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全てを悟ったジョンソン。
でも、その場では、何も言いませんでした。
ヒョンスが何も知らないということは、すぐに分かりましたから。
ヒョンスは、ジョンソンの表情で、何かあったと気が付きましたが、まさかそれが自分がこの場にいた所為だとは思いもよらなかったようです。
ヒョンスは、ジョンウに、ジョンソンと付き合っていることを打ち明けました。
ジョンウは驚いた様子を見せず、いつものように淡々とした態度です。
ヒョンスは、ジョンソンの表情の事もあって、落ち着きません。ジョンウに仕事のことであれこれと問いかけ、平静を取り戻そうとしましたが、上手く行きません。そんなヒョンスの心情を、ジョンウはちゃんと分かっていました。
その動揺の理由が分かったのは、ジョンソンがデザートのケーキをサービスした時でした。
そのケーキの試作を、ヒョンスは見ていたのです。そしてそのケーキが、どういう意味を持つのかも、その時ジョンソンから聞いていました。
「これだけか?忘れてるだろ?」
と、ジョンウがジョンソンに聞きました。指輪も一緒に出してほしいと頼んでありましたからね。
少し話そう・・・とジョンソンが言いました。
ジョンウがジョンソンと出て行き、ヒョンスは一人座ったままでいました。
混乱していました。気持ちが揺らぐのではなく、ただただ混乱していたのだと思います。
その時、母から電話が入りました。絶妙のタイミングでした。
母の声で、ヒョンスの混乱は静まりました。
ジョンソンとジョンウは、お互いが愛していた女性がヒョンスだったことを確認し合いました。
ジョンウは既に知ってから時間が経っていますので、心は冷静でした。でも、ジョンソンは動揺を隠せません。
お前がパリにいる間、俺が彼女のそばにいた・・・というジョンウの言葉は、ジョンソンの心に刺さりました。自分より長い間ヒョンスを見守ってきたと分かりましたから。後悔が押し寄せたでしょう。5年前にヒョンスを手放した事を。
ジョンウはヒョンスに事情を話しました。
プロポーズするつもりで、ここに来た・・・と。二人の間には、信頼の絆があるだろ?・・・と。その信頼ゆえ、伴侶となってもらいたかったとね。
そして、その決心をした後になって、ジョンソンとの関係を知った・・・と。もう後戻りはできない、今からがスタートだ・・・と。
何があろうと僕らの仲が変わらない事が重要だ・・・とジョンソンはヒョンスに言いました。
ヒョンスは、ジョンソンが不安になっている事を察し、言いました。
「代表を信頼しているけど、愛情じゃない。揺るがないわ。」
ならいい・・・と嬉しそうな笑顔を浮かべたジョンソンでした。
ヒョンスの脚本を気に入っているという女優ユ・へジョン=パク・シネさんと、ジョンウの事務所で会ったヒョンス。
気まずい思いは確かですが、公私をきちんと分けるジョンウのお陰で、ヒョンスもいつものように仕事を始める事が出来ました。
ユ・へジョンとヒョンスは初対面からお互いに気が合いました。
ところで、スジョンですが。
なかなかの勇気の持ち主です。ソムリエとして凛とした仕事ぶりで、周囲への気配りも出来る人です。でも、ずっとウォンジュンへの想いは隠して来ていました。
いつもウォンジュンをパシリのように使うホンアに悔しい思いを抱いていたのですが、今回、とうとうその鬱憤を晴らす時が来たのです。
相変わらず我儘でウォンジュンを良いように使っているホンアに、ぴしっと一線を引き、勝手に厨房に立ち入ることを拒否しただけじゃなく、
「お話しに割り込んで澄みませんが。この人をください。」
と、言ったのです。
驚いたのは、ウォンジュンとホンア。
でも、ホンアは上から目線で言いました。8年も私に片思いしてるから心を得るのは難しそう・・・と。
その言葉を聞いたウォンジュンは言いました。難しくない・・・と。これから自分はスジョンさんのモノだから、彼女の許可なく呼ぶな・・・とね。
ウォンジュンは、スジョンが自分を可哀相に思って、助け船をだしたと思ったのです。でもね、スジョンは明るく言いました。
嘘じゃありません・・・と。
ジョンウは、ヒョンスをジョンソンの店に連れて行きました。仕事終わりの食事だ・・・と。
ヒョンスは割り切ろうとしたのですが、二人の姿を見たジョンソンは、そう簡単に割り切ることは出来ませんでした。
「諦めきれなくても、もう行動に移すな。」
と、ジョンウに言いました。
それは自分で決める・・・とジョンウは言いました。
何をしても仲は壊れないか?・・・とジョンウ。
壊れない・・・とジョンソン。離れてても愛し合っていた・・・と。
「壊してやるよ。5年間1人の女を想い続けた人生に対する礼儀だ。」
僕らの友情は?・・・とジョンソン。
「今からが始まりだ。」
・・・とジョンウ。
ジョンソンは、大きく動揺しました。
でもね、ジョンウもきっとジョンソンとの友情が先に壊れてしまいそうなのが、辛かったと思いますよ、あたしゃ。
ヒョンスも不安な時間を過ごしていました。
自分の想いは揺るがないと思っていましたし、ジョンソンが不安に感じているのはその事だと思っていました。
でも、もしかしたら、ジョンウとの友情が壊れてしまう事が不安で、ジョンソン自身が揺らぐことに不安を感じているのではないかと思ったのかも。
ヒョンスは、ジョンソンに会いに行きました。
ヒョンスの姿を見て、ジョンソンは優しく抱きしめました。
ある日、ヒョンスの両親がやって来ました。
で、以前、定休日だった店に行きたいと言ったのです。ジョンソンの店です。
連絡すると、流石にジョンソンも緊張しました。恋人の両親に初めて会うんですからね、そりゃそーでしょ。
ところがですよ。タイミング悪かった。
丁度、ジョンソン母が恋人のダニエルと食事に来たのです。
正反対のヒョンス母とジョンソン母。
どー見ても年下の男性とそう言う仲だと分かる、若づくりのジョンソン母を、ヒョンス母は批判的な目で見つめましたし、ヒョンス母のその目が気に入らないジョンソン母。
お互い、気にくわない相手だと思った後での顔合わせとなってしまったわけです。
あいやぁ~っ
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