インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

生まれる前の約束

2011-11-20 00:03:50 | 著書関連ニュース
われながら波乱万丈の人生を歩んでいると思う。
思うに、私は生まれる前、波乱万丈の人生を歩むと決めて、この世に躍り出たような気がするのだ。

なぜかというと、作品の題材にするためである。
だから、波乱に富んだ人生を送ることを命題に生まれてきたような気がするのだ。

父とも、あの世で約束を交わしていたのだろう。

「わかった。あなたは実業家として、成功したいわけね。それなら、私があなたの成功したその人生を題材に、ドキュメント小説を書く」
と、契りを交し合って。

父は福井の雪深い奥地に生まれ、福井工業専門学校(現福井大学工学部)卒業後、自動車業界に就職、三年後自動車修理工場を立ち上げた。戦後の混乱期だったが、それだけにハングリーで、また日本が高度経済成長期に駆け上がる先駆の時期でもあった。
自動車産業が躍進を遂げるには願ってもない絶好期に、会社を立ち上げたわけだ。
時代の波に乗って、会社は急躍進を遂げた。
父が生まれる前決めた、成功して億万長者の実業家になる夢は、かなったのである。

私はそれを約束どおり、作品に仕上げた。
父亡きあとの三十二年後に、やっと啓示に促され、作品へと昇華したのだ。

「あのときの約束、ちゃんと果たしたよ。あなたの人生、本にしたよ」

それがこの春上梓した本、
「車の荒木鬼」(モハンティ三智江、ブイツーソリューション刊、1260円)
である。


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