ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

白沢川支流の笹畑川を目指したのですが・・・・

2014年08月11日 | 沢登り/多摩川小菅川水系

2014/8/3  小菅川の支流の白沢川にはこれまで大白沢と奈良倉沢に入りました。ネットで調べてもまったく情報のない沢。地形図で見る限りでは困難さがなさそうな沢だとは言え、心地の良い緊張感を抱きながら遡行でき、沢自体もそれなりに綺麗でしたから満足できたのでした。
そして今日、この白沢川水系で最後の良さそうな沢、笹畑川に行くことにしたのです。前のふたつの沢に比べると、短いですし、林道も奥まで延びています。遡行部分は短そうです。でも、地形図で見る限りでは本流の流水域には広葉樹記号しかありません。これは期待できそうです!

001
▲奥多摩駅で7:25発の小菅行きバスに乗り、余沢下車。向山(オマキ平)登山口には綺麗な公衆トイレがあって、いつも利用させてもらっています。8:30ころ。

003
▲車道脇の側壁には苔がびっしりと生えていて、イワタバコもたくさん群生していました。まだ山ではありませんが、綺麗なので写真に撮りました。8:32ころ。

004
▲多摩川源流大学です。道路沿いに新しく洒落た塀が出来ていました。ヘルメットやライフジャケットがたくさん干してありました。8:49ころ。

005
▲S子の少し先に左へ分かれる道が降りています。笹畑川出合があります。8:59ころ。006
▲笹畑川橋です。出合は橋の右下。9:01ころ。
この橋の上で高度計を650mに合わせました。

010
▲舗装された林道もすぐに砂利道に。9:12ころ。

011
▲途中、登山口もありました。9:16ころ。

013
▲この上流が水道水源地であるお知らせの看板です。この類の看板があると、いつも以上に心引き締まります。川を汚してはいけません。9:23ころ。

016
▲林道の勾配が急になったからでしょうか? 再び、舗装された林道になりました。9:28ころ。

017
▲右の斜面が崩れています。林道に土砂が堆積しています。でも、ここが林道の終点。ここから左下の沢へ下りました。9:29ころ。

降りたすぐのところで、朝食、そして、沢装備。高度計は765mを示しています。
ここは沢の分岐でもあります。本流は右でしょう。左の方が沢床は低いのですが、右の方が見た目で大きく、本流の印象がするからです。
ただ、地形図では流れの分岐点は標高750mと785m、このどちらかなのですが、笹畑川橋で高度計を合わせて30分しかたっていないのに、何故15mや20mもの誤差が発生したのでしょう? 気圧が変化したのでしょうか?
750m分岐だとすると、右の方が左の倍くらいの水量はあるはずです。
785m分岐だとすれば、右の水量はかなり少ないはず。
実際は、右も左も変わらないくらいの水量でしたから、この分岐は750m地点に違いないと考えたわけです。それだと、右が本流っぽいとの第一印象とも合致します。
僕たちが進むべき沢は右! 決定です!

019
▲で、その右の沢がこれなんです! 10:11ころ。
分岐のすぐ上で水は伏流になっています。この巨大な堰堤を4つほど乗り越えれば、本来の渓流があるに違いないと、信じるしかありません。
この景色を見た瞬間は、僕もうめき声を発しましたが、とにもかくにも越えてみるしかない、と腹を括ったのです。

020
▲最初の堰堤にはすぐ右からも左からも取り付きようがありません。手前から大きく巻く必要がありそうです。まずは沢筋から離れます。S子の後ろの流れ沿いで休憩していたのです。水量は実に少ない! 10:17ころ。  

