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ドジンは、12年間、サイコパスを父に持った息子として、被害者や被害者遺族に・・・そして世間に贖罪の思いだけで生きてきました。
鏡を見て笑った事は一度もありませんでした。
自分の姿の傍に、いつもユン・ヒジェの姿が見えたからです。
唯一彼を癒すのはナグォン・・・ジェイの存在だったのです。
生きて、何としても生き伸びて、あなたに罪は無い・・・と事件直後にナムを抱きしめながら言ったナグォン。それだけが彼の救いでした。
そして、被害者の娘として生きて来たナグォン。
悲惨な事件の記憶に苦しめられながら、世間の好奇な目にさらされながら生きて来たのです。
自分以上に悲惨な経験を持つ兄ムウォンには、弱音を吐いたり泣いたりすることはできませんでした。
泣くのは、一人の時だけでした。
だから、いまだにドジンの前でもやはり強がってしまうのです。
事件の夜、ナムがユン・ヒジェを殴ったのは、殺したかったからではなく、ただただナグォンを守りたかったからでした。
でも、ユン・ヒジェはそれを自分の血を受け継ぐ者の行動と受け取ったのです。
この誤解が、彼をしてナムに執着させたのでしょう。
ユン・ヒジェとチョン・ユラは逃走を続けていました。
そして、次々と事件も起こしていたのです。マスコミや世間は、後手後手に回る警察の捜査を非難しました。
彼らだって手をこまねいていたのじゃありません。
ドジンたち警察は勿論、ムウォンも別の線から行方を追っていました。
ハン記者は、カン刑事からの情報提供を元に、記事を書いたのですが、その後は少々考えが変わって来たようです。
ドジンとジェイの本当の姿、本当の気持ちが推察できるようになったのでしょうか。と言うよりは、ドジンと言う人間の見方が変わって来たようですね。
あくまでも取材する側として、ドジンはサイコパスの息子でした。決して一人の人間として見てはいませんでした。
だから、ドジンの言動は偽善としか見えなかったのです。奥底にはサイコパスの血が潜んでいると思っていました。
人権を声高に主張する記者でありながら、偏見の目でドジンを見ていたってことですね。
今になってようやく、自分とは違うと見下していた事に気がついたのです。
カン刑事も、同じだったようです。
同じ警官でありながら、やっぱりドジンは犯罪者の息子だと蔑視していたのです。無意識のうちに・・・。
だから、ドジンが困るようなことをして来たってことですね。
でも、それも少しずつ変化してきているようです。
同僚から、これまで如何にドジンが世間から酷い目に遭わされて来たかを聞きましたからね。どんな酷い目に遭っても、ドジンは怒らず全てを受け止めてきた・・・とヨンジも言いました。
ムウォンは、入院中のヒョンムに量刑等の報告に来ました。
でも本当は話がしたかったのかもしれません。
ムウォンは、初めて自分の犯した罪について口にしました。
実の両親を殺した犯人を刺してしまったんだそうです。犯人はそれで死んでしまったとか。でも、結局は正当防衛が認められ、ナグォンの両親に養子として引き取られたのです。
何も言わずに心を開くのを待ってくれ、ナグォンは自分でさえ見られなかった人を刺した手を握ってくれた・・・とムウォン。
「家族への借りを返そうと思ったら一生じゃ足りない。」
ヒョンムは、ナムも同じだと言いました。事件の夜、ナグォンを守るために父親を殴ったんだろうから、変な目で見ないでやってくれ・・・と。
ヒョンムは、見舞いに来たドジンにも言いました。
お前は父親とは違う・・・と。常軌を逸しても一線は越えない筈・・・と。父親や俺の様なモンスターじゃない、気をつけろ、やられるな・・・と。
ドジンとジェイは同居しながらお互いをいつもそばに感じて生きていました。
ジェイは、ドジンの中にユン・ヒジェと同じ狂気があるのではないかと感じるところもあるようです。
そう思うたびにドジンを抱きしめ、抱き締められて不安を打ち消していました。
ドジンも、ジェイの不安を感じているのかもしれません。それでも、お互いを想う気持ちは揺らぎません。
二人は、二人だけのペースで、方法で幸せに近づこうとしていました。
ジェイの亡き母の誕生日になりました。
祝うために、ジェイはピョ代表と共に納骨堂に向かいました。勿論、警官の護衛は付いています。
本来は、ドジンも同行する筈でした。
でも、ここでドジンにチョン・ユラから電話が入ったのです、自首するという。
これ、ドジンをジェイから離すための作戦だったようです。
納骨堂に向かう途中、道をふさぐように止められていた車がありました。
で、警官が事情を聞きに近づいたら、運転していたチョン・ユラによって薬物を注射され、倒れてしまい、結局、ジェイは拉致されてしまったのです。
ジェイの携帯から聞こえてきたのは、ユン・ヒジェの声。
ドジンは、恐怖のあまり、パニックになりそうでした。
一人で来いというユン・ヒジェ。
必死に冷静を取り戻したドジンは、ムウォンに連絡しました。
納骨堂には、チョン・ユラがいました。
ユン・ヒジェの言伝を聞き、納骨堂に入ると、そこに置かれていたのはハンマー。
12年前の事件の時、ナムが父親を殴ったモノでした。事件の時、ユン・ヒジェは自分が使ったハンマーを置いて行き、ナムが使ったハンマーを持って行ったのです。
その頃、ジェイは12年前にユン・ヒジェが犯行を重ねていた犬舎に連れて行かれていました。
ジェイは、ユン・ヒジェを前にして、涙を流しながらも、強い口調で言いました。
「謝りなさい。」
あなたの所為で、私は名前を捨てた・・・とこれまで言いたかった思いをユン・ヒジェにぶつけました。
ユン・ヒジェの所為で自分が如何に辛い人生を送ってきたかを訴えました。
でも、そんな言葉で悔い改めるユン・ヒジェじゃありません。
ユン・ヒジェは彼なりの主張をしましたが、それは本当に利己的なものです。
自分だけが強い勝者だと考え、その血を受け継ぐ息子でさえ、自分の意のままにせずにはいられないのです。
今はジェイたちによって軟弱になってしまっているドジンを、ジェイの死を見せて本来の姿、自分の望む息子の姿に変えようと考えているのです。
ジェイはそれを全否定してみせました。
ドジンとあなたは全く別の人間だ・・・と。
「あの夜、あなたとナムとは違った。彼が何をしようと、それは私の為の行動よ。16年間何を言ったかしらないけど、無駄に終わったわね。」
ユン・ヒジェは怒りの形相でジェイの頭を掴み、ハンマーを振り上げたーっ
ムウォンはヒョンムに、ユン・ヒジェが行きそうな場所を聞きました。
ジェイを拉致した事、ドジンが一人呼び出されたと聞いたヒョンムは血相を変えました。
犬舎もある・・・とヒョンム。
ムウォンは、そこに向かいました。
ドジンが犬舎に入って行くと、そこにはユン・ヒジェ一人が立っていました。
ジェイを殺したと言うヒジェ。
12年前のあの夜、やり残したことをしただけだ・・・と。
睨みあう親子。
さぁ、最終話です。
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