ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

3年半のブランクを越えて、易しいシダクラ沢を遡行しました

2022年05月19日 | 沢登り/多摩川本流

僕は自分のことを沢屋だと思っています。レベルは最盛期でもせいぜい中級の下ほどだったと思いますが、沢の風景が大好きです。そんな僕が訳あって3年半もの間、沢登りをしませんでした。

登山自体も充実していませんでしたから、山体力も低下の一途を辿っていました。クライミング練習だけは細々と継続していましたが、沢を歩く感覚や滝を登る能力もかなり落ちていることが想像できます。

山体力もまだまだ復活にはほど遠いレベルですが、最低限度までは戻って来たかと思います。ですから、沢登りも再開することにしました。選んだ沢は当然すごく易しい沢ですし、これまで何度も遡行したことのある沢です。10回近く行ったことがあるかもしれません。それがシダクラ沢でした。多摩川本流の奥多摩湖の少し下流にある支流です。山で言えば、御前山と惣岳山の北面の沢。ザイルを出すような滝もない、小滝登りと沢歩きの沢です。

 

そもそもGWの5月6日に沢登りに行くようになった理由ですが、僕の山仲間のY根君が遠くから関東の実家に帰省するので、同じ山仲間も誘って山へ行こうという話になったのです。集まった仲間は皆、強い(強かった)連中ばかりなのですが、沢登りは全員ブランクがあります。Y根君とS﨑君は10年ほどのブランクがあるでしょうか? YYDのK野さんは僕と同じ3年半のブランクです。まあ、ブランクはありますけれど、僕以外の3人は全員40代です。体力等には不安がありません。

 

2022年5月6日(金) シダクラ沢~清八新道

▲8:59。奥多摩駅から奥多摩湖方面へのバスに乗って、惣岳バス停で下車します。バス停横から下の集落への道が通っています。(撮影:K野)

 

▲9:09。シダクラ橋です。古い橋なので、一度に2人以上は通らないようにとのことです。(撮影:K野)

 

▲9:40。シダクラ橋を渡ると、谷底へ下る山道が左に付いています。それを下った場所で、遡行準備。準備も終わって、いよいよ遡行開始です。左からS﨑君、K野さん、Y根君。K野さんが一番若いのですが、昔から呼び慣れてしまっているので、S﨑君とY根君には君付けで許してもらいたいと思います。

 

▲9:40。スタート地点から見えている滝です。直登しても易しいのですが、いきなり濡れるのも嫌ですから、登ったことはありません。いつも左(右岸)から大きく巻きます。

 

▲9:45。のんびりと歩き始めます。沢登りの魅力はもちろん水の景色の美しさが第一ですけれど、森の美しさもひけを取りません。とりわけ春は最高です。

 

▲9:52。小滝ですけれど、美しさはそれぞれに唯一です。

 

▲9:56。取水堰です。ここで取水した水を何に利用しているのでしょうね?

 

▲10:00。本当の初心者ならザイルを出してあげた方がいい高さがあります。でも、この日のメンバーはクライミング能力は十分持ち合わせているので、ザイルは出しません。Y根君は5.13クライマーですし、K野さんも5級のリード能力があると思います。

 

▲10:41。途中、カツラの大木が生えていました。ハ-ト形の葉が特徴で、落葉が甘い香りを放つそうです。カツラという名前も「香出(かづ)る」が由来とも言われています。

 

▲10:46。K野さんが果敢に滝を登攀します。右側は上部が嫌らしそうです。ちょっと苦労していました。

 

▲10:47。他のメンバーは滝の左を登りました。それでも、落ち口の岩が丸くて嫌な感じです。僕が登っていますね。(撮影:K野)

 

▲10:47。S﨑君も慎重に登って来ます。

 

▲11:06。元気者のK野さんはいろんな箇所でチャレンジします。他の3人は易しいところから登りました。

 

▲11:11。平凡な流れですが、とても美しいですよね。

 

▲11:13。大岩と巨樹の間を抜けて行きます。

 

▲11:49。二俣で休憩です。スタートしてから2回目の休憩です。このメンバーですし、全員が沢登り久し振りですから、のんびりと休み休み進みました。

 

▲11:55。炭焼き釜の跡が残っていました。

 

▲11:58。まだまだ小滝がたくさん出て来ます。

 

▲12:06。大岩がゴロンと転がっていますね。

 

▲12:11。少し水量が減って来ましたね。上流の雰囲気になって来ました。

 

▲12:15。巨樹が生えていました。沢の流れのすぐ横に、この木1本だけが凄い存在感で聳え立っていました。何の木でしょう? の木でしょうか?

 

▲12:29。水量もかなり減りました。陽光も沢床に入るからでしょうか? の育ちもいいように感じます。上も下も右も左も、に包まれています。

 

▲12:30。沢の流れが珍しい造形を作っていました。こんな流れを作るのは珍しいですね。

 

▲12:33。水流が消えました。まったく無くなったわけではなくて、岩や土の下を流れているのでしょうけれどね。

 

▲12:40。まだ沢形は残っていますが、詰めです。急登です。

 

▲12:57。支尾根の急登を登り続けます。(撮影:K野)

 

▲13:08。支尾根の詰めが思いのほか長いので、途中で1回休憩しました。全員、沢登りの詰めも久し振りなので、大変そうです。

 

▲13:45。中でもS﨑君がいちばん大変そうでしたね。沢登りの詰めはとっても良いトレーニングになることを再認識できました。

 

▲14:02。大ダワ尾根の登山道に出ました。ここで沢装備を解除します。予想よりも惣岳山から低い場所に出ました。これまで僕が辿ったコースでは、シダクラ尾根の最上部に出ることが多かったですね。二股は右に入りますが、その奥の二俣では左に入っていました。今回はそこを右に入ってみたのです。

 

▲14:15。バイケイソウの群生地です。6月頃から花が咲くようですね。花の色は緑白色となっています。以前見た時のここのバイケイソウは黄緑色の花でした。昔よりも群生地が広がっているような気もします。がある草なので、シカは食べないのでしょう。マルバダケブキもそうですが、シカが食べない草が奥多摩では増える傾向がありますね。

 

▲14:22。ニリンソウかな? ニリンソウにしては小さい感じです。

 

▲14:23。ミツバツチグリかな? まったく自信はありませんけど。

 

カタクリの花を期待していたのですけれど、ひとつも見ることが出来ませんでした。ひと昔以上前にはこの辺りたくさんのカタクリの花が咲いていたのですがね。花が咲いた後の葉も見られないので、カタクリ自体が減ってしまったみたいです。残念です。10年以上(もっとかな)昔のこと、大ダワ尾根の支尾根を歩いたことがありますが、途中で足の踏み場もないほどにカタクリの花が咲き乱れていた場所がありました。登山道では劇的に消滅していったとしても、人の入らない山のどこかでまだたくさんのカタクリが生きていることでしょうね。

 

▲14:34。惣岳山1348.5mです。三角点ではないはずですから、この小数点の標高はどこが調べたのでしょう? (撮影:K野)

 

いつもなら、大ダワ尾根を出たところからそのまま下山してしまいます。でも、この日は惣岳山まで登って来ました。これから小河内峠を経由して、清八新道を下降するからです。

 

▲15:15。小河内峠へ向かう登山道の途中で、K野さんが木の根に足を引っ掛けてしまって、少し捻ってしまったようです。その場で少し休憩しました。

 

▲15:25。小河内峠です。清八新道はこの峠から下っていきます。

 

▲15:36。清八新道上部はこのくらいの傾斜で下っていっています。

 

▲15:37。でも、傾斜の緩い巻き道(右)もあります。

 

清八新道から奥多摩湖へ至る山道は3通りあります。この尾根の半分より少し下ったあたりから右へ下っている山道が最も近道です。さらに下って、664m標高点の手前から右に山道がなだらかに下っています。でも、注意深く探さないと、見落としがちです。僕が好きな山道はこの尾根の末端まで辿るコースです。最後は山道は消えていますが、湖畔道へそのまま下ればOKです。この日も時間的余裕があれば、末端まで行きたかったのですが、バス時刻が迫っていたので、近道を下りました。

 

▲15:58。近道を下ってきました。僕とS﨑君です。白い髭はともかく、額が後退していますね。齢が齢ですから仕方ありませんね。(撮影:K野)

 

▲16:01。沢を渡る橋に出て来ました。

 

▲16:04。山道も終わって、林道に出ました。

 

▲16:18。林道が続きます。バスの時刻が近づいているので、僕は急いで歩きました。本気で歩けば僕がいちばん遅いはずですから、意識して速く歩きました。バスの時刻は16:48ですから、大丈夫そうですけれどね。

 

▲16:22。奥多摩湖に午後の陽射しが反射しています。

 

▲16:25。ウツギだと思います。卯の花ですね。卯の花が咲くころを称して卯月と言うのですが、旧暦の卯月は新暦では5月ころです。

 

▲16:28。林道を出て来ました。このゲートが奥多摩湖南岸を通っている湖岸周遊道路の東側のスタート地点になっています。西の終点は山のふるさと村ですが、湖岸の遊歩道は麦山の浮橋まで通っています。この遊歩道はほとんどアップダウンはありませんけれど、けっこう長いです。途中には休憩する場所やトイレも整備されています。

 

▲16:35。小河内ダム上から撮りました。遠い山並みの左端、この写真から外れたあたりが小河内峠です。中央右の高く見える山は月夜見山1147.0mだと思います。

 

▲16:40。奥多摩湖バス停始発の臨時バスが来ました。これに乗って奥多摩駅へ向かいました。

 

4人で天益へ行きました。前もって予約しておいて、バス停からも「これからバスに乗りますね」と連絡を入れておきました。久し振りに4人という人数で天益さんのお世話になりました。Y根君が遠い実家まで帰らなければなりませんから、その電車の時刻まで楽しい時間を過ごしました。

 

3年半ぶりに沢登りをしました。不安定な岩の上を歩くことにまだ不安感があります。滝の登攀にもまだ自信が持てません。年齢や視力の衰えもありますから、以前と同じように跳んで歩くようにはならないでしょうけれど、沢登りを繰り返す中でもっと安心して歩けるようにはなりたいと思っています。

長くて急登の詰めは思っていたよりにこなせました。でも、最後の詰めは山の脚力アップのためにはこれ以上ないトレーニングになりますね。今後、沢登りを続けて実行すれば、普通に山歩きする以上に山体力も復活すると思いました。

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