私的図書館

本好き人の365日

「つみきのいえ」

2009-01-30 23:59:00 | 本と日常
滝田洋二郎監督、本木雅弘さん主演の映画「おくりびと」が、アカデミー賞にノミネートされて話題になっていますね。

今回、アカデミー賞の短編アニメーション部門にも、日本の作品がノミネートされました。

「つみきのいえ」という12分ほどの作品です。

監督は加藤久仁生さん。
国内外の多くの賞に輝いているそうですが、最近までまったく知らなくて、平成20年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞に選ばれたということなので、さっそく文化庁のHPをのぞいてきました。

主人公は一人暮らしの老人。
どこもかしこも海しかないので、まるで海の上に建てた家に住んでいるように見えますが、実は海面の上昇にあわせて、家を上へ上へと積み上げてきた、つみきのような家に住んでいます。

老人は、自分の家の床板を開けて、そこから釣をするのが日課です。

ところがある日、愛用のパイプが海の中に落ちてしまい…

とてもあたたかな色彩で、やわらかな線で描かれた人物や風景が、どこかなつかしいような、絵本のような印象を与えます。

セリフはありません。

パイプを探すために、床下の海にもぐる老人。

海面が上がるたびに積み上げてきた家。

沈んでしまった部屋には、それぞれの想い出も沈んでいます。

今はもう亡くなった妻、娘の結婚、子供の生まれた日、若かりし日の妻と自分。

よみがえる家族との想い出。

そうした過去へ、つみきのように積み上げられた想い出の中を、下へ下へと降りていく老人。

すごくジーンときてしまいました☆

文化庁のHPで、ほんのさわりだけですが、作品を見ることができるので、よかったらのぞいて下さい。

こちらでご覧になれます↓(http://plaza.bunka.go.jp/festival/2008/animation/001039/)

ちなみに「第12回文化庁メディア芸術祭」は、2009年2月4日(水)から15日(日)まで国立新美術館で開催されるそうです。


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