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のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

Q10

2010年12月23日 16時52分00秒 | テレビ鑑賞
■Q10
■のりぞう的2010年度秋クール1位
■土曜21時 日本テレビ放送
■出演
 佐藤健、前田敦子、田中裕二、薬師丸ひろ子、福田麻由子
 池松壮亮、蓮佛美沙子、賀来賢人、柄本時生、高畑充希、細田よしひこ
 西田尚美、光石研、白石加代子、小野武彦、

■脚本 木皿泉

■感想 ☆☆☆☆☆
 大大大好きな木皿脚本のドラマです。
 第1話を見ながら「やっぱり木皿作品好きだわー。」と
 しみじみ思いました。好きだー!という気持ちをかみ締めました。

 登場人物ひとりひとりが困ったところのある人たちで
 でも悪い人ではなくて、どちらかというと憎めないいい奴ばかりで
 そんな彼らがお互いに支えあって、関わりあって過ごす群像劇です。
 木皿作品に出てくる大人は特にとても魅力的で
 彼らの若者への接し方、若者たちの見守り方に
 何度もあったかい気持ちをもらいました。
 マイペースで好きなように生きている。
 仕事ができる優秀な大人、というわけではない。
 でも、自分のことだけでなく、自分の周りの人たちのことを、
 そして自分が大切に思っている人たちの「明日」のことを考えて
 行動できる大人たちでした。
 ふとした一言が深くて、何気ない行動に心を掴まれる。
 いいなあ、こんな大人になりたいなぁ、と何度も思いました。

 特に薬師丸さんの最終回の活躍ぶりときたら。
 彼女の一言が主人公の背中を押し、そして主人公のもとに現れた
 不思議な少女、福田さんの心を救ってあげたんだろうな。
 だからこそ、こんなにも素敵なハッピーエンドを迎えられたんだろうな。

 佐藤さん演じる役でまだ「これはちょっと・・・」というものに
 出会ったことがないなー。いつも魅力的な役についている気がします。
 でもって前田さん。とにかくキュートなロボットさんでした。
 やっぱりオンナノコはかわいくなくっちゃねー、と素直に思いました。
 でもって「かわいい」という評価に「口調」や「言葉」が与える
 影響力はとてつもなく大きいな、としみじみ思いました。
 あたしもも少しかわいらしい言葉を使わないと、と反省させられました。

 田中さん、小野さん、薬師丸さんは頼りないけど、
 とっても頼りがいのある大人を面白くあったかく演じられていました。
 さすがだなー。
 演技に醸し出されるこのあったかさって一体、なんだろう。
 人柄、なのかしら?とにかく大好きな3人でした。
 でもって木皿作品の常連さん。白石さん。
 今回も怪演ぶりは健在で、でもいつも以上にコミカルで
 かわいらしくて強い母親を楽しそうに演じられていました。
 生徒役の子達もひとりひとりがしっかりと描かれていて
 その描かれ方がとても丁寧で。見事な群像劇でした。

 モノローグや科白がとても美しく、
 好きな言葉が散りばめられた作品だったので、
 脚本が売られることがあれば、ぜひ読み返してみたいな。
 次の木皿作品も楽しみです。

流れ星

2010年12月22日 23時09分35秒 | テレビ鑑賞
■流れ星
■のりぞう的2010年度秋クール2位
■月曜21時 フジテレビ放送
■出演
 上戸彩、竹野内豊、稲垣吾郎、北乃きい、原田美枝子
 松田翔太、板谷由夏、杉本哲太、ちすん
■脚本 臼井素子・秋山竜平

■感想 ☆☆☆
 上戸さんが美しくて美しくて。
 竹野内さんがかっこよくてかっこよくて。
 ふたりの姿を見ているだけで幸せな1時間を
 3ヶ月もの間、思う存分楽しみました。
 月9恋愛ドラマだというのに、主役ふたりがどちらも恋愛モードではなく
 テンションもあまり高くなく、そのために恋愛モードまっしぐら!
 という展開でもなく。そういった温度感も併せて好きだったなー。

