インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

インド本場の瞑想体験記(洋書紹介)

2015-10-25 22:42:40 | ヨガ・スピリチュアル
息子が帰郷中、久々に一緒に駅のキオスク本屋(田舎の当地の本屋代わり)に出向いたが、そのとき直感的に今の自分が求めている答となりそうなアシュラム体験記(Vipassana: The Journey of A Thousand Steps)を買って、昨夜で半分まで読み進めた。
Aravali hill(おそらく首都デリーからさほど遠くないラジャスタン州のMount Abu)にあるヴィパサナアサナのアシュラムだが、ライターでもある著者の実体験記は啓示に満ち、興味深い。

実はヴィパサナアサナについてはたびたび雑誌や新聞で目にしていたのだが、この本を読むまで詳細についてはほとんど無知に等しかった。
故人の在家聖者、ビジネスマンとしても成功を納めた故ゴエンカ師が創設した組織である。

インド在住歴の長い私はこれまでも、別派のヨガにいくつか触れてきたが、いまだにグル、導師と仰ぐだけの聖者には邂逅せず、現在は自己流でヨガのアサナや瞑想を行っているが、ヴィパサナ流派は、釈尊が編み出した原初の行法にのっとるもので、日本人の私にはしっくり来る部分もある。

人生は苦痛の連続というどちらかといえばペシミズムだが、それも、結局は生まれてきた最終地点が死に行き着くからである。どんなに高い地位に上り詰め、どんなに高い名声を得たところで、また巨万の富を積んだところで死は免れえず、人は手ぶらでこの世を去っていく。確かにそう考えると、死ぬために生まれてきた人生は苦痛以外の何物でもない。

生死を繰り返す輪廻の鎖を断ち切るコツが、ゴエンカ師の口を通してビデオ講習で語られるわけだが、何度も読み返さないと理解できない教えで、そのくせ少なくない精神世界書を読んでいる私には直感的に摑める部分もあり、立ち止まってしみじみ考えさせられるものがあった。

ちなみに、この教えは今書いている小説にも加筆しておきたいところだ。

ヴィパサナアシュラムで完全な沈黙を保って一日十時間半十日連続の厳格な修行体験をすることになった著者自身(四十代の二児の母)が、人生は苦という説には異を唱え、苦しいこともあるけど、楽しいこともある、私は生まれ変わるのを止めるためでなく、現在の葛藤を解消するために来たんだとアジテートするように、私も人生は苦しみのみならず、すばらしいこともあると反論したいが、再生を望む手合いはきっと精神レベルは低い、煩悩のやからなのだろう。

霊的にもっと高度なレベルになると、死ぬために生まれる連鎖を止めるために修行、もう生まれ変わって苦しまなくて済む、つまり生老病死を超えた至高の境地に導かれるのだろう。

この問題は書きだすと長くなるので、まだ半分しか読んでないことでもあり、読了したら、また改めて書評をアップしたい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベンガル湾の入日(写真)

2015-10-25 21:27:12 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)
三日前に撮影したベンガル海のサンセット写真を遅ればせながら、アップしたい。
















コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋月を愛でる逍遥

2015-10-25 21:09:12 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)
本日は日が落ちて薄暗くなってから浜に出た。
満月に近い明度の強い月光が明り取りになって、前の道を渡るのも恐くなかった。

ドゥルガー女神のお祭りも終わって、車の行き来も少なめ。
夜の端緒の海上の空には、ほぼまん丸のシルバームーンが煌々と瞬き、月を愛でる旅客を照らす。
大波が押し寄せ、吹き抜ける風は秋の匂い。

しかし、日中はまだまだ暑い。
今年は日照りでお百姓さんの自殺が当オディッシャ州でも相次いでいる。

八月に金沢から戻って以降、足腰にはしんどい低気圧続き、雨季も終わってオータムといいつつも、かんかん照りで暑い。

十月はやはり日本にいたいところ。

時代物ファンタジーはなんとか規定の三百枚まで延ばせそうだ。
調べることが多くて、金沢に戻ったら、資料館を訪ね歩いたり、図書館での調査に追われそうだ。しかし、面白いものが出来上がった。

私の小説の一番の読者は私自身。
私は自分の小説の大ファンなのだ。
面白いと思うし、よく書けてるとわれながら感心することも。
作家にはこうした自意識過剰が必要である。

今回初の時代物にトライしたことで、少し自信がついた。
今後臆せず、時代小説にチャレンジできそうだ。
ただし、今回のは限りなく現代語に近い時代用語で書いたので、なんとかなったが、本格物だと、厳しいかも。

なんだかんだいってるうちに、十一月も間近。

ヴィエンナ産の白ワインが手に入ったので、時代物ファンタジーの推敲が終わったら、ひとり祝いするつもりだ。

来月は金沢を舞台にした古風な現代恋愛小説に着手予定。
投稿も年末までに二、三編。

クリスマスとお正月は家族と過ごしたいので、年内はインドにとどまることになった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする