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本好き人の365日

『地下世界に行ったアリスの冒険』

2009-01-27 23:59:00 | 本と日常
今日、1月27日は『不思議の国のアリス』で有名な英国の数学教師、ルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン)の生まれた日です。

彼が生まれたのは今から170年ほど前の1832年。

この頃、イギリスでは産業革命がもうすでに始まっていました。
1837年にはヴィクトリア女王が即位し、1851年にはロンドンで第1回国際万国博覧会が開催されています。

1832年といえば、日本は江戸時代、第11代将軍徳川家斉の治世です。
ドイツの文豪ゲーテが亡くなり、『若草物語』などで知られるアメリカの作家、ルイーザ・メイ・オルコットが生まれたのも1832年。

『不思議の国のアリス』は本当に不思議な不思議な物語でした。

お姉さんと一緒にいて、退屈でたまらないアリスは、目の前を変なウサギが通りすぎていくのを見かけます。

そのウサギは「大変だ、大変だ、遅れちゃう!」とひとり言をいいながら、”自分が着ているチョッキから懐中時計を取り出して”、大急ぎで走っていくのです。

そのウサギを思わず追いかけるアリス。
ウサギが穴に飛び込んで消えてしまうと、どうなるかなんて考えもせずに自分もピョンと穴に飛び込んでしまいます。

そこは、ちょっぴりおかしな、不思議な不思議な地下の世界☆

私は、三月ウサギと帽子屋(そしてずっと眠そうなヤマネ)の「気違いお茶会」のシーンが大好きでした♪

多分初めて読んだのは小学生の時だったと思いますが、日本の昔話や世界の童話や名作にない、教訓くさくなくてただただおかしなお話というのが楽しかった☆

アリスが落ちていく穴の中で拾うオレンジ・マーマレードの瓶とか♪

にやにや笑顔だけを残して消えていくチェシャ猫とか♪

わけわかんないことをしゃべっている公爵夫人にニセウミガメにハートの女王♪

アリスの体が大きくなって家につっかえたり、どんどん縮んでいくのも楽しかった♪

大人になってからこのお話には、英語ならではの言葉遊びがふんだんに使われていると知りましたが、英語なんてわからない子どもでも充分以上に楽しめる作品でした。

それもそのはず、もともとこのお話は、舟遊びの時に子ども達に聞かせるためにルイスが考えたお話がもとになっているのです。

それは、ある夏の日のこと…

当時、オックスフォードのクライスト・チャーチ学寮に住んでいたルイスは、友人と共に学寮長リデル氏の娘3人を誘って、テムズ河を3マイルほどさかのぼる舟遊びに出かけます。

ルイス30才。学寮長の3人の娘たち、長女ロリーナは13才。次女アリスは10才。末っ子イーディスは8才でした。

舟での遊びや、食事をしながら、日差しを避けるために立ち寄った川辺の小屋で、子ども達にせがまれてルイスが語ったのが、「地下世界に行ったアリスの冒険」

のちの『不思議の国のアリス』です☆

次女のアリス嬢がそのモデルだったといわれています。

数学の教師だったルイスは数学に関する本も何冊か出していますが、風刺絵などで有名になる画家のテニエルと組んで出版したこの『不思議の国のアリス』で一躍作家として注目されます。

数学者としてはあまり有名ではなかったのでしょう、ヴィクトリア女王が『不思議の国のアリス』を読んで、彼の他の作品も読みたいとおおせられ、取り寄せたところ、難解な数学書が送られてきて面食らったという、ウソかホントかわからないような逸話までささやかれました☆

ともかく、ルイス・キャロルとアリスという名前は、、この作品で世界中に知れ渡ることとなり、その後の多くの作家、多くの作品に影響あたえ続けています。

何年、何十年、何百年たっても人々を楽しませ続ける『不思議の国のアリス』

続編『鏡の国のアリス』は、暖炉の上の鏡から、またまたへんてこりんな鏡の国に入り込んでしまうお話♪

こちらのお話も楽しいです☆




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