のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

間宮兄弟/江國 香織

2008年02月07日 22時45分25秒 | 読書歴
14.間宮兄弟/江國 香織
■ストーリ
 兄・明信35歳、酒造メーカー勤務。弟・徹信32歳、学校職員。
 ふたり暮らし。読書家。母親思い。マイペースに人生を楽しむ兄弟。
 勿論、女性にはもてない。一念発起で恋人をつくろうと、徹信の同僚
 依子と、ビデオ屋の店員、直美を誘って家でカレー・パーティーを開く。
 不倫の恋に悩む依子は兄弟には興味なし。明信は直美をデートに誘うが
 断られる。しかし、兄弟の純粋な感性は次第に女性たちの心を動かし
 そして・・・。「そもそも範疇外、ありえない、いい人だけど、
 恋愛関係には絶対ならない」男たちをめぐる恋愛小説。

■感想 ☆☆☆*
 間宮兄弟は苦手だ。この本を読んで「癒される」とか「兄弟が
 愛らしい」なんて言っている読者の気持ちはさっぱり分からない。
 「かわいい」なんていう感想を持つ人に限って、現実世界で
 彼らみたいな人と知り合ったら、近寄らないんじゃないの、
 とうがった見方をしてしまう。そんなふうに「彼らを好きだ」
 という人の気持ちを信じられないほど、彼らが苦手だ。

 江國さんは、女性ならではの情け容赦ない描写で、間宮兄弟を
 美化することなく、ありのまま、かっこ悪いままに彼らを描く。
 人とのコミュニケーションが苦手で、会話が苦手、感情を表に
 出すことが苦手で神経質な兄、明信。
 太ってて、すぐに汗をかいて、人の気持ちに少し鈍感で、自分の
 気持ちに正直で、好きになったらすぐに暴走してしまう弟、徹信。
 彼らは自分達が女性にもてないことをきちんと自覚している。
 なぜ、もてないのか、どこが敬遠されている理由なのかも
 なんとなく分かっている。が、それでも恐るべきポジティブさで
 自分のことを「そんなに捨てたもんじゃない。」と思っている。
 この根深いコンプレックスと楽天的な自己肯定感の同居こそが
 間宮兄弟の間宮兄弟たる所以なのだと思う。

 人生で孤独を感じることもある。挫折感を抱くこともある。
 けれども恐るべきポジティブさで、大きな挫折のすぐ傍にある
 小さな小さな幸せを丁寧に見つけ、すくいとることができる。
 それが間宮兄弟だ。
 彼らの幸せの見つけ方のうまさや挫折との付き合い方のうまさを
 微笑ましく思う。くすっと笑ってしまう。

 けれども、同時に、人の気持ちを汲み取るのが苦手で
 時として信じられないほど鈍感であつかましい彼らに
 どうしようもないほど苦手なものを感じる。
 それは私が間宮兄弟に共感できてしまうからかもしれない。
 似たものを感じるから。根本は同じだとどこかで思っているから。
 だから、嫌悪感を抱いてしまう瞬間があるのかもしれない。

 ささいな描写、たとえばふたりが部屋で読書をする場面や
 好きな本について語る場面などから、間宮兄弟に心から共感し
 そして、彼らが現状に満足し、孤独を感じ、未来に不安を感じている
 姿に親近感を抱いた。特に心に残ったのはこの描写だ。

 ・今年ももうじき終わるなぁと考え、自分も徹信も母親も祖母も
  無事で、よかったと考える。去年もそう思ったなと考え、来年も
  そう思うだろうと考える。それは満ち足りた気分だ。満ち足りた
  でもかすかに寂しい気分である。

 幸せと隣り合わせの孤独。どちらもかすかな大きさで普段の生活では
 気付かない。そのかすかな痛みと幸福に気付ける間宮兄弟の
 魅力がたくさん詰まった一冊だった。

 来年も同じだろうと思った明信だが、それでも、人生には必ず変化が
 訪れる。彼らに新しい友人が増えたように。ふたりが恋をしたように。
 間宮兄弟のことを「アイじゃないよ。」と断りを入れながらも
 友情の抱擁をしてくれる人が現れたように。好きな人は他にいるけれど
 彼らと過ごしていると心が落ち着く、と考えてくれる人が現れたように。
 そんなちょっとした変化で人生捨てたもんじゃないなと思えたのは
 間宮兄弟の影響かもしれない。

寒さの証拠

2008年02月07日 22時07分53秒 | 日常生活
面倒くさいことが苦手なのりぞうですが
洗顔料を泡立てることは大好き。なおかつ、得意です。
毎朝、毎晩、もこもこに洗顔料を泡立てて、丁寧に顔を洗います。
洗顔料を泡立てるのは「遊び」みたいで楽しいのです。
泡立てば泡立つほど、楽しくなります。
その泡立ち具合を見て満足感を味わうことが
日々のちょっとしたストレス解消です。

しかし、寒くなるにつれて、徐々に水道水は冷たくなるばかり。
朝の洗顔はどんどん辛くなります。
泡立ててる余裕なんてなーい!
水が冷たいんじゃー!と、若干、苛々し始める頃が
我が愛しの湯たんぽちゃんの登場シーズン。
水が冷たくなり始める11月の終わりから
湯たんぽちゃんは夜も朝も大活躍。

朝、起きたら、寝ている間にぬるくなってしまった
湯たんぽちゃんのお湯で洗顔です。
少しぬるめのお湯が肌に気持ちよい上、
お水を有効活用しているような満足感を味わえて、一石二鳥。

しかーし。
今週は、湯たんぽちゃんの中から出てくるはずの
暖かいお湯が明らかにぬるすぎるのです。
なんなら、のりぞうの手よりぬるい。
ほんのりと暖かい気はするものの、
水道水よりは確実にあったかいものの、でも寒い!冷たい!

出勤のために家を出る前に、本日の寒さを肌で感じられるシステム。
便利だけど、家を出る恐怖は募るばかり。
ここ一週間、のりぞうはタイツ2枚重ねで出勤です。

春よ、早くこーーーーーーーーい!