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のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

華和家の四姉妹

2011年10月07日 22時34分55秒 | テレビ鑑賞
□華和家の四姉妹
□日曜夜21時TBS放送
□出演
 観月ありさ、貫地谷しほり、川島海荷、吉瀬美智子
 加藤成亮、遠藤憲一、宮崎美子、石黒賢、田中哲司、森脇英理子

□原作:柴門ふみ
□2011年度夏クールお気に入り度 1位/6作品
□感想 ☆☆☆
毎年毎年必ず出てくるのが「夏クールは数字がとれない」。
なんでも、人があまり家にいないからだそうです。
うっそだー!と思っていましたが、確かに私も8月はほとんど自宅にいませんでした。
録画したものを駆け足でおっかけて楽しんでいました。
だからかな?あまりのめりこんで見ていた作品はないような・・・。

でも、この作品はある意味、のめりこんで見ていました。
「許すまじ!桜子!!」と怒りにうちふるえながら見てました。
もーね!腹が立って腹が立って!!
桜子を演じているのがとってもとってもとっても大好きな
貫地谷しほりさんだというのに。
でもって、私はえこひいきがとてつもなくひどくて、
基本大好きな女優さんが演じている役ってだけで
「好き!」から入っていくというのに。
この桜子だけは、最後の最後までとうてい好きになれませんでした。
最後の最後まで「なんで桜子みたいな子が幸せになれちゃうかなぁ。
結局、世の中はそゆもんなんかなぁ。」と思いながら見ていました。
なんだろ、この感覚。「なんかむかつく。」
計算していないように見せかけて自分がどう見えるかということを
計算し尽くしてるところとか、実際以上に自分をか弱い女、尽くす女に
見せようとするところとか、もうとにかくすべてが鼻について鼻について。
「けっ!!」と思いながら見ていました。

タイトルは「華和家の四姉妹」で、最終的には四人が分かりあうことができて、と
ハッピーエンド「風」にしてはいるけれど、
一番かわいそうなのはヒロインの夏美だな、という気持ちは最後まで変わらず。
そりゃ、四姉妹が仲良くできるわけないよ!
だって、夏美以外みんな基本は「自分が一番」「自分さえよければ」なんだもの!
唯一夏美のみがまっとうで、いつだって他人のために動いている子でした。
基本的な行動原理がいつだって「自分のため」じゃなくて「誰かのため」で
ええ子やなぁ、とほろりとしながら見ていました。
私は「美人さんは基本的にお得だけどやっかみや同姓からの反感が大きくて
大変・・・。でもやっぱり羨ましい!」と思っているし、
「美人さんは美人さんてだけで周囲の人を幸せにしてくれる!
(だって見てるだけで私は幸せだもん!)」とも信じているのですが、
このドラマを見て「ほらね!!」とこの想いに拍車がかかりました。
小さいころから自分の外見で偏見を持たれたり、色眼鏡をかけられたりし続けて、
美人さんは周囲が思っている以上に大変。「美人だから」という理由だけで
人に好かれたり嫌われたりしてきた夏美は、だから人を信じることができないし、
周囲から見て分かりやすく「いい子」になれない、
美人だからこそのコンプレックスを持ち続けて生きているんだろうな、と思いました。
彼女が「自分のため」ではなく
「子供たちのため」「家族のため」に行動し続けるのは、そのコンプレックス故に、
自分のことを無条件には愛してあげられないでいるからなんじゃないかな。

第1話を見終えた時点では、このドラマのことをすかっと痛快なコメディだと
思っていましたが、第2話から思いがけずシリアスでどろどろな展開が続き、
「どーなるの?どーなるの?みんな幸せになれるの?みんな幸せになっちゃうの?」
とはらはらしながら見ていました。ここまでがらっとテイストを変えてくるなんて
第1話の時点では思ってなかったわー、すっかり騙されちゃってたわー、と
思っていたところ、最終回でまたもやすっきり痛快コメディに戻ってきていました。
・・・どゆこと??第1話と最終回のみテイストが異なり過ぎるんですけど。

四姉妹それぞれが自分で自分の思う「幸せ」を選んでいて、
通り一遍の幸せに落ち着かないところは好きだったなー。

マルモのおきて

2011年07月27日 22時14分18秒 | テレビ鑑賞
■マルモのおきて
■のりぞう的2011年度春クール1位
■日曜21時 フジテレビ放送
■出演
 阿部サダヲ、芦田愛菜、鈴木福、比嘉愛未、世良公則
 伊武雅刀、滝沢沙織、小柳友、葛山信吾、鶴田真由

