私的図書館

本好き人の365日

『食堂かたつむり』

2009-02-11 15:12:00 | 本と日常
ちょっと病院に行って来ました。

たいした病気ではないのですが、予定よりも1時間以上待たされて、もうそれだけでクタクタ。

待ち時間に読もうと持って行った本も、おかげで一冊読み終わってしまいました。

待合室で小さな女の子を連れたお母さんが、「お部屋(診察室)に入ったら『お願いします』って言うのよ」と教えていましたが、女の子はちょっとドアが開いただけでさっそく「お願いします!」と言ってしまったので、ほとんどドアに向って挨拶していました(笑)

おしい~

「お医者さんに会ったら」挨拶しましょうねって教えたらよかったのに♪

読み終わってしまった本は小川糸さんの、

*(キラキラ)*『食堂かたつむり』*(キラキラ)*

同居していた恋人のインド人に、家財道具と全財産を持ち逃げされた25歳の女性が、家出して以来一度も帰ったことのなかった故郷に戻り、大嫌いな母親に頭を下げて、物置として使っていた小屋で食堂を始めます。

一日一組だけの予約制の食堂。
『食堂かたつむり』

すべてを失くしても、料理を作ることだけはできると決意する主人公。

異色なのは、主人公が恋人に裏切られたショックで声が出せなくなること。

現実に傷ついた主人公が、自然の中で植物を育てたり、食べること、料理をすることといった、日常の暮らしを見つめ直すことで、自分を取り戻していく…

母と娘、人の死というものも大きな役割を演じていて、どこか、梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』と共通するところを感じました。

もっとも、『西の魔女…』は中学生の女の子が主人公なので夢も希望もありますが、こちらは25歳の女性なので、赤裸々というか開けっ広げというか、ある意味現実的です☆

別に25歳の女性には夢も希望もないといっているわけじゃないですよ!
あくまで作風のお話ですからね。

登場する料理はどれも美味しそう♪

食堂を訪れる人と人の仲を取り持ったり、高校生のカップルの手助けをしたり、拒食症のウサギを預かったり、料理が取り持つ不思議な縁☆

ただ、ブタを殺して食べるシーンでの主人公のブタに対する思い。
母親の死を受け入れる姿勢にはちょっと違和感がありました。

面白かったです♪♪

病院の待合室には、長時間待たされることを覚悟してか、本を読んでいる人が大勢みえました。

でも、できれば読み終わる前に診察してくれないかなぁ。


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