私的図書館

本好き人の365日

『高野聖』

2010-09-03 20:10:00 | 本と日常
仕事中に目の中にゴミが入ってしまい、すでに遅い時間だったのですが、時間外診察を受け付けてくれる大きな病院に駆け込み診察してもらいました。

当直の先生は目の洗浄をしてくれましたが、あいにく目の痛みはとれず、すでに帰宅していた眼科の先生が電話で呼び出され、一時間もかけて駆けつけてくれました。

到着して10分。
まぶたの裏に刺さっていた1ミリにも満たない金属片をすぐさま見つけてくれて、無事治療終了。

あぁ、医者ってありがたい。

ちょっと黒目に傷が付いてしまいましたが、感染症に注意すればもう大丈夫なんだとか。

この痛みをとってくれるなら5万円くらい払ってもいい! と眼科の先生を待つ間、心の中で叫んでいました(5万円ってところが貧乏性?)

あまりの激痛にいろいろなことが脳裏をめぐりましたが、その中で一番心配していたのが、

片目が失明したら本が読みにくくなるなぁ…

てこと♪



もっと他に心配することあるだろう!!



…思わず自分で自分にツッコンでしまいました。

携帯電話を「iPhone4」に機種変してから読み始めた電子書籍。

著作権が切れた作品をインターネット上で公開している「青空文庫」を電子書籍として読めるアプリがあるので、最近はそれを使って古い作品を読んでいます。

読んだのは…

*(キラキラ)*『葬儀記』 芥川竜之介

*(キラキラ)*『高野聖』 泉鏡花

*(キラキラ)*『明治時代の湯屋』 岡本綺堂

*(キラキラ)*『魔法修行者』 幸田露伴

*(キラキラ)*『渋江抽斎』 森鷗外

*(キラキラ)*『ドグラ・マグラ』 夢野久作

*(キラキラ)*『昌子詩篇全集』 与謝野昌子

*(キラキラ)*『家庭の幸福』 太宰治

携帯電話で読めるので、ちょっとした待ち時間に手軽に読めるのが便利です☆

面白かったのは幸田露伴の『魔法修行者』♪

『万葉集』や『水鏡』の昔より登場する不思議な力を持つ人々や、「まじない」「九星の卜」「八門遁甲の説」などを振り返りながら、修行者の祖といわれる役小角や九尾の狐の名前も登場します!

中でも室町時代の人で「飯綱(いづな)の法」を修め、空を飛ぶことも出来たという細川政元や、織田信長と対面した同じく「飯綱(いづな)の法」を操る九条植通の話は興味深かったです☆

泉鏡花の『高野聖』は、NHK教育放送の「Jブンガク」という海外からの視点で日本文学を読んでみようという番組で紹介されていて面白そうだったので読んでみました。

怪談っぽかったので夏の暑い夜にはピッタリかと思って。

内容は、飛騨の山中で旅の僧が経験した妖しくも不思議な物語…

こういうのけっこう好きかも♪

森鷗外の『渋江抽斎』は…誰かがどこかの本でこの作品について書いていたので(笑)

どの本だったか忘れました。

太宰治の『家庭の幸福』はいつもコメントを寄せて下さるharuniwaさんがご自身のcafe日記で取上げてみえたので読んでみました。(haruniwaさんありがとうございます☆)

文豪太宰治がラジオ受信機から流れてくるインタヴューに答える官僚のいやらしい笑い声にくやし涙を流し、ある短編小説の筋書きを考える…

役人っていつの時代でも変らないものなんですね~

その必死で守っているものに対する太宰治の鋭いツッコミが面白かったです♪

その中にも太宰治の売りである人間の悲哀がしっかり書き込まれていてよかった。

眼科の先生からは感染症予防のための目薬を処方してもらいました。

痛みもまったくありません。

これからも読書が続けられるように、目は大切にしたいと思います。






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