■感想 ☆☆☆☆☆
大好きな阿部サダヲさん主演!ということでテンションがぐぐっと上がりましたが
次々に出る新番組の情報によると
もうブームといっても過言ではない芦田愛菜ちゃんとのW主演だったり
犬まで出してきていたり、その犬がしゃべっちゃったり・・・と
いちいちミーハーでちょっぴりテンションが下がっていたこのドラマ。
第1回を見たのも、第3回放映時ぐらいだったような。
そして初回鑑賞後も、しばらくは「JIN」優先で鑑賞していました。

でも、回を重ねるごとに、どんどんマルモと双子ちゃん、ムックが織りなす
疑似家族が愛しくてたまらなくない存在に!
3人と1匹の距離感がほどよく近くて、微笑ましいのに
どこかに「家族じゃない」という遠慮もあって少し切ないすれ違いもあった序盤。
一緒に暮らすうちに、お互いに我儘を言えるようになり
遠慮がなくなってきた分、衝突も増えて
衝突と同じくらい、お互いに対する愛情も増えて来て・・・という
些細な感情のやりとりがかわいらしく、
私までもがこの家族の一員になったような気持ちにさせてもらえました。
寄せ集めの家族だったはずの3人と1匹がしっかり「家族」になり
お互いを思い合うようになったからこそ、訪れる終盤の別れの予感も
そのやりとりがまったくあざとくなく、押しつけがましくなく
「どうなるんだろう」とはらはらさせられました。

子どもと動物という「泣ける」要素をしっかり押さえているけれど
「泣ける」番組作りに注力していなくて、あくまでも軽く明るくかわいらしく。
その雰囲気はやはり主役が阿部さんだからこそ、なんだろうなぁ、と思いました。
とても個性的で、その場の雰囲気を阿部サダヲ色に染めてしまうのに
「俺が!俺が!」じゃなくて、その場の雰囲気を調和してくれる阿部さん。
彼の持つ軽やかで、「大人」や「子供」という垣根を感じさせない雰囲気が
このドラマの世界観に大きく影響していた気がします。

それにしても思うのは、「子育て」や「家族」には
社会とのかかわりは必要不可欠だということ。

独身男性のマルモがいきなり双子ちゃんをひきとって家族になれたのは
彼ら疑似家族を優しく暖かく、節度ある距離感で彼らを見守ってくれた
1階の大家さん親子や、会社の上司や同僚の存在があってこそ。
こんなに親切な大家さんや、こんなに物分かりのいい上司や同僚には
なかなか出会えないし、ドラマならではの理想社会だよね、とも思いましたが
ドラマだからこそ描けるあったかい社会、理想社会、かくあるべき姿って
あるんじゃないかな、あってほしいな、とも思いました。

「お隣さん」「お向いさん」が当たり前のようにあった20年前、30年前の日本。
その当たり前にあったものをなくしてしまった過程には
お隣さんやお向いさんがいるからこそ、発生するいざこざや面倒が
たくさんあって、だから私たちは、「お隣さん」や「お向いさん」との関わりを
絶つという選択をしてきたんだろうけれど。
それでも、やっぱり「子育て」はひとりやひとつの家庭だけで
するものじゃないんじゃないかな、と思いました。
いろんな人に支えられて暮らしている
マルモや双子ちゃんたち、ムックの姿がとても羨ましく見えました。

だからなのか、育児ノイローゼで双子を育てられなくなった
双子ちゃんのお母さんに対しても「敵役」ではない存在として迎えられました。
マルモとムックと双子ちゃんで築き上げている「家族」は暖かくて
居心地がとても良さそうで、ずっとずっとこの4人でいてほしいと思うけれど
でも、お母さんがひとりで後悔を抱えて暮らし続けるのもかわいそう。
それはきっと、そのままマルモの「思い」「悩み」でもあって。
ひとりで楽しく楽チンに独身生活を過ごしていたはずのマルモが
いつのまにか気楽なひとりぐらしを「寂しい」と気付いてしまった様子にも
だからこそ、双子ちゃんと離れたくないという気持ちと
だからこそやっぱり、双子ちゃんを返してあげなければ、と思う気持ちのはざまで
葛藤し続ける姿にも共感して見ることができました。

