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ザイルと焚火と焼酎と

ザイルを使う登山にちょっぴり憧れ、山中に泊まると焚火を囲み、下山後は焼酎でほのかに酩酊。いい加減なのんびり登山の日記です

1日開けて、またまた天覧山で岩トレしました

2022年10月21日 | 岩登りトレーニング

15日はHTさんの平日の休みに合わせて急遽天覧山を計画。17日焚火山行を台風14号のせいで中止にした代わりに、天覧山へ日帰りで行くことにしました。17日は途中で雨になることも予想されたのですが、降り出しが遅くなり、雨に遭うことはなく、ラッキーでしたね。15日のメンバーはHTさん、N村さん、僕、17日のメンバーはO崎さん、W科さん、N村さん、僕。2回とも天覧山の最下部岩場は僕たちだけで、思い切りトレーニングが出来ました。N村さんは連続しての参加で、やる気に溢れていますし、筋持久力もかなりあるようです。

 

2022年9月17日(土) 天覧山岩トレ

▲10:24。まずは最下部岩場のトラバース練習からスタートします。右や中央は丁寧に進めば易しいトラバースです。難しいのは左端。写真のところからが難しくなります。落ちると、下の地面に傾斜があるので、転がっていかないように後ろで誰かが守ってあげなくてはなりません。O崎さんはバランスのいいクライミングをします。いいところまで行きましたが、惜しくも失敗。クライミングシューズを購入し、この日がお初の使用です。

 

登山用品店の人は誰に対しても、ギチギチの履くと痛くてたまらないようなサイズのクライミングシューズを勧めます。そんなシューズは長く履き続けることは無理で、1回1回脱がなくては痛くて足がもちません。確かに足先が1ミリでもずれると落ちてしまうようなシビアで高難度の岩場を登るクライマーにはそんなシューズが必要なんでしょうね。でも、僕は1日中履いていても足がさほど痛くはならないクライミングシューズを履いています。5.11のルートでもそれが通用するかどうかは、そんなハイグレードなルートに挑戦しない僕には分かりません。でも、4級や5級のルートのリードで困ったことはありませんし、トップロープで5.10のルートにチャレンジしてもシューズの影響を感じたこともありません。

ですから、僕は初めてクライミングシューズを購入する人には次のようにアドバイスするんです。「店の人は毎回脱がないと痛くて堪らないほどの小さなサイズを勧めるので、そんなシューズは買わないように。自分の登るレベルを言って、一日中履いておれるサイズを買いましょう。それでも2、3日は足が痛くなると思います。ほんの少しだけシューズが伸びて、痛くならなくなる、そのくらいのサイズが僕たちにはベストですよ」と。

O崎さんが購入した店の人はその辺のことがよく分かった人だったそうです。最初からあまりきついシューズは勧めなかったそうです。よく分かった店員さんですよね。初心者に痛くてたまらないような小さなクライミングシューズを勧めるのは、2足目を買わせる作戦ではないかと、勘ぐってしまいますよね。

 

▲10:35。W科さんは天覧山初めてだと思います。最下部岩場のトラバースですが、なんと! なんと! なんと! 一発目で成功してしまいました!! センスがいいのは確かでしょうね。ただ、3回目以降は成功しません。能力はあるわけですから、それを安定的に確実に出来るよう努力してください。

 

▲11:23。トラバースの次は左部分を登る練習です。一人3ルートずつ、登り、クライムダウンしてもらいました。グレードは3級ですね。

 

▲11:49。W科さんも同じ練習メニューです。

 

ここで昼食だったでしょうか?

 

▲12:47。昼食後もまずはトラバース練習です。

 

▲12:48。O崎さんはバランスが良く、僕がやってみせると、そのムーブを素直にコピーできる能力に優れていますね。なかなかすぐに同じようには出来ないものですけれどね。

 

▲13:00。女性2人にも確保の練習をしてもらいました。N村さんが指導しています。W科さんが確保していますね。O崎さんはW科さんのバックアップのためザイルを持っています。N村さんが低い場所から「じゃあ、飛び降りるからね」と言って、飛び降りました。

 

▲13:04。W科さんの確保でN村さんが小ハングルート4級+を登ります。トップロープとは言え、スムーズに登ってしまいました。N村さんはその後もこのルートをスムーズに登っていましたね。

 

▲13:18。続いてO崎さんが小ハングに挑戦します。確保はW科さん、N村さんがバックアップしています。O崎さんは苦労しながらも、ザイルに強く引っ張り上げてもらいましたが、登り切ることが出来ました。

 

▲13:31。W科さんはちょっと苦労はしましたが、登り切ってしまいました。素晴らしい!

 

▲13:33。ロワーダウンで降りて来るW科さん。

 

▲13:54。トップロープでの登攀練習の合間にトラバース練習もしています。N村さんがハイタッチして喜んでいますね。理由は、トラバースの片道が初めて成功したからです。

 

▲13:59。N村さんのトラバース片道成功に刺激されて、W科さんも気合が入ります。靴も小ハングからは僕のクライミングシューズを履いています。左端の核心部だけですが、成功しました! 続いて、O崎さんも左端を成功させました。凄いですね。まだ、O崎さんは右端のスタート地点からトライするとまだ成功していません。左端の核心部まで腕や指の筋持久力がもたないのでしょうね。W科さんは初めは成功しましたけれど、この時は力が残っていなかったようですね。

 

▲15:45。最後に小ハングルートの右隣りにトップロープの支点を移動させました。フェースルート4級+です。僕もこのルートはほとんど登ったことがありません。最初に僕に登らせてもらいました。登り慣れている小ハングルートのようには登れませんが、ホールド、スタンスを探しながら問題なく登れました。最初にN村さんがトライしましたが、写真のW科さんがいる場所から苦労していました。W科さんも同じ場所で苦労しています。でも、このルートはハングはもちろん前傾もしていませんから、さほど腕に負担はかかりません。そうなると女性は得意ですね。優れたバランス感覚を発揮させます。W科さんは何とか上まで登って行きました。

 