 恋愛どころではない大変な問題を抱えているふたりが
 寄り添いあい、支えあい、恋愛どころではなかったはずなのに
 いつのまにかお互いの存在が大切になって、徐々に惹かれあっていく。
 そういった穏やかな気持ちの流れが自然で
 見ていてとても微笑ましかったし、だからこそふたりを素直に応援できました。

 稲垣さんがねー。とっても嫌な、というか困ったさんの、というか
 「え?本当は妹思いなの?なんなの?妹のこと好きなの?
  本当の本当に単なる困ったやつなの?」と混乱させられる
 一筋縄ではいかない不思議な役どころで。
 その役どころはまったくもって好きにはなれなかったのですが、
 この役を引き受けた「稲垣さん」という役者さんをますます好きになりました。
 そうだよね!いろんな役をしたほうが絶対に楽しいよね。
 (・・・稲垣さん、とっても楽しそうだったよね。)

 欲を言えば、ハッピーエンドのその先、ふたりの穏やかで幸せな
 日常生活を見て終わりたかったかも。ふたりが穏やかに笑いあう姿を
 もっともっと見たかったかも。
            

祝女

2010年11月10日 20時13分09秒 | テレビ鑑賞
大好きだったバラエティ「祝女」の第2シーズンが開始されました。
わーい!わーい!
サラリーマンNEOも好きだったのですが、
第4シーズンあたりから私の中ではちょっぴりマンネリ化。
すっかりご無沙汰しておりました。
そのため、久々のコント番組です。

アラサ―、アラフォーあたりの「永遠のジョシ」たちが
にぎやかにキュートに毒舌を吐き、現実から目をそらして
妄想世界で生きています。それでいて、女性ならではの
的確な突っ込みを武器として手放してはおらず、
ストレスフルな「現代社会」をオトナジョシらしく現実的に、
妄想ジョシらしく奔放に快適に生きようと奮闘する姿が
コミカルに再現されています。

ジョシなら「ある!ある!」と思わず手をたたく場面多し。
「あ。私かも。」と半笑い、苦笑いするネタも多し。
でも、殿方たちがご覧になって面白いのかどうかは疑問です。

特に先週の「不倫じゃ、ない」は秀逸で
思わず「名作だわ!」と叫びました。
ひとりのジョシが「相談したいの。ありえないことが起きた。」
と友人たちを呼び出し、自分の身の上に起こった「ありえない
出来事」について説明するコント。客観的に見て、その状況は
どう考えても「よくあるタイプの不倫」なのに、友人たちも
「不倫、だね。」「不倫、だよね。」と突っ込み続けているのに
「ううん。不倫、じゃ、ないの。」と否定し続けるジョシ。

「よくあるパターンの不倫とかじゃなくて。」
「ただ好きになった人に奥さんがいただけっていうか。」
「不倫とか安っぽい感じじゃなくて。魂レベルの結びつき?
 特別なパターンだと思うの。」
「何度も奥さんに別れ話をしてるんだけど、
 翌朝には奥さんがまるで何もなかったかのように過ごしていて
 その神経が信じられないよーって彼は言ってるんだけど。」

アタシ、この会話を何人もの人から聞いたー!
でもって、このコントの中の友人たちと同じ突っ込みを
(心の中で)したー!!
これ、実話なんじゃないかな。
誰かの経験談なんじゃないかな。

と、大興奮で感銘を受けました。
ものすごいリアル。リアルだけどコミカル。
コミカルなので、笑えないはずなのになんとなくおかしい。
そんなラインすれすれの部分を絶妙にコントとして
まとめています。
こういうシニカルな題材、大好き!


出演陣はともさかりえさん、市川美和子さん、友近さん、YOUさん
入山法子さんなど安心力満載の女優さんたち。
みなさん躊躇なく楽しそうに「困ったさん」を演じています。
照れなく思いっきり演じててとても素敵。
それに、コメディって科白のテンポが面白さへ如実に反映されると
思うのですが、みなさんポンポンポンポン、よく口がまわるなー、
と感心してしまうぐらい、テンポよく小気味よくしゃべってます。
このテンポが女子だけが集った時のテンポ、
女子会のテンポなんだろうなー、とにやにやしてしまいました。

10年先も君に恋して

2010年10月06日 00時11分11秒 | テレビ鑑賞
■10年先も君に恋して
■火曜22時 NHK総合テレビ放送
■出演
 上戸彩、内野聖陽、高島礼子、藤竜也、劇団ひとり、
 木南晴夏、渡辺いっけい、渡辺えり、染谷将太、林丹丹、
■脚本 大森美香
■ストーリ
 出版社の編集をしている里香は、仕事は順調だが、男運のない人生を
 送っていた。しかし、ひょんなことから知り合った博が
 「宇宙エレベーター」について熱く語る姿を見て、運命を感じる。
 その直後、10年後の博だと言う変な男と遭遇する里香。
 確かに現在の博の面影があるその男は、10年後、里香の夫となった
 未来の博だった。
 10年後の博は、10年後のふたりがお互いに傷つけあった結果
 離婚を選択したこと、お互いに不幸だと感じていることを現在の
 里香に伝える。そして、未来の不幸を回避するために、出会った
 ばかりの里香と博を別れさせるためにやって来たというのだった。
 将来の夫と現在の恋人との奇妙な三角関係が始まる。

■感想 ☆☆☆☆☆
 大森作品外れなし!
 というか、もう私の好みどストライクなんだろうなぁ。
 他のドラマさんたちとは、少し時期がずれてますが、
 それでも「今期」に入れると、この作品がもっとも好きな作品でした。
 脚本が好み、というのは勿論のことながら、NHKらしい丁寧なつくりに
 安心感溢れる演技のキャスト陣、そしてドラマの雰囲気によくあった主題歌、
 すべてが揃った本当に本当に素敵な作品でした。

 現在の博と里香も、10年後の博と里香もお互いのことを思いあっていて
 その様子が表情から、しぐさから伝わってくるために、とても幸せで
 同時にとても切ない恋愛ドラマでした。
 現在の博と里香は出会ったばかりで遠慮があるから、ほんの少しの
 いざこざも、お互いが努力し合い、ベクトルをお互いの方向に向け合う
 努力ができる。だから、すぐに仲直りもできてしまう。

 10年後の里香と博は結婚して、長年、一緒に過ごしてきたからこそ、
 お互いに遠慮がなくなっているし、お互いに伝える努力を怠って
 しまう。相手にわかってほしい、という気持ちが強すぎて、自分が
 きちんと伝えることを忘れている。でも、相手のことを好きだという
 気持ちも、このまま離れていくのは嫌だという気持ちも持っていて
 それなのに、その気持ちを素直に表せない。そんなジレンマが伝わって
 きて、すごく切ない気持ちになりました。

 なんで恋愛って、お互いに好きだという気持ちを持っているだけでは
 ダメなんだろう。なんで、自分の正直な気持ちを相手に伝えるのに
 こんなにも躊躇してしまうんだろう。

 博の師事している教授がとてもキュート。未来から来た博をまったく
 疑うことなく受け入れ、お仕着せがましくなく、目立たずそっと
 博と里香をサポートする。その存在感も、そして発するアドバイスも
 どれもがとてもあたたかく、だからこそ説得力あるものだった。

 「喧嘩したとき『離婚しよう』と言い出すうちは、まだ好きという
  気持ちがどこかにあるんですよ。相手にとって自分がまだ必要だと
  確かめたくて『離婚しよう』と切り出してしまうんですよ。」

 ラストはヒロイン里香が10年後の自分に向けた手紙の言葉で
 締めくくられる。
 「どうか未来を諦めないで。こんなはずじゃなかったのに、と
  後ろを振り向かないで、前を見てしっかり歩いて。
  今の私はとても幸せです。
  だから、どうか、今の幸せな気持ちを忘れずにいて。」
 この言葉で終わりを迎え、ふたりのその後は明示されない。
 けれど、10年後に戻った博と里香の関係は劇的には修復しないし、
 まだまだ問題は山積みのままだ。きっとまた喧嘩もするだろう。
 それでも、10年後の未来に戻った博の前には、10年前の里香から
 現在の里香にメッセージが届くというささやかな奇跡が起こる。
 奇跡、というのも大袈裟なほどささやかな奇跡。
 そのささやかな奇跡がきっと未来を変える。そう信じられるラストだった。
 「過去と人は変えられない。けれど、自分と未来は変えられる。」
 使い古されたこの言葉があたたかく胸にしみわたる素敵なラストだった。

 それにしても上戸彩ちゃんが美しくて美しくて。ひたすら見とれました。
 最近の上戸さんは本当に輝きを増しております。美しすぎる。
 でもって演技もとてもキュート!
 恋にも仕事にも一生懸命に体当たりしていくヒロインを可憐に、
 コミカルに、魅力的に、演じていました。くるくる動く瞳と
 表情が今回のヒロイン像にぴったり!
 そして、脇をしっかりと固めた劇団ひとりさん、高島姐さん、
 渡辺姐さんに大森脚本の常連組、いっけいさん。
 特に渡辺えりさん、いっけいさんは出演場面がそんなに多くないにも
 関わらず、大森テイストの厳しさと暖かさをドラマにしっかり
 付与されていました。本当にいいドラマだったなー。

ホタルノヒカリ2

2010年09月22日 22時46分41秒 | テレビ鑑賞
■ホタルノヒカリ2
■のりぞう的2010年度夏クール1位
■水曜22時 日本テレビ放送
■出演
 綾瀬はるか、藤木直人、向井理、木村多江
 板谷由夏、安田顕、臼田あさ美

■脚本 江頭美智留

■感想
 変わらず蛍も蛍とぶちょおの関係もかわいくてかわいくて。
 人気ドラマの続編というと、がっかりすることも度々あるイチかバチかの
 勝負作品、というイメージが大きいのですが、この作品は当初と変わらず
 笑って笑って、ほんの少し切ない気持ちになって、最終的にはふたりを
 そっと見守りたくなる。そんなドラマでした。

 思いを確認しあった二人の変わらない生活と、
 ほんの少しずつ変わっていく関係性。
 前回同様、自宅ではでジャージにごろ寝にビールの三点セットを
 お友達にしているホタルは、相変わらず、ぶちょおに怒られてばかり。
 でもその一方で、お互いの呼び名が変わって、
 お互いにふざけてのろけあって、将来のこともきちんと考えて。
 そういった変化がとてもナチュラルでかわいらしかったな。
 「家族」とか「夫婦」ってきっと「日常」で、
 だからこそ、こんなふうに自然体で、無理せずに時を重ねている
 ふたりの関係が羨ましく思えました。

 ただ!
 向井さん演じる瀬野さんがとにかくかっこよくて!
 向井さん自体も充分にカッコイイと言うのに、瀬野さんのパーソナリティが
 これまた非常にかっこよく、見た目もきらきらしておりました。
 きらきらに磨きがかかっておりました。
 ドラマの中のホタルは最初から最後までぶちょお一筋。
 想いが揺らぐことがありませんが、アタシは揺らぎっぱなしでした。
 瀬野さんを演じるのが向井さんじゃなければ、
 もっともっと心からホタルとぶちょおを祝福できたんだけどなー。

夏の恋は虹色に輝く

2010年09月22日 22時27分16秒 | テレビ鑑賞
■夏の恋は虹色に輝く
■のりぞう的2010年度夏クール1位
■月曜21時 フジテレビ放送
■出演
 松本潤、竹内結子、沢村一樹、松重豊、伊東四朗、松坂慶子
 小林星蘭、桐谷美玲、笠原秀幸、永山絢斗、小松彩夏
■脚本 大森美香

■感想
 大森さんの脚本が大好きです。
 彼女の脚本の台詞のやりとりが大好き!
 特に彼女の描く「友情」が大好きです。

 というわけで、主役おふたりの恋模様を描く場面よりも、
 マツジュン演じる主役さんがわやわやと友達同士であほな話題で
 盛り上がったり、恋や将来について相談しあったり、相談していると
 見せかけて、自分ひとりで妄想世界を楽しんだりしている場面や
 主役さんのあったか家族風景を描いた場面のほうがより好きでした。
 かわいいお母さんを演じさせたら松坂さんの右に出る人はいないと思う。
 あんなに天然オーラを出せるってすごいと思う。

 そして、桐谷さん演じた主役さんの後輩女優さんがとてもとても
 魅力的でした。子役としてブレイクしたものの、その後は泣かず飛ばずで
 ずっと苦労をしていて、苦労をした分だけ素直になれなくなっていて、
 強がってきつい言葉を口に出してしまうオンナノコ。
 自分に正直で、自分の天職とも言える「女優」に対して誇りを持っていて
 強がって口に出している言葉の数々を「口だけ」にしないために
 努力を重ねているオンナノコ。健気で一生懸命な彼女がこの作品の中で
 もっとも好きなキャラクターでした。本当にかわいかったなぁ。

 それにしても、この作品。
 あてがきなのかしら?と思わず思ったくらい、
 私の思い描くマツジュンさんと役のイメージががっつり一致していました。
 真面目で頭でっかち、努力をたくさんしているけれど、不器用で
 プレッシャーに弱くて、でもあきらめずに努力して。その不器用な感じが
 とても好きでした。
 うん。全体的にとても好きなドラマでした。
 子役ちゃんも「女優」とか「子役」を感じさせない「ちびっこちゃん」
 という感じでとにかくかわいかったし。
 ただ、エピソードがなんとなく地味だったかなー、とは思います。
 大好きだったけど、やっぱり「カバチタレ」や「不機嫌なジーン」には
 負けちゃうかも。
 とはいえ、やはり私にとっては「大森作品に外れなし。」です。  

【再放送】いつか見た青い空

2010年09月15日 23時36分38秒 | テレビ鑑賞
■いつか見た青い空
■原作(原案):向田邦子
■脚本:山元清多
■出演
 岸恵子、清水美沙、戸田菜穂、椎名桔平、筒井道隆、江波杏子、黒柳徹子
■ストーリ
 1945年、長男は出征し、母と3人の娘で暮らす雨宮家。
 ある日、ハルという女がやって来たことから、娘・文子は母と見知らぬ男の
 関係を知ることになる。そんなとき、海軍中尉の長男、浩一が戦地から帰宅。
 浩一は「次に向かうのは沖縄で、生きては帰れないだろう」と文子だけに
 打ち明ける。

■感想 ☆☆☆☆
 大好きな久世さんの随筆「ニホンゴ キトク」を読んで以来
 もう一度見たいと切に願っていたドラマ「いつか見た青い空」が
 再放送されていたため、録画しました。終戦60周年記念ドラマです。

 向田さん原作の終戦記念ドラマは、どの作品でも女性が主役です。
 弱いけれど、守るべきものがあるために強く生きる女性たち。
 彼女たちを中心に据え、戦地ではなく、東京の下町で必死に生きる
 市井の人々の「戦争」を、そして「終戦」を丁寧に描いています。
 何の武器もなく、思想も政治も関係なく、ただ、大切な人を守ること、
 そして自分自身が今日を生きることにのみ、注力した名もなき人たち。
 空襲も原爆も戦地も兵隊も出てこないこのドラマでは、戦争中であっても
 人々には変わりなく日常が訪れること、「死」と隣り合わせてあっても
 人々は笑ったり怒ったりするし、恋もするということ、そういった
 当たり前の日常が丁寧に描かれています。
 彼らの当たり前の日常がいとおしく、そして、それだけに「戦争」と
 「終戦」の残酷さとやりきれなさが強く心に残ります。

 ドラマのラストは「ニホンゴ キトク」で久世さんが紹介されていた
 黒柳さんの印象的なナレーションで締められます。

 「あの日の空は青かったと誰もが言います。
  何かが終わったのか、それとも、これから始まるのか。
  私にはよくわかりませんでした。私たちは四人で青い空を見ていました。
  いつまでも・・・いつまでも・・・。

