは「歴史の証人」と呼ばれているのだ。
川上村の林業は、1501~04年に植林を始めた記録がある。これは林業の植林としては世界最古とも言われるが、この木々も現存する日本最古の人工林とされている。まさに吉野林業の歴史、日本の造林の歴史の証人というわけだ。
もっとも、実は鳥取県の智頭には慶長杉と呼ばれるスギが26本ある。慶長年間に植えられたものだという。言い伝えでは慶長5年、つまり西暦1600年だから、樹齢400年を越える。こちらの方が古いことになる。ただし、まだ智頭林業が成立していない時期なので、人工林と言えるかどうか…。
まあ、ここで古さ比べをしても仕方がない。
むしろ私が驚いたのは、この村有林、昨年夏に間伐をしているのだ。樹齢300年前後の木を4本ほど伐ってしまった。これも間伐材だというのが笑えるが、私は、ここに吉野林業の神髄を感じた。
なぜなら吉野の林業技術とは、間伐にあるからだ。大胆に、そして細やかに間伐して木を育てる。今回も、樹冠が重なってきたから抜き伐りしたのだという。
しかし、通常の感覚なら「歴史の証人」と指定して売り出し中で、しかも樹齢300年以上になる木を伐るのは抵抗があるはずだ。まだ元気な木なのに、本当に伐ってもよいのか、世間の批判を浴びないか…。村有林だから営利を目的にする必要もない。
それをばっさり伐る勇気は、吉野の林業を支えてきた眼力があってこそと感じる。ここは伐らなければ、残す木の樹勢が落ちる、と見切ったのだろう。
事実、木々の間から空が広がり、広々として日光が差し込んでいた。
それにしても、伐採に立ち会いたかったな。
プロフィ拝見しました!
たくさんの著書があるのですね。
私は自分の生活上、
薪や建材が必要で
山もちの方の放棄された山を使わせて頂き
生活に活かしています。
そして日本の山の現実が見えてきたところです。
いろいろ勉強させて頂きたいと思います
よろしくおねがい致します。
あしあとがてら、コメントでした♪
平田理子
プロフィール拝見しましたが、パーマカルチャリストなのですね。
以前、パーマカルチャーの創始者の一人であるホルムグレン夫妻とお会いしましたが、日本の田舎・農村に随分期待されているようでしたよ。私は、そんなに立派ではない、と否定してしまいましたが(笑)。