昨日、コントラルトのナタリー・シュトゥッツマンの歌う「冬の旅」を聴きに福岡シンフォニーホールへ行ってきました。
まだ咳が出るので行くのをやめようかと思ったのですが、どうしても諦め切れず、友人のIさんの運転する車に乗せてもらって、往復とも助手席のシートを倒して横になった状態で運んでもらいました。Yさんもご一緒して、女3人組のドライブです。
座席は2階後方のど真ん中。リートを聴くには広すぎるホールですが、すらりと背の高いシュトゥッツマンがピアニストのインゲル・ゼーデルグレンを伴って黒のパンツスーツ姿で登場すると、聴衆はすっと舞台中央のスポットライトの中に引きこまれました。第1曲「おやすみ」が静かに始まり、低音部も高音部もむらなく美しく緻密にコントロールされた、マホガニー色とでも形容すべき艶やかなコントラルトの声が響きます。時に寄り添い、時にリードし、時に支えるピアノの何と絶妙なパートナーシップ。少しもダレることなく高い集中力を保ったまま粛々と曲は進み、傷心の若者のさすらいの旅路がくっきりと描き出されます。表情豊かなアゴーギクに時折ハッとさせられますが、決して全体のバランスを崩すことなく、あくまでも端正。見事な造形でした。
全24曲、休憩無しで80分の演奏があっという間に感じられました。
残念だったのは拍手のタイミングが少々早過ぎたこと。深い余韻がかき消され、演奏者もきっと残念に思ったのではないかと思います。しかしシュトゥッツマンは、ブラボーと拍手のやまない客席に向かって丁寧に何度も挨拶をしてくれました。
以前、シュトゥッツマンの歌うシューマン歌曲のCDを聴いて、コントラルトの魅力にぞっこん惚れ込んでしまいました。その渋くも艶やかな声が、溢れる知性と抒情性にこれ以上ないほどマッチしていたのです。それにしても、彼女の手(声?)にかかると、もともと渋いドイツ歌曲がますます渋くなりますね。これがシューマンだともう少し色彩感もあるのですが、シューベルトと来てはもう、渋いという以外に言葉が見つかりません。日本人にはしっくりとなじむ感覚だと思います。
無理して聴きに来てよかった、と自分としては大満足でしたが、やはり演奏中に何度か咳が込み上げてきて、周囲のお客様に迷惑をかけてしまいました。必死で堪えましたがどうしても抑え切れず、苦しいのと申し訳ないのとで涙目になってしまいました。早くこの咳をなおしたいのですが、熊本は今、阿蘇の噴火で降灰がひどく、加えて北京でのAPEC終了後に急激に濃度が再上昇したpm2.5のせいで、咳をしている人がとても多いのです。嗚呼!昨年の二の舞にならないよう、12月の声を聞く前に何とかなおしたいと焦っています。
まだ咳が出るので行くのをやめようかと思ったのですが、どうしても諦め切れず、友人のIさんの運転する車に乗せてもらって、往復とも助手席のシートを倒して横になった状態で運んでもらいました。Yさんもご一緒して、女3人組のドライブです。
座席は2階後方のど真ん中。リートを聴くには広すぎるホールですが、すらりと背の高いシュトゥッツマンがピアニストのインゲル・ゼーデルグレンを伴って黒のパンツスーツ姿で登場すると、聴衆はすっと舞台中央のスポットライトの中に引きこまれました。第1曲「おやすみ」が静かに始まり、低音部も高音部もむらなく美しく緻密にコントロールされた、マホガニー色とでも形容すべき艶やかなコントラルトの声が響きます。時に寄り添い、時にリードし、時に支えるピアノの何と絶妙なパートナーシップ。少しもダレることなく高い集中力を保ったまま粛々と曲は進み、傷心の若者のさすらいの旅路がくっきりと描き出されます。表情豊かなアゴーギクに時折ハッとさせられますが、決して全体のバランスを崩すことなく、あくまでも端正。見事な造形でした。
全24曲、休憩無しで80分の演奏があっという間に感じられました。
残念だったのは拍手のタイミングが少々早過ぎたこと。深い余韻がかき消され、演奏者もきっと残念に思ったのではないかと思います。しかしシュトゥッツマンは、ブラボーと拍手のやまない客席に向かって丁寧に何度も挨拶をしてくれました。
以前、シュトゥッツマンの歌うシューマン歌曲のCDを聴いて、コントラルトの魅力にぞっこん惚れ込んでしまいました。その渋くも艶やかな声が、溢れる知性と抒情性にこれ以上ないほどマッチしていたのです。それにしても、彼女の手(声?)にかかると、もともと渋いドイツ歌曲がますます渋くなりますね。これがシューマンだともう少し色彩感もあるのですが、シューベルトと来てはもう、渋いという以外に言葉が見つかりません。日本人にはしっくりとなじむ感覚だと思います。
無理して聴きに来てよかった、と自分としては大満足でしたが、やはり演奏中に何度か咳が込み上げてきて、周囲のお客様に迷惑をかけてしまいました。必死で堪えましたがどうしても抑え切れず、苦しいのと申し訳ないのとで涙目になってしまいました。早くこの咳をなおしたいのですが、熊本は今、阿蘇の噴火で降灰がひどく、加えて北京でのAPEC終了後に急激に濃度が再上昇したpm2.5のせいで、咳をしている人がとても多いのです。嗚呼!昨年の二の舞にならないよう、12月の声を聞く前に何とかなおしたいと焦っています。
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