goo

四国遍路に明日出発

(準備できたお遍路の荷物)

今朝から四国遍路の荷をザックにまとめる。春と違ってこれから寒い方に向かう季節とあって、衣類が増えて春より1kg強増えてしまった。春に現地で購入したお遍路グッズをリュックにくくり付けると、8kgになった。予備のズボンを持とうと思ったが、重量が0.6kg増えるから断念した。背負ってみると、それでもやはり重い。歩きながら減らすことを考えよう。さしあたってはウォーキングシューズをどこで履き替えるかである。新しいウォーキングシューズは結局ザックの底に入れたから、どこかで減らすことが出来る。午前中に図書館から借りた本をすべて返却するついでに駅に行って切符も買ってきた。9時52分、金谷駅発、高知駅に15時39分着である。もう後戻りは出来ない。

かつて山へよく出掛けていた頃、何泊か山小屋に泊まる山行の前夜になって、よく心が萎えそうな気分になった。何もつらい目に合う山登りに出掛けなくても、せっかくの休暇を家にいれば、楽にのんびりと出来るのに、という悪魔のささやきのような内なる声が聞こえてきた。しかし、山行には必ず仲間がいたから、そんな思いも仲間との約束が振り払ってくれた。

お遍路は一人旅である。行くも止めるも誰からも強制されるわけではない。「リュックを背負って、一日30kmもよく歩けますねぇ。」皆んな一様に驚く。「30kmも一歩一歩の積み重ねですから、誰だって歩けます。」平気な顔でそんな話を何人の人に話したか。差し詰めブログの読者もそれらの人数に入る。沢山のひとに話したのは、自分の決心にプレッシャーを掛けるためである。幾ら悪魔のささやきが聞こえても、止められない、のっぴきならぬ場所へ自分を追い込んでおかないと、挫けそうな気がするからである。

それでも、今夜になってもなお、明日出発することが実感になってこない。明日の今頃は旅の空にいることが信じられない。テレビの連ドラが来週へつづくと表示される。来週はどこの宿で見ることになるのだろう。明日から日本シリーズが始まるが、家にいればテレビ桟敷に陣取るはずが、旅の途中でテレビ観戦している姿は想像できない。

何とか、明日の朝、8kgの荷を担いで、菅笠と金剛杖を持って駅頭に立っている、自分の姿をイメージしてみる。今までだって、悪魔のささやきはあっても、それでやめたことはなかった。迷いながらも出発すれば、それなりに頑張ってくる自信は無いわけではない。そんな思いは振り捨てて、今夜は早く休むことにしよう。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )