ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

涼を求めて奥多摩の真名井沢へ、それでもやはり、最後は汗だく

2012年08月02日 | 沢登り/多摩川本流

2012/7/29  去年の秋以来久し振りのA野さんとの山行。S子も行くので、癒し系で猛暑の夏を涼める沢を探しました。こうも暑い日が続くと、アプローチの林道歩きが長く続くと嫌ですし、標高が低いと、稜線に飛び出した時点で暑くてたまらないかもしれません。

というわけで、奥多摩の沢としては少し長い方に属すかもしれませんが、大丹波川の真名井沢へ行くことにしました。

川井駅からバスに乗り、終点の上日向で降ります。これで暑い車道歩きを回避。上日向からの林道は木陰の道ですから涼しい歩きです。真名井沢へはこれまで10回近くは行っていますけれど、バスに乗ったのは初めてかもしれません。

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▲真名井沢沿いの林道が大きく沢から離れて行くところが写真のとりがや橋です。林道とは別れて、沢沿いの道に入ります。9:02ころ。広い砂利道はすぐに終わり、山道を進み、木橋で沢を2回渡りました。

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▲山葵田が出て来ると、なんとなんと上流に堰堤が見えるじゃないですか! 4年前にU田君と2人で来た時には確かなかったはず。この堰堤の手前で、準備を整えました。そして、出発です。9:47ころ。

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▲これが最後の4つ目の堰堤だったと思います。同じタイプの堰堤。かつてはスタート地点から山葵田が続き、山葵田の横を長~く歩いたものです。それが今ではこの写真のように。9:55ころ。

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▲堰堤の連続でショックを受けましたが、それもじきに終わり、この写真のあたりから沢らしい風景が戻って来ました。9:59ころ。

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▲山葵田が再び現れました。一人の女性がそこで労働していました。声も掛け辛い感じで、一生懸命働いている様子。その少し上流では男性2人が、おそらく山葵田に水を引くためのパイプでしょう、その設置工事をしています。10:03ころ。

「堰堤が出来ちゃいましたねぇ」と話しかけると、「そう、最近ね」。「昔は山葵田がずう~っと続いてましたよね」。「ぜ~んぶ、無くなっちゃったよ」。沢の様子もどんどん変貌するのです。

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▲先週の勘七ノ沢でイワタバコの蕾を見ましたから、今週は咲いているだろうと、期待していました。咲いていました! 10:16ころ。

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▲ヒキガエルにも何度も出会いました。調べると、どうやらアズマヒキガエルの高地型みたいです。10:25ころ。

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▲イワタバコもたくさん咲いています。10:37ころ。

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▲理由は分かりませんが、岩にくくりつけられたロープが張ってありました。スラックライン(綱渡り)のようだったので、ロープ渡りをしてみました。ビビりながら、S子も。10:44ころ。

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▲ずん、ずん、ずんと、足音が近づいてきます。このカエル、身じろぎだにしません。10:48ころ。

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▲この小滝、高さも傾斜もありませんが、苔でヌルヌルです。侮って登っていくと、足がツルッ。腹這いの姿勢で2mほど滑ってしまいました。10:53ころ。

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▲『奥多摩の谷123』に出ている二俣手前の10mナメがこれでしょうか? 11:03ころ。

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▲大きなカタツムリでした。カタツムリにもさまざまな種類があるようですが、よく分かりません。すぐ横の流れのそばにもう1匹、これより小さなカタツムリもいました。写真のはかなりデカイ! 11:05ころ。

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▲二俣です。11:18ころ。

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▲これが魚留の滝5m、F1です。昔は流れの右を小さく巻いていました。滑りやすそうなので、ザイルを張って通過したものです。いつからだったか、流れのすぐ右を登るようになりました。ハーケンも打たれていて、プロテクションを取りながらリードできます。3級のグレードですから、易しい滝です。11:20ころ。

でも今回、登ってみると、ハーケンがぐらついています。浅打ちのようでした。タイオフにしようと思いましたが、やたらぐらつくので手に取るとあっさり抜けてしまいました。その上にもピンは見つからなかったので、誰かハーケンを打ち直してもらうしかないですね。まあ、ピンがなくても問題はありませんが………。

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▲F1のフォロウするS子。11:32ころ。

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▲同じくA野さん。11:38ころ。

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▲気楽な小滝が続きます。11:43ころ。

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▲水の苦手なS子もこれくらいなら心地よいはず。11:54ころ。

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▲連続する小滝もいいですが、森の美しさにも目を惹かれます。11:55ころ。