▲15:59。最後にO崎さんが挑戦します。前の写真でW科さんがいる位置が最初の核心部の始まりですけれど、そこは比較的問題なく突破してしまいました。この写真のO崎さんがいる場所が次の核心部なんですが、ここも何とか突破! 素晴らしいです。

 

クライミングの楽しさ、そのひとつには成長を実感しやすい点があると思います。登れなかったルートが登れるようになった。以前よりも1手先まで進めるようになった。明瞭に進歩を確認できるのです。そして、その成長ですが、継続すれば誰しもが必ず成長することが可能な点も魅力です。週に一度クライミング練習すれば、急激に伸びるでしょうし、月に1度か2度でも、コンスタントに続ければ確実に成長できます。

もちろん、クライミングにも向き不向きやセンスの良し悪しはあります。僕などもセンスは人並みだったと思いますし、体型もクライミングに適したものではありませんでした。今でもそうですけれどね。クライマーとしてのベスト体重よりは数kg以上は重いでしょうし、身長も手足も短い方です。柔軟性も劣りますし、体幹も強くはありません。今では高齢のせいですべての面で劣化しつつありますしね。

それでも、フリークライミング隆盛以前のクライマーとしての一人前のレベルには到達していたと思います。つまり、4級+のオンサイト能力獲得です。このレベルに到達すれば、日本の岩場のクラシックルートはほとんど挑戦可能です。ですから、こんな僕でも自分たちで谷川岳の一ノ倉沢や幽ノ沢、穂高岳の滝谷、剱岳の八ッ峰6峰フェースやチンネや本峰南壁、北岳バットレスなどの登攀が出来ました。沢登りもある程度の登攀的な沢へも入渓することが出来ました。

4級+のオンサイト能力獲得がクライマーとしての一人前の最低限の基準だと思います。現代ではフリークライミングがさらに進歩して、そのレベルでは入門者扱いですけれど、本番の岩や沢ではそのレベルが確実に登れる実力はモノを言いますね。

現代では、世界一流のアルパインクライマーは一流のフリークライマーであることがほとんどです。ヒマラヤの6000m級や7000m級の困難なルートに挑戦するクライマーがフリーでは5.12~5.14を登れる人物であることはごく普通です。

次元は異なりますが、沢屋もクライマーだと昔から僕はそう考えて来ました。沢登りを楽しむ人であれば、クライミングもあるレベルまでは極めないと駄目だと思っています。初級レベルの沢登りをする人たちも、連れて行ってもらうのではなく、自分の自分たちの力で遡行しようと思うのなら、せめて4級+のオンサイト能力を身に付けてもらいたいと思っています。


平日の天覧山岩トレ再開かな? とりあえず№1

2022年09月29日 | 岩登りトレーニング

新型コロナウイルスのパンデミックが発生して以降にYYDへ入会した新入会員はとても熱心なメンバーが多いですね。YYDは一応、沢登りと雪山中心の山岳会ですから当然かもしれませんが、実態はそうでもありません。沢登りをコンスタントに実践しているメンバーは3分の1くらいではないでしょうか?

この日、天覧山に集ったN村さんもHTさんもそんなメンバーです。HTさんは仕事の都合で土日に休めないことも多く、代わりに平日休みがあったりします。それで、平日の岩トレをすることにしました。N村さんはある程度は自由に仕事の時間を決められるようです。本当はこの日は休めなかったようですが、急に事情が変わって休めるようになったんだとか。

 

天覧山は高さのない岩場が幾つもあって、何度も繰り返し登って練習できる点がいいですね。しかも、トップロープをセットするのが容易です。天覧山には最下部岩場、鏡岩、蛇岩、獅子岩、地蔵岩、トラバース岩、羅漢岩など多くの岩場があります。鏡岩5.7、蛇岩5.8、獅子岩5.9~5.11、地蔵岩5.9、トラバース岩5.7~5.11、羅漢岩5.11 グレードはほぼこんな感じかなと思います。最下部岩場は易しい岩場で、僕たちのトレーニングには最適です。高さ8m、幅10mほどの岩場ですが、左右に3級レベルのルートがあり、中央に4級+のルートが2本あります。

 

2022年9月15日(木) 天覧山岩トレ

▲11:52。地面すれすれの岩場を右から左へ、左から右へとトラバースする練習もとても有効です。グレード自体は左端部分が難しく、5級のレベルだと思いますが、地面すれすれに移動するので、危険度は低いです。もちろんザイルは不要、一人で来ての練習も出来るでしょう。写真は右から左への移動中です。ここからが左端の核心部となります。岩場には10時半ころに到着して、のんびりと最初はハーネスも付けずにこのトラバースに精出しました。

 

▲12:08。岩場の左にトップロープをセットしました。3級ルートですね。ここをN村さんに3本ずつ少しずつ違うルートを登ってもらいました。下りはクライムダウン、自分の手足で自力で下ってもらいます。登るよりも下りの方が難しいです。ですから、クライムダウンは易しいルートからでOKです。

 

▲12:27。同じ練習をHTさんにもやってもらいます。彼女はクライミングシューズをまだ持っていませんから、自分の山用の靴を持って来てもらいました。普通の軽登山靴とローカットの運動靴に近い登山靴でした。履き試してもらいます。

 

▲12:42。N村さんは合間を見てはトラバース練習に励んでいました。

 

▲12:52。スタンスが細かいルートをローカットのシューズでは登れなかったので、靴底の硬い軽登山靴で登ってみることにしました。こちらの方が登り易いようですね。

 

ここで昼食。

 

▲13:45。昼食後は岩場中央の小ハングルートに挑戦です。いまN村さんが立っている前の部分の岩が穴のようになっていて、このまま上に登るとすると小さなハングの障壁になるのです。左に逃げると凄く易しくなり、右に逃げても少し易しくなります。ですから、まっすぐに小ハングを真っ正面から登るルートです。4級+。

 

▲13:57。HTさんも挑戦中! この写真では体半分、左に寄り過ぎていますね。右手は2時の方角の数10cm先にガバホールドがあります。両足ともにもう1段上に置かなければなりません。そうそう、昼食後はHTさんに僕のクライミングシューズを貸しました。

 

▲14:43。小ハングを横から見るとこんな感じ。HTさんは何度も何度も挑戦を繰り返しました。腕はパンプしているはずなのに、・・・・ 頑張り屋さんです!

 

▲14:53。それでも肉体は正直で、腕には体を引き止め続ける力は残っていません。せっかく足は高い位置まで上がりましたけれど、腰が落ちてしまいました。

 

▲14:59。僕はHTさんを応援しに岩場の上へ行きました。ホールドやスタンス、そしてムーブを教えてあげます。でも、すでに力尽きていたようですね。

 

▲15:18。どこにトラバースをする力が残っていたんでしょうね!? まだ初回ですから分かりませんが、HTさんの強みは頑張り精神と疲労が溜まりにくい筋肉にあるのかもしれませんね。

 

▲15:49。頑張る点ではN村さんも負けていません。ただ、男ですから僕にも共感できますけれど、筋肉がほぼパンプしているのは如何ともし難いですよね。

 

▲16:16。HTさんはまだまだ登ります。そろそろ最後ですが、左のルートの中でスタンスの細かい、少し難しいルートに再チャレンジしています。クライミングシューズですから、比較的容易に登ってしまいました。

 

飯能駅近くの地元客が多く集う居酒屋さんに行って、反省会を大々的に催しました。N村さんもHTさんも強烈に酒が強いんです。それにひきかえ、僕は嗜む程度(笑)。3人でどれほど飲んで、どれほど支払ったかは秘密にしておきます。でも、それほど楽しく充実した反省会だったということですね。とはいえ、かなり度を越したことは反省しなければなりません。飲み過ぎと払い過ぎは要注意!

 

この居酒屋さんに来ると、いつも思い出すのは山の大先輩のA藤さんのこと。この場所にA藤さん行きつけの居酒屋さんがあったんです。その居酒屋さんは家族経営でしたね。忙しい時は娘さんが手伝いに来てくれていました。その店は理由は知りませんが無くなり、同じ店舗のままで(少しの改装はありますが)今の居酒屋さんになったのです。前の店の時も今の店も、地元の呑兵衛が多く集う店ですね。

A藤さんは70歳になって新潟県の恋ノ岐沢を遡行したのが最後の沢登りでした。沢仲間が皆で誘って、一緒に登ったんです。歩くスピードは極端に遅くなっていましたけれど、出合1泊、沢中1泊で無事歩き通しました。誰からも好かれる素敵な江戸っ子でした。(すでに埼玉県に移り住んでいましたけれどね)


北アルプスの疲労がだいたい取れて、懸垂岩の岩トレに参加しました

2022年09月21日 | 岩登りトレーニング

北アルプスから戻って来て1週間後の土日は、まだまだ僕の肉体には疲労が残っていました。疲労感は消えていましたが、肉体にはダメージが残っていたのです。都合のいいことに天気はあまり良くなく、どこにも行かなくても残念な印象はありませんでした。

2週間経過して、北アルプスの疲労もなんとか抜け、ひとりで奥多摩を歩いて来ようかとも思ったのですが、S藤さんが丹沢での岩トレを計画したのです。下山後の反省会開催の悪魔的誘惑に屈して、日常より3時間も早起きして、ヒルの棲息地に赴くことにしたのです。岩トレですから、体力的にも楽ですしね。

この日は緑陰と清流に囲まれた環境の中、気持ちの良い岩トレで1日を過ごすことが出来ました。そんな恵まれた自然条件下、ヒルも活発に生きているようで、人類との攻防も若干はあったみたいですが・・・・

 

2022年8月27日(土) 丹沢・懸垂岩

懸垂岩にはザイルを用いたソロシステムの練習をしている一人だけで、僕たちは自由に練習ができました。その一人も途中で帰りましたから、独占です。岩場に到着後、のんびりと過ごしていたのですが、成り行きで何となく2パーティーに分かれて練習することに。O崎さんとT内さんと僕、そして、S藤さんとM澤さん。

▲10:58。僕たち3人は岩場左の易しい壁でトップロープをセットして基本練習です。中央の最も易しいルートはソロシステム練習の方が使っていますから、その左を登りました。1本目はソロシステムの方のすぐ左を登ります。いちばん易しい所から。上まで行くと、支点のカラビナタッチして、ロワーダウンで下降。2本目は最上部にクラックが2mほどあるのですが、そこの登攀。二人とも少し右に逃げてしまいました。写真は2本目を登るT内さん。

 

▲11:12。S藤さんとM澤さんは右の岩場で練習しています。岩場の中間にテラスがあって、そこでトップロープをセットしています。グレードは4級+。S藤さんが核心部にチャレンジ中!

 

▲11:13。3本目は同じルートのリベンジ。二人ともなんなく成功! 写真の右手で掴んでいるクラックがそのルート。このクラック沿いに登るのです。3級だと思います。2本目でも登れたと思いますが、ついつい易しい右側に逃げちゃったんでしょうね。

 

▲11:34。4本目はクラックを右手で掴んで登る感じで、ほんの少し左を登ってもらいました。トップロープの支点の位置は変わりませんから、各自工夫して少しずつ違うルートを登るんです。

 

ここで僕たちは昼食タイム。

 

午後はまず、すでに練習再開していたS藤さんたちのトップロープを貸してもらって、まずは僕に登らせてもらいました。M澤さんに確保をお願いして、懸垂岩右側を登ります。S藤さんとM澤さんが午前中に登っていたルートです。まずは真ん中の垂直ルートから、新しいボルトが連打されているルートです。4級+あると思います。続いては、その右の凹角ルート。古いリングボルトが続いています。これも4級+くらいあると思います。3本目は1本目の少し左の膨らんだ小ハング。途中で登れませんでしたからグレードは不明でしたが、5級以上は確実にあります。デシマルで5.8以上はあるでしょうね。

 