022
▲少し上がった場所から眺めた堰堤群。2段目も巻きにくそうです。10:27ころ。

024
▲4つの堰堤を大高巻きするべくまずはとにかく一直線に高度を上げています。ザレた斜面を灌木やその根を掴みながら登っています。10:40ころ。

025
▲ずいぶん上がってから、その先に崩壊地らしき雰囲気を感じ取りました。林道の終点に崩れた土砂が堆積していましたが、その崩壊の最上部が登っていく右手から回り込んで、これから進む上方にあるようなのです。左斜面もザレたままですし、このまま大高巻きすることにメリットが感じられなくなりました。
という訳で、スタート地点へ戻ることとし、斜面をズルズルと下ることも危険で嫌ですから、懸垂下降をすることに。
1ピッチ目のS子です。10:53ころ。

026
▲2ピッチ目。11:01ころ。

027
▲3ピッチ目。30mザイルですから、10数メートルずつしか下れません。11:09ころ。

028
▲4ピッチ目。11:17ころ。
5ピッチ目もありましたが、ブッシュの中ですから撮りませんでした。最後はクライムダウン。

後で気付いたのですが、各ピッチの時間間隔がぴったし8分になっているのですね。

029
▲4つの堰堤の大高巻きを諦めましたから、本流の遡行は今日はなしです。ですから、標高750mから左へ分岐している支沢を見てみることにしました。
時間的にも稜線までは無理かもしれませんが、少しは沢歩きの雰囲気に浸ってみたいですからね。
左へ入るとすぐにヒキガエルがお出迎え。11:49ころ。

030
▲左への支沢もすぐに堰堤が出現します。高巻くS子。写真では右上に堰堤が見えますね。11:52ころ。

035
▲とりあえずこちらの方がずう~っと沢らしいですね! 12:06ころ。

この時間からの遡行は時間的にも厳しそうなので、少しだけ行って遅くとも2時ころまでには朝に歩いた林道へ戻ってくるつもりです。ですから、この辺りで休憩しました。のんびりと。

036
▲再び歩きはじめると、大きな岩壁が近づいて来ました。数10mはあります。12:31ころ。

039
▲すると、その岩壁基部に滝もあるではありませんか! 左岸に支流もあって、上流には小滝も見えています。12:34ころ。

ここで全てが理解出来ました。僕の現在位置把握が間違っていたことが。朝食をとっていた、あの分岐は標高750mではなく、785mだということが。ですから、右は支流で左が本流。今いるこの流れこそが本流なのです!

042
▲滝を小さく右から巻き、滝の上に出て、またまた小休止。ここで地形図や高度の確認。そして、上記の結論に至った訳です。
上流を写していますが、ワサビ田跡の石組が見えます。12:55ころ。

044
▲滝の上流を僕一人で少しだけ偵察して来ました。カメラを忘れたので、写真はありません。右からの支流があり、滝も見上げるような位置に見えています。
S子を心配させるのも可哀想なので、あまり上までは行きませんでした。戻って来て、沢を下り始めます。13:06ころ。

今度は堰堤を右岸から巻いておりました。
あの分岐で高度計を今度は785mに合わせます。
林道を戻り、笹畑川橋で高度計を確認すると、650mを指していました。やっぱり、あの分岐は標高785mで正しいようです。
でも、朝は何故765mを指したのでしょうか?

046
▲途中、萩の花が咲いていました。今年初めての萩です。より詳しい種類は分かりませんが、こんな清楚な萩の方が好きです。14:19ころ。

049
▲ヤマユリです。綺麗な花ですが、S子の好みではないようです。確かに少しでか過ぎる。14:34ころ。

乗るバスの時刻は余沢バス停で15:55。時間はたっぷりあります。暇なので歩くことにしました。バス停を3つくらい通過したと思います。山梨県から東京都に入って最初のバス停で乗ることにしました。

天益に寄りましたが、お客さんが少なく、こんな日もあるんだなと。少ないと言っても、座敷にいないだけで、カウンターはほぼ満員でしたが。

今回は地図読みの失敗で、遡行することが出来ませんでした。
ですから、いつかまた笹畑川に来ます。どんな沢なのか楽しみですね。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。