  あれから50年経った今でも、あの日の、泣きたいような、
  笑いたいような空の色は、私たちの心に焼き付いているのです。」

 涙で声を詰まらせながら、万感の想いを込めて語られるナレーション。
 語り終わったとき、黒柳さんも久世さんも、そして、その場にいた
 スタッフの誰もが目を赤くしていたと書かれていました。
 本来であれば録りなおしをしてもおかしくないナレーション。
 このナレーションには、どんなに平和教育を受けても、
 何度、戦争体験を聴いたとしても、戦争を知識としてしか知ることが
 できない私たちに、どうにかして伝えたい、あの頃を残したい
 そう願っていた久世さんたちの想いが込められているのだと感じました。
 
 9月12日、この作品の脚本を書かれた山元さんもお亡くなりに
 なりました。またひとり、久世さんや向田さんのところへ旅立たれました。
 「昭和」がどんどん遠ざかっていくと嘆かれていた久世さん。
 そちらはいかがですか?
 そちらから見える今の日本は、今の世界はいかがですか?
 キトク なのは ニホンゴ だけですか?

タンブリング

2010年07月11日 22時28分07秒 | テレビ鑑賞
■タンブリング
■のりぞう的2010年度春クール1位
■土曜20時 TBS放送
■出演
 山本裕典、瀬戸康史、三浦翔平、大東俊介、西島隆弘、冨浦智嗣、柳下大
 賀来賢人、タモト清嵐、岡本あずさ、岡本玲、国仲涼子、AKIRA(EXILE)、
 大塚寧々、佐藤二朗、近江谷太朗、小林すすむ
■脚本 江頭美智留

■感想 ☆☆☆*
 ルーキーズとウォーターボーイズを足して2で割ったようなドラマでした。
 展開は分かっているんだけれど、面白い。役者さんたちが本当に努力して
 新体操を会得していく様子がドラマとしっかりリンクされているところが
 フィクションでもあり、ノンフィクションでもあり、という様相を呈していて
 だから手に汗握って見続けたのだと思います。
 新体操演技の際の衣装や曲はどうしても好きになれませんでしたが、
 ほとばしる汗がかっこいいドラマでした。ドラマ、というよりは、
 役者さんが新体操に懸命にチャレンジしている姿が大好きなドラマでした。
 かっこよかったな。

 役者さんでは、国仲さん!
 私の中では、天真爛漫な「ちゅらさん」のえりぃの姿が印象に残り続けて
 いる女優さんでしたが、今回は笑顔を見せない厳しい顧問役。
 厳しいけれど、愛情をもって誠実に部員たちと向き合う顧問で
 かっこよく、けれど恋愛には疎くて、恋愛が絡むと右往左往してしまう
 姿がどこかユーモラスで、とっても人間くさい役柄。
 厳しいのにユーモラス。こういう役、大好き!
 まして国仲さん。大好きの二乗です。

 でもって、NHKドラマ「ふたつのスピカ」以来大好きな役者さん、
 大東さんも大活躍。クールだけれど、どこかすっとぼけた感じの
 役柄がとてもかわいらしかったのです。
 しかしながら、妹夫婦には「あのコロッケに似ている人でしょ?」と
 一刀両断されました。
 ・・・似ている。気がしないでもない。
 でも、かっこいいのに!

 憤慨する前にちょっぴり納得してしまったおのれがとても悲しいのです。

素直になれなくて

2010年07月11日 22時07分44秒 | テレビ鑑賞
■素直になれなくて
■のりぞう的2010年度春クール3位
■木曜22時 フジテレビ放送
■出演
 上野樹里、瑛太、玉山鉄二、関めぐみ、ジェジュン、風吹ジュン
 吉川晃司、木南晴夏、井川遥、渡辺えり、田中哲司
■脚本 北川 悦吏子

■感想 ☆☆*
 上野樹里ちゃん、瑛太さんが大好きで見始めたこのドラマ。
 いかにも北川さん脚本らしく、切ない場面もちらほらあって、入り込めそうな
 でも、なんだか「ツイッター」というツールに私がなじめてないことも
 関係しているのか、やっぱり入り込めないような
 でも、上野さんかわいいし、瑛太さん存在感あるし、渡辺えりさんの
 存在感が半端ないし!!!で、見続けてしまったドラマです。

