私的図書館

本好き人の365日

『風の又三郎』

2010-09-21 23:58:00 | 本と日常
今日、9月21日は『銀河鉄道の夜』などの作品で知られる宮沢賢治が亡くなった日です。

岩手県花巻で商家の長男として生まれた宮沢賢治。
昭和8年。1933年。37歳で亡くなりました。

私が中学生の頃、熱を出して学校を休んだ時になぜだか急に詩が読みたくなって、母親に「何でもいいから買って来て」と頼んだら、彼女が買って来たのが、宮沢賢治の詩集『春と修羅』と角川文庫から出ていた『高村光太郎詩集』でした。

それをきっかけにして宮沢賢治を読みふけるようになり、高校生になると定期入れの中に賢治の「雨ニモマケズ」の詩を書き写したメモをそっと忍ばせて高校3年間を過ごしました。

…変な高校生(苦笑)

雨ニモマケズって、実際はけっこう楽しく過ごしていたので、そんな詩の存在は80%普段は忘れていましたけどね☆

今日はなつかしさもあってお風呂に入りながら久しぶりに『風の又三郎』を読みました。

 どっどど どどうど どどうど どどう…

夏休みの終った田舎の小学校にやって来たのは赤い髪の転校生。

その不思議な容貌から子供たちは彼のことを「風の又三郎だ!」と思います。

ガラスのマントを着て、風と共に秋を連れて来る神様。

川で泳ぎ、森で遊び、年上の子が年下の子の面倒をみる田舎の子供たちの様子が楽しい♪

賢治の作品で好きなのは他に、
『注文の多い料理店』
『グスコーブドリの伝記』
『猫の事務所』
などなど☆

今回読み返してみて、新潮文庫版の注釈と収録作品の解説を天沢退二郎さんが書いてみえるのに気が付きました!

天沢退二郎さんの『光車よ、まわれ!』という作品が読みたくて、長い間探していて、復刊してようやく読めたという私的には歴史的出来事があったんです!

宮沢賢治研究でも有名とは知っていたのですが、それを知ったのが自分の中の宮沢賢治ブームが去って何年も経ってからだったので、自分の持っている本に天沢さんの名前があるってことに今日まで気が付きませんでした。

誰が注釈を書いているのかなんて気にしていなかった。

何だか自分の中だけで点と点がつながったみたいでちょっと嬉しい♪

命日に作品を読んだからご褒美なのかな?

たまに昔の作品を読んでみるのもいいものですね。

それにしても、宮沢賢治の作品はちっとも古く感じないのが不思議です☆

やっぱり面白い!