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▲この5m滝がF2なのでしょうか? 『奥多摩の谷123』の解説通り、「石積み堰堤状」に見えますが、「階段状なので簡単に登れる」とまでは言い切れなさそうです。12:10ころ。

水流右が直登できそうでしたが、無理をせず、左から高巻こうと思いました。しかし、ザレた斜面はズルズルと滑り、足元が安定しません。右も同様ですが、岩っぽいバンドが安定していたので、僕だけ高巻いてしまいました。高巻きには不安定要素もあるので、2人には水流右を直登してもらうことに。上からザイルを投げおろします。

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▲ザイルが付いているので安心ですが、滝の落ち口付近の岩が丸くて安心できるホールドがないようです。リードするなら、ハーケンを打ち込んでプロテクションを取れるようにしないと、ちょっと心配です。12:20ころ。

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▲視界の上半分に広がる緑の森は相変わらず綺麗です。こういう中を流れる沢ならば、小滝でも登攀的な滝ではなくても、大好きです。12:35ころ。

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▲倒木も増えて来ました。フラッシュをたかずに撮った写真ですが、明暗のコントラストはこれくらいありますね。13:13ころ。

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▲家で写真をよく眺めてみると、この滝が10mF3かもしれません。「直登するならばザイルを使いたい」とありますが、ザイルを使わずに登りました。13:24ころ。

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▲またまたヒキガエルです。これまでのとは違い、あまり赤みがありませんね。13:29ころ。

この日1日、ヒキガエルとは何度も遭遇しました。一度などは岩と間違えて掴んでしまいました。ギョッ! カエルさんの方はケロッとしてましたが。

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▲水の流れもほとんど消え、源流の様相ですね。14:05ころ。

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▲とうとうツメです。ザレでなくゴーロなので、落石に細心の注意を払いながらの登高でした。14:46ころ。

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▲ツメの最後は植林帯です。これがけっこう急! 15:01ころ。

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▲赤杭尾根の登山道に出ました。15:19ころ。

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▲花はガクアジサイのようですが、木ではなく草っぽいので、家に帰って名前を調べました。すると、そのまんまの名前です。つまり、クサアジサイ。16:00ころ。

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▲赤杭尾根の中間部では林道を歩くことに。白花で背の高い草が群生していました。僕はこれを永年「ブタクサ」だと思い込んでいました。

この花はケシ科のタケニグサという名前で、有毒植物なんですね。16:05ころ。

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▲今日は暑い一日だったようです。御岳山、大岳山、鋸山、御前山など、奥多摩の山々が暑く湿った空気の中で茹だっているようでした。16:27ころ。

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▲最近では珍しい、草に覆われた奥多摩の登山道です。すぐ下に鹿よけのためでしょうか、柵が続いていました。16:30ころ。

ずっと昔の奥多摩の夏の登山道では足元が草で見えないのが普通だったように記憶しています。

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▲ギンリョウソウです。でも、いつもの印象と違いますよね。これは花が咲き終わった後の種子なんだそうです。16:33

今日は遡行ものんびりペースでしたが、下山も花を愛でながら、会話を楽しみながら、ゆっくりの下山です。時間が許すのであれば、僕はこんな風に余韻を味わいながらの下山が好みです。

古里駅には18時少し過ぎに到着。18:15の電車に乗りました。

                *   *   *   *   *

のんびり山行は良かったのですが、A野さんは翌日の仕事が早いので一緒に打ち上げをすることができません。次回は打ち上げ出来るような計画を立てましょう。

拝島駅でA野さんとは別れ、S子と2人で九州料理の「かさ」へ。黒糖焼酎の「長雲」をロックで飲みました。僕は「長雲」が好きなんです。

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2 コメント

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お疲れ様でした。 (ano)
2012-08-03 21:43:28
お疲れ様でした。
植物もいろいろ調べて頂いて、ありがとうございました♪
クサアジサイってあるんですね~。
ギンリョウソウの種とか、びっくりです。もっとよく見ておけばよかった!

私は翌日、虫さされで片方の顎だけ腫れました。痒かった(>_<)
メロンさんは大丈夫でしょうけど、S子さんは腫れませんでしたか??

やっぱり沢は楽しいですね~~~♪
沢の音、水がかかる感じ、木登り!に綱渡り!!キツイ詰めも、
全身使って遊べるのがイイですね(^v^)

また御一緒させてくださいね♪よろしくお願いします(^◇^)
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登山道に出てからの虫の攻撃は凄かったようですね... (メロン)
2012-08-03 23:33:32
登山道に出てからの虫の攻撃は凄かったようですね。僕には全然来てくれないのですが………
S子は目の下など咬まれていました。ちょっと腫れていましたね。
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