ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

南秋川の矢沢本流でウォーターウォーキング

2014年07月03日 | 沢歩き

2014/6/26  今年の沢初めはなんと! 6月下旬にまでずれこんでしまいました。これまで通常4月には沢登りスタートするものでした。今年は土日に仕事が入ったり、休みに雨が降ったり、ザイルパートナーのO橋君が多忙だったりで、こんなに遅くなってしまいました。
これから頑張るぞ~っ!

僕が沢初めですから、S子ももちろん沢初め。易しい沢歩き、最近は洒落てウォーターウォーキング(略してWW)と呼ぶようですが、まずはそこらへんから。それで選んだのが、山仲間のN澤さんがつい最近行ったという南秋川矢沢本流です。

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▲南郷バス停で下車すると、矢沢出合はすぐです。本当は出合から遡行したかったのですが、建物が建っていて人臭さがあるのでどうも入り辛いのです。先に進むと、村の施設があったり、民家があったりするので、やはり入り辛い。2軒の民家の先でやっと入渓しました。
沢がΩの字形にくねっている場所です。写真上部に林道が見えていますが、写真の左上部から植林に付いている踏み跡を下って来ました。10:36ころ。

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▲のんびりと沢準備を終了させるS子。沢は大きく右にカーブを描いています。10:37ころ。

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▲WWのつもりで来ているのに、いきなりの凄い滝です。腰以上だか胸くらいだか水に浸かって滝の流れのすぐ左まで行けば、登れそうです。あるいは、左側の草が生えている壁も写真の外側から取り付けば、行けそうな気もします。
でも、初っ端から全身ずぶ濡れになるのは嫌ですし、ザイルを出してトラバースするにも、今日はハーケン、ハンマーを持って来ていません。
と言うわけで、あっさりと撤退。林道まで戻ることにしました。10:41ころ。

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▲林道へ上がり、Ωの形の沢が戻って来たところで再び入渓しようとすると、左岸の山肌が崩れていました。その土砂が沢を堰き止めています。10:55ころ。

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▲土砂で堰き止められたすぐ上流には一時的な堰止湖が生まれていました。その深さは何メートルでしょうか? 見た目でも2~3m以上はありそうです。10:56ころ。

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▲崩壊箇所と堰止湖の様子がこの写真でよく分かります。10:57ころ。

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▲すぐに落合橋が見えて来ました。ここに熊倉沢出合があるのです。11:01ころ。

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▲沢歩き(WWよりもこの方が馴染みますね)も意外と侮れません。流水を通して見る沢床の石ころを踏みしめながら、バランス良く歩くのはけっこう微妙なもの。久し振りの感覚なので、S子は時折ちょっとよろけたりします。そこで手頃な枝を拾って杖にしました。11:09ころ。

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▲水は思いの外冷たかったです。この写真でも何となく沢の上流を見ると靄っているように見えると思います。 暖かく湿った空気が冷たい沢水に触れたことによって霧状になっているのでしょう。11:12ころ。

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▲沢歩きには緊張を強いられたり、頭をフル回転させたり、肉体能力を総動員したり、持てる技術・経験を最大限に発揮したりする場面はほとんどありません。
沢歩きは「沢沿いの散策」なのです。いろいろなものに目をやりながら、のんびりと穏やかな心持ちで歩くのです。11:13ころ。

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▲写真ではこの美しさは伝わるでしょうか? 沢床の石っころの上を流れる水の煌き。11:15ころ。

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▲トリアシショウマだと思います。僕の好きな花。11:21ころ。

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▲矢沢にはこんな縞模様の岩の沢床が多く見られます。11:22ころ。

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▲ところどころでこのような流木だまりが現われます。流木の多い理由は上流に行って分かりました。左上には林道が並行しています。11:25ころ。

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▲調べても名前が分かりませんでした。11:30ころ。
この花のすぐ前で腰を下ろして休憩しました。

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▲小滝の出現です。沢歩きでも滝が出て来るとやっぱり少し興奮します。12:01ころ。

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▲もっと滝身に近づいて登ることも出来るでしょうが、出来るだけ濡れたくないS子は手前で林道へ上がります。それなら僕も・・・・。12:03ころ。

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▲マタタビに蕾がたくさんぶら下がっていました。12:10ころ。

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▲長閑な沢歩きです。12:10ころ。

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▲と思っていたら、再びの小滝。12:22ころ。

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▲この小滝、見た目はなだらかでしたが、近づいて見ると意外と立っています。ホールドがしっかりしているので、Ⅱ級でしょうが。12:24ころ。

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▲またまた、再び、マタタビの蕾。12:35ころ。

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▲林道の下が人工的な壁になってしまいました。溝を歩かされているようで気分良くありません。12:36ころ。