 渡辺えりさん演じるセクハラオンナ上司の存在感はすばらしかったです。
 登場場面はそこまで多くありませんでしたが、彼女の与えるインパクトは
 絶大でした。体張った役者魂を見せつけられました。
 彼女の演技の前に吉川さんと風吹さんのオトナの恋愛はかすんでしまったような。

 そして、ジェジュンの妹として出演されていた小南晴夏ちゃん!
 彼女のカメレオン女優ぶりは以前からうわさで聞いていたのですが
 初めて目の当たりにしました。すごい!この一言に尽きます。
 まったく違和感なく、ジェジュンの妹さんになっていました。
 ・・・もっとも、韓国人の兄妹が家でたどたどしい日本語をしゃべるのかな?
 家庭では慣れ親しんでいる韓国語で話すんじゃないのかな?という違和感は
 最後まで拭えませんでしたが。きっと語学力向上のために、家庭内でも
 日本語を使い続けるよう努力していたんでしょう。

 ところどころ、切ない場面もあったし、どの役者さんもご自分の役を
 すごく素敵に演じられていたのに、どうしてもこのドラマに入り込めなかったのは
 やはり私がこの脚本になじめなかったからなんだろうな、と思いました。

 あぁ。でも、折々に出てくる歩道橋の上から見る並木道とそこからみえる
 夕日の美しさ、その景色がドラマに与える感動はとても印象深いもの
 でした。こんなにもひとつの景色で感情が揺り動かされることがあるのね
 としみじみしながら見とれていました。

 でもって、上野樹里さんはやはりかわいいです。笑顔が大好き!
 瑛太さんも大好き!演じている役柄は、どうしても好きになれない
 実に腹立たしい男性でしたが、それでも瑛太さんは素敵でした。
 これは、演じている役柄にすぐ影響されてしまう私にとっては画期的。

臨場

2010年07月06日 23時06分50秒 | テレビ鑑賞
■臨場
■のりぞう的2010年度春クール2位
■水曜21時 テレビ朝日放送
■出演
 内野聖陽、高嶋政伸、松下由樹、渡辺大、平山浩行

■感想 ☆☆☆☆
 昼ドラ「娼婦と淑女」に翻弄されてしまった今クール。
 昼ドラなんて見ちゃうと、他のドラマを見る余裕がまったくないことに
 気がつきました。なんせ、昼ドラは毎日ですから。

 それでも見たドラマのひとつがこれです。
 とにかく、倉石がかっこよかった!
 前作が好評だったようで、満を持してのシリーズ化。
 シリーズ化の良いところは、偉大なるマンネリとなるところ、
 安心して見られるところ、そしてキャラクターがどんどん根付き
 深彫りされていくところです。「臨場」の倉石も、前作以上に
 活き活きと破天荒なキャラクターとして確立されていました。

 「毎回、同じパターンなのね。いい加減、みんなも倉石の言うことを
  信用して、一番に意見を聞けばいいのに。」
 とは母上の弁です。うん。気持ちは分かるかな。

 毎回、刑事さんたちの捜査は真相とは見当違いのところを右往左往し、
 倉石が「俺のとは違うなぁ。」と嘯く。部外者の勝手な発言に怒る刑事たち。
 「見立てが違っていたら、責任を取ってもらうからな。」と
 脅す上層部。でもって、そんな圧力をものともせずに、マイペースで
 真相に迫っていく倉石。

 ほぼすべての話がこんな感じ。でも、この流れだからこその「臨場」です。
 基本的に1話完結なので、ストレスなく見ることができて、なおかつ
 各話、しっかりとした構成で見ごたえがある。非常に贅沢なドラマでした。
 主人公のスタンスは若干「相棒」と似ていないこともないかもしれません。

 それにしても、内野さん。
 腕をまくりあげている姿が色っぽかったです。かっこいいなぁ・・・。
 次のシーズンも楽しみにしています。