▲12:19。M澤さんにはさらにお願いをして、O崎さんとT内さんにも真ん中の4級+ルートを登らせてもらいました。登れないだろうな、と高を括っていたら、なんとなんと二人とも完登! バランスよく登って行きました。クライミングでいちばん重要なのはバランスです。男性は力に頼りがちですが、一般的に女性はバランス重視で登ろうとします。ですから、女性の方が男性よりもクライミングに関しては上達が早いと僕は思っています。写真はO崎さん。

 

▲12:27。T内さんもバランスよく登ってしまいました。足の運びが見事でしたね。

 

▲12:31。ロワーダウンでT内さんが降りて来ます。

 

▲13:07。再び午前中と同じトップロープに戻って来ました。確保している僕のズボンが赤黒い血の色に染まってることを知らされ、右足の脹脛を触ってみると、ズボンの上からでも柔らかな感触が伝わって来ました。それを出して見ると、僕の血を吸ってパンパンになって、満足したのか皮膚からは離れていたヒルがポロッと落ちました。ヒルには罪はなく、若干の罪悪感はありますけれど、をかけて退治しました。

 

▲13:11。5本目は岩場の左端から登り、最上部は先ほどのクラックのさらに左を登ることにしました。出だしの苔っぽいフェースはスタンスが細かくて、難しいですね。O崎さんは左へ逃げて灌木と格闘し、T内さんは足を滑らせてはザイルにぶら下がっていました。ここが左端ルートの核心部でした。4級+はあると思います。でも、ピンがないのでリードは考えちゃいますね。最上部のクラック左は二人とも問題なく登って行きました。上手です。写真は下部核心部を登るT内さん。

 

▲13:15。同じルートの上部を登るT内さんです。中間部と最上部も3級+くらいでしょうか?

 

▲13:33。最後は二人にリードの真似事をしてもらいました。トップロープの状態で、もう一方のザイル末端でリードのザイルワークをしてもらいました。O崎さんがリードする時はT内さんが確保、T内さんがリードする時はO崎さんが確保です。トップロープで僕が確保していますから、リードのザイルの確保も真似事のようなものですけどね。本当はその後、正式なリードもしてもらいたかったのですが、まだ少しハードルが高くて断念。リードし終わってからのセルフビレイやらフォロワーの確保やらも教えていませんでしたからね。写真はO崎さん。

 

▲13:52。T内さんもリード練習。下にはS藤さんがいます。

 

▲14:23。O崎さんがザイルのたたみ方を覚えたいと言います。ザイルをきちんとたためるだけでもパーティーにとっては戦力になります。

 

この日の岩トレはこれで終了です。実はこれから少しだけ沢登りをするんです。ですから、この日は渓流シューズで岩を登っていました。

 

▲14:45。懸垂岩の前を流れる水無川。対岸に見えているのが、これから登る新茅ノ沢出合です。

 

▲14:50。出合の頭上には戸川林道が通っています。

 

▲14:52。小滝が出て来ました。S藤さんがリードします。

 

▲15:04。S藤さんの確保でM澤さんがラストで登って来ました。セルフビレイの方向がフォロワーの墜落によって引かれる方向とずれている点を注意しました。

 

▲15:09。元気な女性2人! F1の前で。

 

▲15:17。7mのF1もS藤さんがリードします。プロテクションを取るピンもしっかりとあります。3級-くらいかな?

 

▲15:50。全員がF1を登って、この日の沢登りはここまでです。F1を懸垂下降しました。懸垂をセットした木の根元が彫り込まれています。セットしたザイルの摩擦でここまでになったのでしょうか? 沢を下降してくるパーティーも多いからなんでしょうね。

 

▲16:05。O崎さんが懸垂下降中。

 

▲16:07。ラストのM澤さんが降りて来ます。

 

▲16:22。小滝も懸垂下降。T内さんが懸垂下降中。

 

▲16:28。戸川林道の下まで戻って来ました。

 

▲16:34。林道に上がって、パチリと記念撮影。左からM澤さん、S藤さん、僕、O崎さん、T内さん。

 

岩トレもミニ沢登りも充実しましたが、それに劣らず充実(盛り上がった)したのは渋沢駅近くの居酒屋さんでの反省会でした。何時まで店に居て、何時の電車に乗ったのかは覚えていませんが、僕がH島駅に帰り着いたのは真夜中でした。居酒屋さんには何時間いたんでしょうね? その間、ずう~~~っと盛り上がりっぱなしでした。


YYDの新人2人が天覧山で初めての岩登りトレーニングをしました

2022年06月16日 | 岩登りトレーニング

6月5日(日)のシダクラ尾根地図読み山行の反省会(という名の打ち上げ)で、新人の男性1人が「岩登りの練習をしたい」と言っていました。という訳で、1週間後の12日岩トレを実行することに。山行計画を公表すると、同じ日のもう1人の新人女性も参加を申し込んで来ました。「僕ひとりで2人の初心者を教えるのは大変だな~ぁ!」と思っていたら、それを察したK野さんが手伝いに来てくれることに。感謝! 感謝!

 

初心者2名への岩トレ体制はスタッフ面では心配なくなりましたが、もっと心配なのは天気でした。何日も前から気象庁やウェザーニュースやらをチェックし続けていましたが、気象庁は慎重派で「曇り時々雨」みたいなレベルの予報から良くはなりません。ウェザーニュースの飯能市の予報を見ていると、2日前くらいだったか、1時間おきの予報の中に雨マークが消えて、午後からは晴れマークばかりになったことも一瞬ありました。でも、すぐに午後から3~4時間は雨になります。最終的にはウェザーニュースでは前日夜からは曇りが続いて、当日正午まで曇り。午後2時間ほど時間降水量が0.5ミリほどの小雨が降り、その後は晴れ、そんな予報が出ていました。これなら、1日中岩トレ出来そうだな、と思いました。岩場も完全には乾かないでしょうが、生乾き程度にはなるかな? と。

当日になって、予報を詳しくは見ませんでしたけれど、空に広がっている雲は薄雲で、ときおり薄日も射すほどでした。ただ、夜中に2時間ほどかなりの雨(50ミリ以上)が降ったみたいで、岩場はびしょ濡れ、一日中乾くことはないだろうと、思いました。

