ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

シダクラ沢ではN村さんにリーダーをやってもらったのですが・・・・

2022年12月05日 | 沢登り/多摩川本流

理由は僕自身にもよく分かりませんが、ブログへの記録が遅れに遅れてしまいました。このシダクラ沢も2ヶ月半も昔のことです。これから徐々に書き進めて行って、今この時に追いつきたいと思っています。

 

シダクラ沢は今年5月にも歩いていますけれど、その時とはまったく印象の異なる沢でした。この日はここのところの長雨の影響で沢の水量が多く、いつも以上に瑞々しさに溢れていました。そして、今年の夏が高温多雨だった影響でしょうか? 苔の生育が良くて、とっても美しいです。

 

シダクラ橋から見下ろす多摩川本流の流れは笹濁りしていませんでした。とは言え、水量が多くない訳ではありません。シダクラ沢の畔へ来て、準備をしましたが、やっぱり水量はいつもより多いです。

2022年9月25日(日) シダクラ沢

▲9:32。入渓点から見る最初の滝。易しく登れる滝なのだそうですけれど、最初から濡れるのが嫌なので、いつも右岸を高巻いています。凄く暑い日ならいつか登ってみたいですね。

 

▲9:32。今日のメンバーは4人。右からN村さん、SS木さん、O崎さん。

 

▲9:39。N村さん、SS木さん、O崎さんの3人は果敢に水流の中を攻め登ります。でも、僕はあまり濡れたくないので、ほとんど水の中には入りません。水に濡れると、体力が奪われるからです。写真を見ていただくと分かりますけれど、僕は3人の姿を水から離れた横から撮っていることが分かると思います。

 

▲9:54。3m滝がありました。直登したのか高巻きしたのか覚えていませんね。

 

▲9:55。3mナメ滝かな。みんな濡れるのが好きですね。

 

▲10:00。N村さんが果敢に挑戦しています。水流は強いし、ホールドも見えないし、結局あきらめました。

 

▲10:12。2条の滝の上部ですね。水量はいつもより多いですね。

 

▲10:17。みんなでへつって楽しみました。

 

▲10:25。今日はN村さんにリーダー役をしてもらっています。滝が出て来ると、直登するか高巻くか、高巻くなら右か左か、ザイルは出すか否か、ザイルを出すなら確保するのか固定するのか、滝を直登するのならどこを登るのか、ザイルは出すか出さないか等、様々なことを決めなければなりません。この写真でも先頭を行くN村さんは自らの登る姿を通じて、この滝の登り方であったり、注意すべき箇所を後続に伝えているのです。

 

▲10:37。長閑で美しい沢の風景の中を進みます。

 

▲10:47。カツラの木だったと思います。

 

▲11:01。ザイルを出しての滝の登攀はN村さんの役目です。 

 

▲11:01。 確保はO崎さん、そのフォロウにSS木さんが付いてくれています。

 

最初のザイルを出した滝だったと思いますが、N村さんの滝上でのザイルワークに手出し口出し足出ししてしまいました。済みません。<(_ _)>

①ザイルを出す可能性が高い滝では、リードする人にとっては易しい登攀であっても、滝下からザイルを引いて行った方が良い(今回のケースでは、上からザイルを投げると、途中の木に引っ掛かる心配もありました)

②ザイルが垂れるラインは可能な限りフォロワーが登って来るラインに近づける

③確保位置からフォロワーが見える位置で確保した方が良い(それが困難な場合は、他のメンバーが見える場所まで移動したり、それも叶わないケースでは 笛や声でのコミュニケーションを決めておく。すべてが無理な場合は勘に頼る)

 

▲N村さんが上で確保してO崎さんがフォロウしています。N村さんは最初はこの写真のもっと右上の木で確保しようとしていました。そこからは登って来る人の姿が見えませんし、ザイルは登って来るルートの左になってしまいます。僕は高巻いてN村さんのいるところまで行って、意見してしまいました。(撮影:SS木)

 

▲11:11。SS木さんが登っていますね。上の写真の方が後のようですね。

 

些細な事柄についても、僕は口出ししてしまいました。それは休憩場所の選び方です。上の滝登攀後、すぐにN村さんが「ここで休憩しましょう」と言ったものですから。

④休憩場所は安全を第一として決定する(滝の落ち口付近、急斜面や崖のそばは避ける)

N村さんご免なさい。ペコリ、ペコリ、<(_ _)>

この後、安全な場所で休憩しました。

 

▲11:51。易しい滝が続きます。

 

▲12:03。途中でこんな写真も撮ってくれました。真ん中が僕。(撮影:SS木)

 

▲12:06。シダクラ沢は楽に直登できる小滝が多くあります。

 

▲12:09。大岩が現われました。沢の中では良い目印になります。

 

▲12:23。この滝などは、この日のメンバーを考えると、ザイルを出すか出さないか判断を問われますね。N村さんは出さないと判断しました。

 

僕が長年信条としてきたことがあります。高齢となった今では、実行できていないかと思いますが、次のような信条です。

『リーダーは参加者を心配させるような登り方を見せてはいけない』

僕のお師匠さんからの命令でした。リーダーは常に参加者にとっては安心を与える源泉でなければならないのです。滝も安定して軽やかに登らなければなりません。

 

▲12:24。N村さんにもそんなことを問われるシーンがありました。3mほどの小滝でしたが、水流の左を登り始めました。ところが、落ち口直前で動きが止まります。その先が難しいようです。ホールドもスタンスも乏しいようです。でも、何とか登り切りました! N村さん曰く「天覧山のトラバース練習してなかったら落ちてた」。地道な練習が役に立って良かったですね。

 

▲12:32。その後、僕が右壁の右端を登って、滝上に行きました。N村さんがザイルを出して、あとの二人も僕が登ったルートをフォロウしました。

 

⑤滝の登攀のルート読みは慎重に。予測以上に難しいケースはよくある。とりわけ、見えていない箇所を甘く見てはいけない

 

▲12:34。O崎さんフォロウの後、SS木さんがフォロウしました。二人とも楽勝です。

 

▲12:42。これがN村さんが手間取った箇所。最後の滝の落ち口付近がホールドがなくて、スタンスも斜めですから滑りそうに思えて不安なんですね。

 

▲12:52。さ~ぁて、ここはどうやって突破しようかな、などと考えているのでしょうか? 最上部の滝は左の壁を登ったんですが、少しだけ緊張しましたね。

 

▲13:04。同じようなケースが連続しました。滝の右壁をN村さんがザイルを引いて登って行きます。そこまでは易しい壁です。最上部でN村さんの動きが止まり、左へ右へと登れる場所を探しているようです。最後の乗っ越しが難しいようです。

 

▲13:07。僕はすぐそばに垂れ下がっている藤の木(弦)でプロテクションを取るように、口出ししてしまいました。N村さんは木の存在に気付いてはいたようですが、効き目があると思わなかったそうです。

 

実際はこの藤の木は生きていましたから、効果あるのですが、もし効果がない場合でも無いよりはましなんです。なんと表現すればいいのか分かりませんが、リードする人間にとって、不確かで頼りないプロテクションでも本番の登攀では効果抜群なんです。ただし、心理的側面に限られますけど。ですから、

⑥完璧なプロテクションでなくても命を救う可能性はある

 

▲13:18。この時、またしても僕が手出し口出し足出ししてしまいました。滝の水流の左端を登って、N村さんのいる上まで行き、N村さんを僕が持っていた20m補助ザイルで確保しました。N村さんが登って来て、後の二人も同じルートを登って来ました。

 

▲13:22。SS木さんは足を滑らせていましたから、少し難しいルートだったことは確かです。

 

N村さんがこのルートを選んだのが間違いとは思いません。下からの観察では僕も容易に登れると思いました。でも、やっぱり下から見えていない部分に困難が潜んでいました。僕が登った水流の左端ルートは上までしっかり見えていて、登れると分かりましたから、こちらを選択した方が良かったでしょうね。

 

▲13:33。栃の木だったと思います。巨樹ですね。

 

▲13:33。地面の岩はすべてに覆われて、周囲すべてが緑の世界になりました。こんな景色を見るのが大好きです。

 

▲13:55。急な階段状の滝です。SS木さんが登っています。

 

▲14:14。源流になって来ました。岩壁(大岩ではなくて)も現われます。

 

▲14:17。正しい名称は僕には分かりません。鮮紅色のキノコですよね。しかも緑の苔の上に生えていましたから、なおさら目立っていました。正しくはないかもしれませんが、ベニチャワンタケモドキかなと思います。

 

 

▲14:20。一面モスグリーンの世界の中に一匹の動物が紛れ込んでいます。どこにいるか分かりますか?

