私的図書館

本好き人の365日

私信

2010-04-08 07:14:00 | 本と日常
夜中にヒザを抱えてヘッドフォンで音楽を聴き続けたことがあなたはあるだろうか?

私はある。

他人が気になって、立ち止まりたいのに通り過ぎたり、立ち去りたいのにその場から離れられないといった経験が、あなたにはあるだろうか?

私にはある。

その人のことを思い出すと、心が痛み、贈られた温かさと失ってしまった悲しみが交互に胸にこみ上げてくる。
そんな思い出があなたにはあるだろうか?

私にはある。

一日が終って日が沈み、うっすらと残った昼と夜の境界線に星がひとつ輝き出す頃、人々が家路を急ぐ。

その日、結婚した人。

その日、子供が産まれた人。

その日が誕生日だった人。

その日、会社で嫌なことがあった人。

その日、誰かに裏切られた人。

その日、いつものように友達とバカ騒ぎをして終ってしまった人。

その日、何もしなかったと寂しく思っている人。

その日、仕事がうまくいった人。

その日、失敗してしまった人。

その日、告白した人。

その日、大切な人を失ってしまった人。

その日、友達とケンカしてしまった人。

その日、おいしいものを食べた人。

その日、犯罪を犯した人。

その日、初めて自転車に乗れるようになった人。

その日、好きな人ができた人。

一日の終わり…

一日の始まり…

目の前を通り過ぎて行く、名前も知らない人々に、今日一日どんな人生があったのだろう。

彼らに起きたことは私にも起こる。

私に起こったことは彼らにも起こる。

彼らは私自身だ。



歩いて行こうと思う。






                2010.04.07.



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