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▲堰が現われました。右も左も登ることは出来ません。100m以上戻って林道に上がるか、だいぶん手前から右を高巻くかです。
右からの高巻きが可能そうです。ザイルはなくても大丈夫とは思ったのですが、斜面の土が湿って泥っぽくなっていますし、せっかくザイルを持って来ていますから、念のために使うことにしました。12:41ころ。

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▲堰堤の20mほど手前から右の斜面をザイルを出して高巻きました。S子のためにザイルを出して正解でしたね。見た目より嫌らしい。この写真の場所からは左下へ降りて高巻き終了なのですが、ここでS子の確保をします。左はセルフビレイ用、右の8環でS子を確保します。12:57ころ。
ここから沢床への下降ですが、3mほどしかないのですが、S子にはこのままザイルで確保しながら降りてもらいました。僕はビレイに使っているこの木で懸垂下降しました。

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▲S子が登って来ました。今いるあたりも意外と嫌らしいところです。写真の右に堰堤が写っていますね。12:58ころ。

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▲桂(かつら)の木です。13:40ころ。
少し手前でのんびりと休憩を取っていました。

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▲心地の良い沢歩きが続きます。13:50ころ。

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▲と思っていたら、突然のこの光景! 伐採跡です。流木だまりの原因はこれだったのですね。13:51ころ。

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▲伐採されている山の斜面を過ぎると、再び普通の沢の光景に戻りました。13:53ころ。

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▲ガクアジサイだと思います。14:08ころ。

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▲またまた伐採跡です。14:10ころ。

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▲写真上部に堰堤が見えると思います。近くに高巻けそうな場所がなかったので、ここから林道へ出ました。14:21ころ。

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▲林道へ上がりました。巻いた堰堤が左にありますね。14:23ころ。

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▲軍刀利沢出合へ降りる踏み跡から沢へ再び戻りました。5年前に軍刀利沢には来ていますが、山肌の伐採跡の記憶はありません。沢は再びいい感じです。14:35ころ。

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▲沢の両岸から籔が流れにはみ出して来ることが多くなりました。いわゆる、ボサが多い、と言った状況に。ま、実際はさほど酷くはなかったのですが、時間的にも手ごろなので、この辺りで沢歩きを打ち切ることにしました。14:49ころ。

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▲結果論ですが、もう少し先で林道に上がった方が良かった! 
僕はもう先に林道へ上がって、上からS子に指示を出しているところです。S子はこのまま僕の方へ上がって来て、林道の壁を左へトラバースし、壁が低くなった箇所から上がるのです。
失敗と言うわけではないのですが、この写真に写っている草の中にイラクサがた~くさん混ざっているのです! 14:55ころ。
最初の一撃は強烈にチクリとしました。蟻酸ですから、数ヶ所を同時に蟻に咬まれた感じです。その後の二撃三撃はそれほどではありません。
問題はその後です。僕もS子も翌々日まで棘にやられた辺りがジンジンと痺れていたのです。

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▲林道に上がって来たところです。15:02ころ。
最後は念のために、長めのシュリンゲで確保しました。

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▲沢を見下ろすとこんな感じ。中央写真から少しはみ出したあたりから沢を離れ、右へ登り、手前に壁沿いに来たのです。15:02ころ。

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▲右岸の支沢の水があるところで、沢靴を脱ぎ、簡単に洗いました。ハーネスを外し、ヘルメットを脱ぎます。15:45に林道歩きのスタート。バスは16:34なので、バス停まで50分で着かなければなりません。大丈夫だろうとは思いつつも、少し早足で歩きました。16:00ころ。

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▲振り返っての写真。左の林道から来たのです。右の林道は熊倉沢沿いの林道です。橋は落合橋。16:14ころ。

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▲林道沿いにNPO法人フジの森の施設があります。檜原村の青年有志がここで村の活性化のために様々な活動をしている、ということは聞いたことがありました。今では昔以上に幅広く活動しているようです。活動メンバーの幅も広がっているようですね。16:17ころ。

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▲矢沢最下流部のナメ滝です。いつか本当の出合から遡行してみようと思います。16:20ころ。

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▲南郷バス停です。40分で到着しました。16:24ころ。

武蔵五日市の町では馴染みの「音羽鮨」で打ち上げ。前回来たのは何ヶ月前だか、半年以上前だったような気がしますが、『三岳』の五合瓶をキープしていてくれました。しかも、何勺かくらいしか残っていなかったのに。

沢歩きも心地よいですね。S子と一緒ですから、周囲の景色はもちろんですが、水の流れや石の美しさ、苔や花を愛でたり、自然と様々に交流できます。写真もたくさん撮れます。

ただ、ひとつ物足りないことが。それは肉体がさほど悦んでいないこと。
肉体の悦びとは、心地の良い疲労感です。沢歩きにはその疲労感がありません。
まあ、ときおり散策気分で沢歩きをするのは楽しいですね。

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