朗読

2015年08月23日 | 日記
リサイタルで最初に歌う「9つのドイツ・アリア」の3曲に訳詞の朗読を入れることになり、テレビ局のアナウンサーをしているSさんにお願いしました。Sさんは大学生の頃1年間ドイツに留学した経験があり、アマチュアのヴィオラ弾きでもあります。音楽がわかり、ドイツ語ができ、容姿端麗。「訛りがなくて、若くてきれいな女性に頼んでね」というM先生のご要望にぴったりの方です(笑)。実は彼女は学生時代に私のドイツ語のクラスを履修していて、旧知の間柄です。突然の依頼に「詩の朗読にすごく興味があって、やってみたいと思っていたんです」と二つ返事で快諾してくれたので、M先生にお引き合わせして読み合わせをしました。M先生は「クラシックのコンサートでは朗読にマイクは使いません」と仰るので、Sさんにも生声で朗読をして頂くことになりました。普段はマイクを通して喋る仕事をしているSさん、歌の発声と同じ筋トレの仕方を伝授して頂くと突然変異のように朗々とした声が響き、「目からウロコです!」とびっくりしていました。
今日も一緒に練習しましたが、「あれから毎日スクワットをしています」と言うだけあって、ちゃんと体を使った声が出るようになっていました。朗読も歌と同じで、口の奥が開き、下あごの力が抜けていないと声が響きません。軟口蓋のマッサージやリップロールを教えると、さらによく響く声になりました。また、読み上げている途中で感情がこもってくると体が前のめりになり、息モレしていたので、しっかり表現したい部分ほど重心を後ろへ持って行くようにしてもらうと、すぐにムラのない響きで最後まで読み切れるようになりました。若い人の飲み込みの速さには圧倒される思いです。
直前にもう一度練習したい、というので、本番2日前にうちへ来て頂くことにしました。歌も勉強したい気持ちがあるようなので、今度はワインコルクやトランペットのマウスピースを使って本式の声楽発声をやってみようかと思います。S先生が先日「若い人は3段跳びするからね」と仰っていましたが、Sさんぐらい熱心で勘が良ければ、きっと今回が初めてとは思えないような朗読をしてくれることでしょう。楽しみです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