ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

NZ旅№4―――いよいよ登山開始! Ball Shelterまで

2013年12月20日 | ニュージーランド旅2013

2013/11/15  いよいよ今日から登山活動開始です!

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▲朝、目が覚めると、表で音がします。カーテンを開けてみるとカモがいました。昨夕も人のそばに寄って来るカモがいましたが、人から餌をもらうことを覚えてしまったカモなのでしょう。野性を失うことは、いろんな意味からカモにとっても悪いことですから、餌づけをしないでもらいたいものですね。6:41ころ。

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▲ホテルは北向きです。ニュージーランドは南半球ですから、たいがいの家は北向きが日当たり良好なのです。すると、日本などとは反対に右側から日が昇るのですね。そして、太陽は右から左へ移動するのです。6:54ころ。

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▲先ほどのカモの夫婦なのでしょう。6:54ころ。

昨日の朝食の残りを隣りの藤井さんの部屋で皆でいただきました。

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▲ここはアルパインレクリエーションの事務所です。8:11ころ。
アルパインレクリエーションは山岳ガイドの会社。今回泊まる山小屋、キャロラインハットを所有しています。
昨晩、登山に必要なものとそれ以外のものとに分けておきました。登山靴、ザック、雨具などの装備が大丈夫かどうかを同行ガイドがチェックしてくれます。アイゼン、ピッケル、ハーネス、ヘルメット等はここで借りることにしていましたから、受け取ります。
意外とバタバタとし、1時間くらいで出発。ちなみにこのクライミングボード。運動靴で少しだけチャレンジしてみましたが、案外と難しかったです。僕にとっては。

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▲リアルニュージーランドの車はアルパインレクリエーション事務所の庭に置いて、ここからはアルパインレクリエーションの車でスタートです。運転はマーティン。助手席にはギィディアン。
通常は4人に対してガイド1名が付くのですが、今回は2人です。ギィディアンが正式なガイド資格を獲得するために時間の実績を積まなければならないとのことで、加わってくれました。僕たちにとっては超ラッキーなことです。リアルニュージーランドへの好意的配慮ではなかったのかなぁとか想像しました。
マウントクック村まで車を飛ばします。100キロくらいあるそうですが、1時間くらいで到着するのだとか。やっぱり一般道路を時速100キロですっ飛ばすんですね。9:09ころ。

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▲プカキ湖の南岸に着きました。テカポ湖同様、氷河の影響で形成されたモレーン湖だと思います。このLake Side View Point からはマウントクックの本当の頂上(最高峰)が見えるのだとか。他の麓からは最高峰が見えないそうです。
この日は、少し霞んでいてうっすらとしか見えませんが、見えること自体かなりラッキーなことだそうです。9:40ころ。

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▲せっかくのビューポイントですから記念撮影。右から藤井さん、華世ちゃん、S子、僕。
マウントクックは藤井さんの後方に見えています。9:42ころ。
このブログとしては例外的ですが、リアルニュージーランドの藤井さんと華世ちゃんは名前もお顔も公開しています。(あっ、そうそう。マーティンとギィディアンもですね)

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▲マウントクック村に到着する手前での写真。マウントクックが大きく見えて来ました。(もちろん望遠ですが)10:08ころ。

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▲ニュージーランド・アルパイン・クラブのロッジ裏庭です。マーティンが何やら打ち合わせをしている模様。10:25ころ。

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▲アルパインレクリエーションの車の左には年代物のトヨタの四駆が。この四駆にザック等を積み替えました。10:25ころ。

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▲再び車に乗って、すぐ近くのビジターセンターへ行きました。そこでこの写真の景色が。ニュージーランド国旗とニュージーランド最高峰マウントクックのツーショットです。10:37ころ。
館内には様々な展示物があります。マーティンが説明をしてくれます。ただ、僕はここでトイレタイム。マーティンの解説も聞きたかったですね。

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▲マウントクック村の北西にはMt.Sefton3157m が聳えています。この村がおおよそ標高760mくらいだそうですから、圧倒的な存在感でそこに在りました。10:55ころ。

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▲フッカー・バレー・トラックのスタート地点にある駐車場まで2台の車で行きました。アルパインレクリエーションの車はここに置いておきます。明後日、予定通りならばここに辿り着くのです。11:08ころ。
右からS子、藤井さん、華世ちゃん、マーティン、四駆を運転して下さる方、ギィディアン。
中央の山がマウントクックです。

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▲Mt.Sefton3157m 。けっこう広い駐車場です。11:08ころ。

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▲トヨタの四駆に全員が乗り込み、オフロードへ突入です。駐車場があったフッカー・バレーから東隣りのタズマン・バレーへ向かいます。40分くらいのドライブでしたが、前半は普通の未舗装の林道のようなものでしたが、後半は本格的なオフロード。時速も10キロ程度でしょう。
車酔いの心配があるS子を助手席に乗せ、世話役兼通訳で華世ちゃんも同席しました。11:11ころ。

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▲四駆で入れるところまで入ってくれました。昔はもっとずうっと奥まで入れていたようです。でも、地球温暖化の影響でしょう、氷河が後退し、それまで車が通行していたルートが不安定になり、通れなくなりました。
トヨタの四駆とはここでお別れです。11:58ころ。

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▲四駆が方向転換し、帰って行きます。11:58ころ。

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▲ここから奥へと歩きます。11:59ころ。
左は山ですが、右のガレ場は氷河が運んで来たモレーンなのでしょう。

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▲設置してある罠に動物がかかっていました。12:06ころ。
ニュージーランドは外来種駆除の先進国だそうです。それは裏返すと、外来種によって自然が大きなダメージを今なお受け続けているということでもあります。哺乳類がコウモリしかいなかった、哺乳類である人類がこの島に住み始めてからまだたったの1200~1300年しかたっていないと言うのに、こんな辺鄙な地域でこれほど簡単に哺乳動物が罠にかかってしまう。それはひどく異常なことです。

ところでここでついでに、ニュージーランドびっくり事情その3です。
上記のこととも深いつながりがあるのですが、道路を走っていると動物の死体が次々に道路上に現われて来るのです。ポッサムやウサギが多いそうですが、相手が小さいこと、急ブレーキをかけたり急ハンドルを切ったりする方が危険なこと、さらに駆除対象の動物であることなどが重なって、多分ドライバーは轢いてしまっても罪悪感を感じなくてすんでしまうのでしょう。
僕など今回同乗していて、動物の死骸の上を自分たちの車が通ることだけでも、ものすごく抵抗感がありました。せめてその遺体を道路脇へ寄せてあげたいと感じてしまうのです。ニュージーランドではそんなこと出来ませんし必要もないことは分かるのですが、日本での感覚は短い期間では変えようがありませんでしたね。

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▲先頭からガイドの二人、華世ちゃんと藤井さん、そしてS子です。12:10ころ。

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▲ネットで調べましたが確信は持てません。おそらくスノーベリーSnowberry だと思います。ツツジ科であることは確かだと思います。花の形が日本のドウダンツツジなどに似ていますから。地味な花ですが、この花が今の時季、いちばん多く咲いていました。12:16ころ。

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▲タズマン・バレーへ落ちている谷です。Ball Ridge(ボール尾根)からの支谷です。キャロラインハットはこの見えている尾根の右あたりにあるのではないでしょうか? 12:25ころ。

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▲後方を振り返ると、幾層にも重なった巨大なレンズ雲がありました。天気予報は下り坂を示していましたから、良い予兆ではありません。12:36ころ。

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▲左から右にタズマン氷河が流れています。12:46ころ。
タズマン氷河はニュージーランド最長の氷河です。幅4キロ、長さ27キロあります。そして、なんと! 最大深度は600mもあるのだとか! しかし近年、地球温暖化のあおりを受けてでしょう、1990年ころから氷河の後退が顕著になっているようです。
対岸の山 Novara Peak 2299m の麓に水平についている模様を見て下さい。この線がもともと最近まであった氷河の際の線だと思います。

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▲タズマン氷河湖が見えました。これまではモレーンの壁があって見えなかったのです。12:51ころ。
前の写真もそうですが、氷河を岩や土砂が覆っていますから白い氷は見えません。

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▲昔はこの先まで車が入っていたそうです。氷河後退によってルートが不安定になって行く様子が分かりますね。13:02ころ。

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▲瓦礫ばかりの荒涼としたルートが続きますが、時折このような緑のオアシスが現われてホッとします。13:07ころ。

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▲この緑のオアシスに花咲いていたのが、このマウントクックリリーMount Cook Lily。キンポウゲ科の植物ですから、日本のウマノアシガタやミヤマキンポウゲと同じ仲間です。でも、花は巨大ですし、純白の花ですし、葉っぱも大きな広い葉です。同じ科・属だとは信じられませんね。13:08~13:11ころ。
ただ、そんな解説は別に、とても印象深く豪華で美しい花ですね。

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▲瓦礫のアップダウンには写真のようなちょっと厭らしい箇所も出て来ます。マーティンがステップを切ってくれていますが、それでも慣れていないと嫌でしょうね。13:47ころ。

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▲道が良くなりました。昔はBall Shelterまで車で行けたというマーティンの言葉が真実だったのだと納得できますね。13:53ころ。

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▲いい道はすぐに消えてしまい、アップダウン再開です。14:04ころ。

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▲振り返ると、先ほどのいい道やタズマン氷河湖も見えています。14:05ころ。

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▲Ball Shelter に到着。14:18ころ。
小屋は新しく、最近建て直したのだと思います。
ここで昼食にします。昼食は今朝、アルパインレクリエーション事務所で各自もらっているのですが、行動食も含め僕にとってもS子にとってはなおさら、すごく多い量。僕のには手を付けず、S子のサンドイッチとリンゴを僕が食べ、S子にも少し分けてあげました。

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▲Ball Shelter の中の様子です。定員は3人。宿泊券を$5で購入して利用することが出来るのだと思います。トイレもありますし、雨水を屋根で受けて溜めてあるタンクもありました。14:58ころ。

四駆下車した場所から2時間20分ほどかかりました。僕自身が予想していたよりも倍ほどの時間がかかっています。四駆でさほど奥まで入れなかったからでしょうか? すでに、午後の3時ですから、日本の夏山の感覚で言えば、もう山小屋に着いていなければならない時間ですよね。ここからキャロラインハットまでかかる時間が通常で4時間だそうですから、到着は午後7時を過ぎること確実です。ニュージーランドの夏山での時間感覚に驚かされています。


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