 

▲14:20。ラクダでした。(撮影:SS木)

 

沢の詰めでもついつい口出ししてしまいました。水流はとっくに消え、沢形もさほど明瞭でなくなったころ、N村さんが「右の尾根を歩こう」と言いました。でも、僕は「まだ問題なく沢筋を歩けるので、このまま登ろう」と出しゃばってしまいました。N村リーダーご免なさい。🙇  沢も尾根も傾斜はほぼ同じでしたから、どちらを選択しても違いはなかったと思います。ただ、僕の長年の沢登りを通じて得た経験則があるので、それに拘ってしまいました。ご免なさい。

⑦最後の詰めは可能な限り、沢筋を辿った方が良い。早く尾根に逃げると、大変なことになる場合が意外と多い

 

▲14:41。最後の詰めになると、自然と順番が決まって来ました。先頭はSS木さん、続いてO崎さん、ラストがN村さんです。

 

▲14:51。SS木さんは先頭をグイグイと進んで行きました。

 

SS木さんは以前と変わらず体力がありますね。O崎さんも体力あります。バランスがいいですね。N村さんは皆の心をひとつにまとめる素晴らしいリーダーです。これからクライミング技術を磨き、沢の経験を積んでいくと、もっと素敵なリーダーになるでしょう。これで沢パートは終わりです。

沢から上がって来た尾根もそうだったのですが、あちこちで山栗(柴栗)が落ちていました。20年以上前、脚の骨折で長期入院していたS子に山栗を採って来て、栗ご飯を作って、病院へ持って行ったことがあります。普通の栗に比べると、とてつもなく小さいので殻はもちろん、渋皮を剥くのが大変なんです。でも、普通の栗に比べて自然な優しい甘みがあって、とっても美味しいんです。と言う訳で、僕以外の3人が夢中になって栗拾い。僕も拾って女性陣にあげました。N村さん、ご免なさい。

 

▲15:42。15時20分ころ稜線に出ました。出た稜線にはたくさんの栗のイガが落ちていました。下山し始めたこの写真にも落ちている栗のイガがたくさん写っていますね。

 

▲16:28。サス沢山で奥多摩湖をバックにパチリ!

 

それから僕が驚いたことがありました。サス沢山940.0mのことを、これまでずっと1010mほどのなだらかなピークがサス沢山だとばかり思っていました。今回、奥多摩湖の景色がいい、電波塔のある場所に「サス沢山」との山名標識が設置されていました。僕はびっくり! まあ、改めて地形図を見ると、確かにここがサス沢山ですね。ここは三角点もありますし、麓から見上げると、確かに山頂と思えるんでしょうね。でも、奥多摩湖へ下るとき、ここは下って来た尾根の突端のような場所なんです。下って来た場所ですし、山頂とは思えません。ピークではないと思います。それに、僕はサス沢を遡行したことがあります。このサス沢は1010mピークに突き上げているんです。なので、1010mピークがサス沢山だと思い込んでしまっていました。

 

▲16:30。奥多摩湖です。湖があるって素敵ですよね。

 

▲17:17。栗拾いに時間を費やし、バスの時刻まで後わずかになりました。急な大ブナ尾根を急いで下りました。奥多摩湖畔の公園で一度道を間違え、小河内ダムの上を4人が走りました。

 

すると、対岸の道路をバス停に向かっているバスが見えます。走り続けても、バス停までは数分かかるでしょう。僕たちが見ている中で、バスはバス停に停まり、発車して行きました。次のバスは1時間以上後です。その後、ラッキーなことにタクシーが来てくれ、奥多摩駅に着きました。『天益』はすでに閉まっていることが分かっていましたから、『むら㐂』へ。楽しい時を過ごしました。

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