私的図書館

本好き人の365日

東京タワーにブタが飛ぶ

2005-02-18 22:43:00 | 日々の出来事
いつもは書評なんて、気にしないのに、「これは読まなきゃソン」みたいに書かれていたので、つい買ってしまいました。

第41回文藝賞に選ばれた、山崎ナオコーラさんの本。
「人のセックスを笑うな」*(キラキラ)*

タイトルやペンネームの奇抜さに目を奪われてどんな本か想像しにくいけれど、内容は恋愛小説です。

19歳の専門学校に通う男の子と、その学校の講師をしている39歳の既婚の女性との、どこか奇妙で奔放な関係が、男の子の一人称という形でせつなく語られていきます。

年上すぎる彼女と年下すぎる彼氏の物語は、黒木瞳主演で話題の「東京タワー」みたいな関係を想像しましたが、これが原作の雰囲気がけっこう似ていて驚き。
両方とも男の子の一人語りだし。
でもやっぱりまったく違うといえば違っていて、こっちのほうがなんとなく力の抜き加減が魅力といえば魅力で…

う~ん、やっぱりこの手の作品はニガ手だな。
あまりうまく表現できません。

芥川賞の候補に上がったくらいだから、きっとすごい作品なんだろうけれど、正直よくわかりません。

この間読んだ金原ひとみさんの「蛇にピアス」(芥川賞受賞)もそうだったけれど、文章の表現力がすごいのはわかる(いや、それも怪しいけど‥)。
わかるんだけど、伝えたい内容にどうしても興味が持てない。

これはひとえに読み手の感受性の問題だから、好みの違いといえばそれまでなんですが、う~ん、ほんとにそうなのかな?

読んでいて可笑しかったのは、女性教師の家で眠り込んでしまい、旦那さんと鉢合わせになるところ。
ほんとうなら修羅場になるところが、「みんなで食べよう」と、その旦那さんは夕飯の用意をするのです。

妻と若い男を前にして、シューマイを自分で作り、鶏肉にカタクリ粉をつけて油で揚げていく旦那さん。
文章の雰囲気は明るいけれど、読んでいるとどこかせつなさが漂うシーン。

こんなありえないシチュエーションも、この作品の中でなら成立してしまうところが、作者の力量なのでしょうか。

でも、書評で書かれていたほど、のめり込んでは読めませんでした。
まだまだこの手の作品を読むのには、人生経験が足りないのかな?

今はもう一冊、エミリー・ロッダの「ふしぎの国のレイチェル」を読んでいます。
こちらはオーストラリア児童文学賞最優秀賞受賞作。

ブタが空を飛ぶ、そんなありえないほど楽しいことがいっぱい起こる物語*(キラキラ)**(星)**(キラキラ)*

気楽に読めて、楽しい気分にさせてくれる心ときめく作品です。
こういう本、好きだな~☆

ブタがたくさんたくさん空を飛ぶ…

まるで子供の頃に戻ったみたいに想像力の遊園地で遊べます♪

あれ、これって、もしかして、自分の好みっていまだに小学生レベルだってこと?