天覧山の岩質はチャート系で濡れると滑り易くなります。ですから、少し難しいグレードのクライミング練習は出来そうにありません。4級は登れないでしょう。3級の岩場だけでの練習になるでしょう。本来ならば、4級+のルートくらいは触って欲しかったのですが、そこは諦めることにしました。

 

2022年6月12日(日) 天覧山岩登りトレーニング

 

天候も微妙でしたから、飯能駅集合は9時25分。そこから住宅街の外れにある天覧山へ行き、最下部岩場へ降りて行きました。驚いたことに、こんな季節こんな日なのに、僕たち以外のパーティーがいます。最下部岩場の易しい右側のエリアに2本のザイルをトップロープにセットしてあります。

僕は朝食もまだでしたから、ゆっくりとサンドウィッチを食し、ミルクチャイを飲みます。新人2人がハーネスを装着する前に、岩場の下を左から右へトラバースしてみよう、と言いました。一番左端は少し難しいので、そこは外しました。一度やって見せて、あとはK野さんに任せます。K野さんは基本となる三点確保等を教えてくれていました。岩場はびしょ濡れです。

 

▲11:18。サンドウィッチを口にしながら、僕もハーネスを装着して、岩場の左側にトップロープのセットをしました。K野さんの確保で、まずは男性の哲さんが登ります。易しいルート(3級-)を登って、そこをクライムダウン(登り同様に自分の手と足で降りて来る)します。続いて、女性のO崎さん。写真は最初にザイルで確保されている安心感を知ってもらうために、ザイルに身を預けてもらっているところです。

 

▲11:19。O崎さんも哲さん同様、易しいルートを登り、クライムダウン。

 

▲11:30。同じ練習の2度目です。哲さんは最初のルートの少し左を登ろうとしています。でも、そこは少し難しく3級+くらいはありそうです。さらに少し左のルートを登ってみたらと指示しました。この写真のルートですが、最初よりは岩場が立っていますけれど、思いのほかホールドがしっかりしていて登り易いんです。3級でしょうね。クライムダウンは最初と同じルートを降りて来ます。そして、地面から1mの辺りでクライムダウンを止めて、ザイルに体重を預けてもらいました。そして、そのままザイルを下ろして行きます。ロワーダウンですね。

 

▲11:39。K野さんにも登ってもらいました。哲さんには人生初確保をしてもらいました。当然、写真に写っていない手前のザイルを僕がしっかりと握っています。K野さんはちょっと難しい3級+のルートを登って行きました。スタンス(足場)が小さいので、運動靴では登りにくいんですけどね。

 

▲11:59。僕も登らせてもらいました。その確保はO崎さん。彼女は直前にハーネスとヘルメットを買ったんだそうです。沢登り用のハーネスだそうです。安全環付カラビナとルベルソはK野さんが貸してあげたもの。

 

▲12:07。3級ルートの登攀とロワーダウンを繰り返します。

 

▲12:09。ロワーダウンは懸垂下降の姿勢と同じですから、その準備練習としても有効です。哲さんは岩場は初めてだそうですが、クライミングの机上講習のようなものを受けたことがあるそうですね。ヘルメットもハーネスも、幾つか器具も持っています。

 

▲12:19。3級ルートの上部はこんな感じです。このルート自体は高さ6mくらいでしょうか。

 

▲12:21。O崎さんも哲さんもロワーダウンを怖がらずに降りて来ます。怖がって、足で立つ姿勢をとってしまう人もいます。体が起きてしまうと、逆に足が滑り易くなるんですよね。足は岩場と垂直になるくらいに思った方がいいのです。

 

▲12:25。K野さんが登っています。哲さんはしっかりと確保しています。

 

この後、僕たちは昼食タイムにしました。しかし、すぐに遠くで雷の音が聞こえ始めます。雷鳴は鳴るたびにどんどん接近して来て、すぐに大音響を轟かせるようになりました。雷雨の予想を見ても、どうやらこの場所を直撃するようです。僕たちは荷物が濡れないようにして、天覧山中腹広場の東屋へ避難することにしました。

 

▲12:55。豪雨の中、この東屋に逃げ込みました。まさにバケツを引っ繰り返したような雨です。すぐ近くの景色も雨で白く煙(けぶ)っています。

 

▲12:58。少し雨の量は減りましたが、大雨ではあります。

 

▲13:16。雨がやみました。

 

▲13:16。青空も覗いています。

 

気象庁のデータを見ると、飯能市では30分間20ミリ以上の雨が降ったようですね。そのうち10分間では17ミリですから、1時間換算では100ミリ降るような激しい雨だったわけです。ただ、僕の個人的感想では、もっと降っていたように感じます。気象庁が設置している飯能市の観測地点よりも天覧山の方がより多く降っていたと思います。

 

▲13:45。さ~て、午後の練習、再開です。午前中から張ってあるトップロープの場所に懸垂下降用のザイルもセットしました。自分の好きなルートを登って来た哲さんは岩場の上まで来て、まずはセルフビレイを取り、8環に懸垂下降のためのザイルをセットします。そして、セルフビレイを外し、トップロープのザイルで確保されたまま、懸垂下降。哲さん、人生初の懸垂下降です。

 

▲13:50。O崎さんも続きます。

 

▲13:56。同じように懸垂下降。O崎さんも人生初の懸垂下降です。これを2人とも2度実践しました。

 

▲13:59。右の木を使った2ヶ所のシュリンゲはトップロープ用。左は僕のセルフビレイ。左上から右下へ伸びている水色のザイルは懸垂下降用ザイルです。

 

▲14:27。最後に僕も懸垂下降。ルベルソ5を用いての正式な懸垂下降です。ルベルソは体からは少し離れたところにセットしています。そして、黄色いシュリンゲですがマッシャー結びで体の近くにセットしました。最近の懸垂下降ではこのマッシャー結び等で安全装置をセットすることが、主流になっているようです。懸垂下降の途中でアクシデントがあって、ザイルから両手を離してしまっても、その場で自動的に停止します。安全意識が時代と共に高まって来ているのでしょう。以前から、8環なら仮固定ですぐに留まることが出来るけれど、ATCやルベルソではどうするんだろう? と思っていました。こうするんですね。

 

▲14:50。最下部岩場は静かです。まだびしょ濡れのままですが、陽射しも降り注いでいます。実は、もうひとつのパーティーが移動したんです。僕たちが雨宿りしていた東屋に行くと言っていました。そこでザイルワーク中心に練習するんでしょうね。ですから、最下部岩場を僕たち4人パーティーが独占しています。

 

▲14:53。岩場の右に懸垂下降用のザイルを移しました。この上へは安全に歩いて行けるのです。懸垂下降を確実なものにするために何回も練習してもらうことにしました。哲さんが懸垂下降で降りて来ています。

 

▲15:05。このルベルソ4(かな?)は哲さん自身のだったと思います。ルベルソを体の近くに置いて、安全装置のフリクションノットは遠いサイドにセットしていますね。フリクションノットはクレイムハイストですね。下降器と安全装置の位置関係はどちらがいいのか、僕はまだ分かりません。ただ、公式には先ほどの僕のように安全装置の方を体に近づけていますね。

 

▲15:10。O崎さんも懸垂下降。

 

▲15:15。哲さんもこの方(安全装置が体の近く)がやりやすい、と言ってましたね。

 

哲さんもO崎さんも懸垂下降を数回繰り返すうちに、K野さんからのアドバイスなしに懸垂下降が出来るようになりました。岩場上部でのチェックを任せていたK野さんも最後に懸垂で降りて来ました。

続いて、時間的に最後の練習メニューになりますが、カラビナの掛け替えをしました。岩場の下の所々に打たれているリングボルトを利用して、横に数メートル、ザイルを張りました。途中の2ヶ所でカラビナの掛け替えをするようにセットしました。そこでカラビナの掛け替えの方法と意味を説明します。固定されたザイルにフリクションノット等をセットして登る(移動する)際に必要となるのがカラビナの掛け替えです。シビアな状況でのカラビナの掛け替えでは、片手でザイルが一瞬たりともカラビナから外れることなくすり替えるように掛け替えをする方法もあります。これは家で何度も何度も練習しておかないと難しいですね。また、ヨーロッパアルプスでのヴィア・フェラータのように人間側のセルフビレイ的なものを2つにしておく手もあります。逆に、固定された支点側のプロテクション的なものを2つセットしておく手もあるでしょう。

でも、今回はいちばんいい加減な方法、落ちるはずのない場所でのいい加減な方法を練習しました。本来的にはこんなやり方では駄目だというやり方です。でも、沢なのでは実際上はこんな風にやっていることがほとんどだと思います。(でも、プロテクション的なものを2つにした方がいいのだと思います)

 

▲16:06。僕は終了点にいます。上ではザイルを固定しています。途中、だいだい色で囲んだ箇所カラビナの掛け替えをします。いま哲さんが登って来ています。下ではK野さんがザイルを引いて、哲さんのフリクションノットが動き易いようにしてあげています。

 

▲16:06。哲さんが最初のカラビナの掛け替えを実行中。安定した足場なので、カラビナを外して(本当は駄目なんですが)、自分のフリクションノットの下方に移し替えているのです。(やっぱり、ヌンチャクを2つセットするのを基本にしようかな) 2番目のカラビナ掛け替えも行なって、岩場の上に上がり、歩いて元の場所に戻ってもらいます。

 

▲16:13。続いてO崎さん。最初のカラビナ掛け替えもやって、2つ目のカラビナ掛け替えをやるべくトラバース中です。

 

このカラビナ掛け替えも2回ずつやってもらいました。そして、最後にザイルの末端でK野さんに上がって来てもらって終了。

ちょうどいい時間になったので、この日のトレーニングも終了です。岩場が濡れていたせいで、いつもあまりやらない種類のトレーニングをいろいろとすることが出来ました。これはこれで充実したトレーニングになったと思います。

 

下山途中、あのパーティーがまだ東屋で何かトレーニングをしていました。熱心ですね。人数もこちらの倍以上いたので、時間はかかるんだと思います。

 

入ろうと思っていた居酒屋さんは地元客で一杯でした。2軒目はこの日は品揃えが乏しく、3軒目に入りました。それから延々3時間以上。哲さんが場を盛り上げるのが上手で、しかも4人ともアルコールに弱くなくて、飲み続け、喋り続けました。僕は近いのでいいのですが、3人は遠いですから、僕が気を回してあげて、早くお開きにしなければ駄目だったんですがね。僕も気分が良くなると、そんな配慮も吹っ飛んでしまいますからね。


つづら岩も3年半ぶりです。ダブルザイルの練習をしました

2022年05月21日 | 岩登りトレーニング

つづら岩は奥多摩の大岳山1266.5mから南東に延びる馬頭刈(まずかり)尾根上にある岩場です。メインの南面は高さ40m、幅60mあります。

つづら岩は僕にとってはとても思い出深い岩場なんです。僕は27歳の時、沢登りのルート図集と沢登りの解説本だけを頼りに単独で沢登りを始めました。ザイルはもちろん、ヘルメットもハーネスもなく、地下足袋と草鞋だけでやってました。通い慣れた奥多摩の、ルート図があって、ザイルがなくても高巻いたりして遡行できる沢ばかりを登ったのです。奥多摩の沢でルート図に載っている沢は当時はまだ少ししかありませんでした。さらに、ザイル不要の易しい沢となると、本数は限られます。そんな沢を僕は季節を変えたりしながら何回も訪れたのです。3年間ほどそんなことをしていると、さすがに詰まらなくなって来て、他の沢にも行きたくなります。でも、そのためにはザイルを使用する岩登りが出来なくてはなりません。

『山と渓谷』の会員募集欄を通じて、2つの沢登り専門の山岳会に申し込みの手紙を送りました。でも、なしのつぶて。当時は少しでも先鋭的な山岳会では30歳を越えているとロートル扱いでお呼びでなかったんですよね。

そこで僕は方針を転換しました。つづら岩のことを思い出したのです。馬頭刈尾根を歩いた時に、つづら岩で岩登りの練習をしている人たちを見たことがあったのです。「そうだ! あそこに行けば岩登りをしている人とコネが出来るはずだ」と考えたのです。早速実行しました。軍道の登山口から歩き始めると、最初に東面の岩場に出会います。そこでは学生のような若者たちが大勢練習していました。「こんな若造に叱られながら訓練させられるのは嫌だな」と思い、そこから離れました。南面に行くと、中高年のおばさんが居ました。ザイルを操作しています。そのザイルの先、10mくらい上の岩場には男性がいて、登っています。つまり、その女性はそこでリードしている男性を確保していたんですね。僕は興味津々ですから、じっとそこで見続けました。当然、彼女はそんな僕に気付きますよね。「岩登りに興味があるんですか?」と声を掛けて来ます。「ええ」と僕は応えます。「じゃあ、電話番号を言いますから連絡してください」と言って、彼女は電話番号をその場で言うんです。僕はメモをして、その場を離れました。これほど年配の人になら、怒られたりしても我慢できるかな、と思ったのです。今から思うと、教えてくれる人を選ぶ基準が変ですね。

それはともかく、その夜すぐに電話して、次の週だったか、天覧山に連れて行ってもらいました。さらに翌週は日和田、少しあいて鹿沼の岩場。その鹿沼の岩場で僕のお師匠さんになる二人に出会ったんです。その帰路、その山岳会に入会することを決めました。

 

つづら岩の思い出話はほどほどにして、この日はダブルザイルの練習をしに来たんです。僕とS﨑君とK野さん、その3人です。もちろん、3人でもダブルザイルの練習は出来ますけれど、リードする人は1ルート1人になってしまいます。つるべ登攀することは出来ません。ですから、もう一人S上さんを誘いました。S上さんは岩トレが久し振りなので、易しい岩の練習をします。これで2人と2人になります。S上さんはダブルザイルの練習はしませんから、途中でメンバーチェンジするつもりでした。

 

2022年5月15日(日) つづら岩で岩トレ

▲8:48。この日はK野さんがシェアカーを借りて来てくれました。千足(せんぞく)の駐車場に停めて、つづら岩へ向かいます。途中、天狗滝があります。滝の左上の岩場も登攀対象ですが、僕は登ったことがありません。(撮影:K野)

 

▲9:28。続いて現われる滝は綾滝です。この日は水量が多かったのでそうは見えませんが、通常の水量の時は水の流れが綾をなすように流れ落ちているのです。(撮影:K野)

 

綾滝からの登山道は急登です。昔はクライマーだけが使っている単なる踏み跡でした。急登箇所のザレは3歩進むと2歩ずり下がるような場所でした。「沢の詰めのザレ場登りの練習だ!」と言っていたものです。でも、何時からだったか、このコースが『関東ふれあいの道』に組み込まれることになったのです。つづら岩や綾滝や天狗滝があったせいでしょうね。それで、登山道が整備され、山肌は道型に削り取られ、階段も付けられました。

とは言え、急登であるのは変わりません。僕は喘ぎ喘ぎ皆の後を追いかけました。

やっと、つづら岩に到着すると、皆はすぐに装備の準備をし始めますが、僕はゆったりと食べたり飲んだり。ここまで登って来ただけで満足状態ですね。

 

S﨑・K野パーティーとS上・僕パーティーに分けることにしました。この時はまだ、途中でS﨑・僕パーティーとK野・S上パーティーにメンバーチェンジしようと考えていましたね。

 

▲11:02。K野さんが左の一般ルートを登り始めました。本では4級になっていますが、僕は4級+あると感じています。

 

▲11:04。K野さんが今いるこの辺りが難しいんです。バランスを崩しやすく、体がドアスイングして右に流れてしまい易いですね。K野さんもしばらく苦労していましたが、突破していきました。

 

▲11:29。フォロウするS﨑君です。彼は4級+のオンサイト能力があったのですが、3月に10数年ぶりにクライミングを再開したばかりですし、体重も増えましたから、4級+レベルには苦労しています。ここでも1度、ザイルにぶら下がりました。

 

▲11:32。この辺りは3級です。左に確保しているK野さんが写っています。K野さんの右にいるクライマーは腕力ルート5級+をフォロウするようですね。

 

▲11:47。S﨑君が2ピッチ目をリードします。今いる場所から左上のフェースに出て登ります。3級の易しいフェースなんですが、ピンが少なくて、探しても見つかりません。そんな不安感が恐怖感に繋がりそうなフェースです。

 

ふたりの順調な練習風景を確認して、僕もやっとやる気が起きました。S上さんは久し振りの岩トレですから、易しい岩場のつづら岩東面へ行くことにしました。

 

▲12:13。つづら岩東面15mほどの高さの岩場です。左側面から見上げると尖った岩峰に見えるので、マッターホルン状岩峰とも称されています。4級+や5級-のルートもあるのですが、僕が登るルートはもちろん3級。写真は僕のリード後、フォロウしてくるS上さんです。

 

▲12:58。2本目は南面に移動して来ました。右端のルートです。このルートは4級-になっていますけれど、その日の自分の状態で凄く難しく感じる日もあります。この日は4級くらいに感じたかな? 僕のリードしている写真は滅多にありませんよね。K野さんが撮ってくれていました。(撮影:K野)

 

▲13:13。僕は途中のテラスで区切って、S上さんの確保をしています。S﨑・K野パーティーは2本目のルートにチャレンジ中。右の一般ルートです。1ピッチ目3級なんですが、難しい4級+のコースから登り始めたようです。ただ、S﨑君にはまだ難しくて、A0になってしまったと、後で聞きました。写真は1ピッチ目の終了点でK野さんの確保態勢に入っているS﨑君。

 

▲13:15。S上さんがフォロウして来ました。今いる辺りがこのルートの核心部です。頭上の木を掴んで登って来ました。写真に写っているザイルですが、細いでしょ! K野さんのザイルなんですが、8.2mmなんです。でも、しかし、シングルザイルなんですね! もちろん、ダブルザイルとしても使用できます。60mあります。

 

▲13:25。最初は今いるテラスから右の踏み跡に移って、歩いて下ろうと思っていたんですが、S上さんがブランクを感じさせない登りを見せているので、2ピッチ目を登ることにしました。もちろん、僕のリードで。登っている途中で、S﨑君を再び撮りました。

 

▲13:25。先ほどのテラスで僕を確保してくれているS上さんです。

 

▲13:42。今、S上さんがいる場所の少し下に確保できるボルトが何本か打たれていたのですが、下がるのも嫌ですから、上まで登って来ました。途中にも確保支点がありましたけれど、完全な安全場所まで登って来て、確保することにしました。写真では分かりませんが、足だけでも歩けそうなくらいの傾斜なんです。そうそう、2ピッチ目のグレードですがよく分かりませんね。難しくはないのですが、不安感や緊張感や怖さはありますね。ピンが少なくて、それがなかなか見つからないんですよね。ホールドだらけではあるのですが、本当にしっかりと使えるホールドはすぐには見つからないんです。そして、けっこう立っていて、90度の垂壁なんですね。3級+くらいでしょうけれど、感覚的には4級ありますね。

 

▲13:54。あれれれれ!? なんで? なんで? K野さんが僕の左、先ほど僕が出て来た場所の少し上(僕に近い方)に現われました! 右の一般ルートは反対側、僕のずっと右に登って来るはずなんです。それにK野さんが登って来たルートは5級くらいあるはずですから、S﨑君は大丈夫かな? と心配です。K野さんは「かなり必死で、軽く酸欠状態で登った」と言ってました。よくリードしましたよね。

 

▲13:56。右側を見ると、こんな感じです。K野さんは本当ならこの写真の岩場の中央付近を登らなければならなかったのです。

 

▲14:01。確保するK野さんの下にS﨑君の白いヘルメットが見えて来ました。

 

▲14:03。S﨑君もよくフォロウしましたよね。

 

▲14:32。4人で懸垂下降することにしました。K野さんがセットします。50mのダブルザイルを2本繋ぎます。2つに分割して、下方に投げたのですが、途中の木に引っ掛かってしまったようです。ちょうど引っ掛かっているところにテラスがあったようですが、その引っ掛かりを外すのに苦労しています。どんな感じで引っ掛かっているのか、上から見ても分かりませんから、K野さんに任せるしかありません。なかなか外れないみたいです。辛抱強く岩場の上で待っていると、2本のザイルの結び目が見えました。それで、K野さんに大声で声を掛けました。「その結び目を解いて、1本ずつ引き抜きな!」。しばらくすると、木の枝に絡まっていたザイルがほどけました。これで安心です。K野さんもいろいろな体験をして、次第に立派なクライマーになっていくでしょうね。こんな場所では束ねたザイルを持ったままで、下降するにつれ、ザイルも出していくような方法を身に付けておいた方がいいのでしょうね。

 

▲15:03。続いて、僕が下降しました。次はS上さんです。S上さんにとってもこれほど長い懸垂下降は初めてではないでしょうか。地面の上のザイルの長さを見ると、この懸垂下降は40m以上あるようです。(撮影:K野)

 

▲15:04。地面に降り立つS上さん。K野さんが念のためにザイルを持ってくれています。

 

本当なら、ここでメンバーチェンジして、僕もダブルザイルの練習をすべきだったのでしょうが、わざわざ練習しなくても、問題はなさそうです。S上さんが「オケラルート3級を登りたい」と言うので、4人で登ることにしました。

 

▲15:20。リードするのはK野さん。3級となっていますが、今いるところからしばらく、ちょっと嫌らしいムーブが続きます。4級あるといっても可笑しくないと思いますね。4人が繋がって登るので、K野さんが今使っているザイルは8.2mm×60mのシングルザイルです。この先でK野さんは穴の中、トンネルの中、煙突の中に潜り込んでいきます。そこからK野さんの悲鳴が聞こえてきました。「頭が通らないよ~っ!」。

 

▲15:34。K野さんは無事にリードし、2番手で登るのはS﨑君。そのS﨑君はダブルザイルを1本引いて登ります。

 

▲15:55。3人目はS上さん。彼女が穴から抜け出すところです。(撮影:K野)

 

▲16:04。これが穴の入り口。

 

▲16:06。穴に入ったところ。ここからオケラ気分をたっぷり味わうことが出来ます。オケラ気分と言われても、オケラは土の中でこんなに苦しまないでしょうけれどね。

 

▲16:07。上を見上げるとこんな感じ。ここから穴が狭くなります。ヘルメットが周囲を擦ってガリガリ鳴ります。ホールドがあるわけでも、スタンスがあるわけでもないのですが、体全体が挟まっていて落ちる不安はありません。上へ登れないのでは、という不安はありますけどね。

 

▲16:09。出口が近づいて来ました。体格がでっかい人、太った人には通り抜けられないでしょうね。

 

▲16:19。2ピッチ目は僕がリードしました。リードと言っても、3級-もないでしょうね。2級でしょう。高度があるので念のためにザイルで確保はします。2番目にS上さん、続いてS﨑君、最後にK野さんが登って来ます。この写真の頃から時折ポツ、ポツと小さな雨粒が落ちて来ました。

 

この日はオケラルートで終了です。小雨が降り始めましたし、僕たちが最後のクライマーです。下山するまで雨は降り続きましたが、雨具を着るほどではありませんでした。

H島でシェアカーを返却し、4人でレストラン『ネパールキッチン』へ。 首都カトマンズの場末のレストランの雰囲気を湛える僕お気に入りのお店です。 いつ行っても、やる気が感じられません。 この日はとりわけやる気がないようで、メニューすらないとのこと。「ネパールご飯しかありません」と言います。 ネパール女性で、日本語も少ししか通じません。 ネパール体験のある(僕もあるんですが)S﨑君がいろいろと聞いてくれて、いろいろと食べることが出来ました 。

チキンカレー(汁はなし)、大根のアツァール、モモ、白ご飯、ダルスープ。3人は生ビール、僕はククリラムのオンザロック。山やネパールの話が弾んで、楽しく、 美味しく、食べたり飲んだりして時が過ぎていきました。