またね。ムックがね。
しゃべる犬という設定なのに、無闇にしゃべりすぎず
ここぞ!という時にのみ短いアドバイスをくれるだけっていうのが素敵でした。
ムックがしゃべるという設定に頼りすぎて
変に反則技のスペシャルな解決方法を使わず
あくまでも、地道にお互いに話し合い、誤解をときあって分かり合っていく。
その姿が清清しく、笑顔と涙を誘われるドラマでした。
芸達者な芦田さんも芸達者すぎずかわいらしく
私がちょっぴり抱いていた苦手意識を払拭してくれました。
鈴木福くんのかざりけのない子どもらしさもかわいくて大好きだったなー。

このふたりが「SMAP×SMAP」に出て
はしゃいでいた姿を見て、さらに大好きに加速がつきました。
この回の「SMAP×SMAP」は未だに消すことができていません。
本当にあいらしかったなー。

ほんとうのエコを考える世界紀行

2011年07月16日 11時33分25秒 | テレビ鑑賞
あ。相葉さんが出るんだー♪というだけで録画していたテレビ番組。
「エコ」という言葉は少し軽くて苦手ですが
でも見てよかったなぁ、としみじみ思った番組でした。
「エコ」とか「地球に優しい」とか気負う必要がないんだ。
今の私たちの生活に固執するならば、我慢は必要だけれど、
そもそも今の私たちの生活が最良なのかな、
きっと私が今の私の生活を手放すことで楽になることもたくさんあるだろうな
必要ないのに無意識のうちに身体中に力入れて踏ん張っている余分な力って
多いんだろうな、今の生活に固執することでなくしている笑顔もあるだろうな
と素直に思えました。

番組を見ていて心から納得したブータンの大統領の言葉
「あなたは幸せですか?」という相葉氏の質問への回答です。

「多くの人は『幸せ』と『喜び』を混同していると思います。
 『喜び』は感覚が満たされたときに感じるものです。
 味覚や嗅覚など身体的なものです。
 しかし、この『喜び』は一瞬のものですぐどこかへ行ってしまいます。
 これは『幸せ』とは違います。

 『幸せ』とは長く続くものです

 私は家族に恵まれています。そして、とても平和な国に住んでいます。
 今なお自然が豊かな国です。だから私は幸せだと思います。」

そして、このブータンの大統領の言葉を聞いたゲスト
船越さんの言葉にも深く深くうなずきました。

「羨ましいなと思ったのは、『幸せだと思うのはなぜですか?』
 という問いかけにこれだけ明確で分かりやすい、子どもだって
 『そうだよね』とうなずける言葉を持ってパッと答えを導き出せる
 国のトップがいて、そして国民たちもその国のトップに尊敬をささげている。
 国を牽引する人と国民が一枚岩になっている、
 その状況が羨ましいなと思いましたね。
 きっとそこも日本が見習うべきところですよね。」

生まれる

2011年07月10日 22時23分17秒 | テレビ鑑賞
■生まれる
■のりぞう的2011年度春クール4位
■金曜22時 TBS放送
■出演
堀北真希、大倉忠義、中島健人、竹富聖花、田中美佐子、
戸田恵子、金田明夫、大杉漣、西村知美、酒井若菜
■脚本:鈴木おさむ
■感想 ☆☆☆
堀北さんと大倉さん目当てで見始めたこのドラマ。
思っていた以上に「妊娠・出産」に関する情報盛り沢山で
ドラマを楽しむというよりは、出産について、命について
学ぶことができたドラマでした。
今年最初に見た映画がやはり出産に関するドキュメンタリー映画で
その映画で気付かされた「出産って命がけだったんだな。」という思いを
このドラマで改めて心に刻み付けることができた気がします。

赤ちゃんができること。
そのことも素敵な奇跡だし、赤ちゃんが無事に生まれてくること。
そのこともこれまたやっぱり素敵な奇跡なんだな。
私たちは医療の発達のおかげで妊娠して赤ちゃんが無事に生まれてくることを
当たり前のこととして受け入れられるようになっているけれど
それって全然、当たり前のことじゃないんだな、と思いました。
このドラマを見ている期間、ごくごく身近に妊婦がいて
そういうタイミングでこのドラマを見られたことも幸せな出会いだったな。

個人的には51歳で妊娠したヒロインの母親よりも
望んで望んで望んでいるのに、赤ちゃんができないそのお友達を演じた
西村知美さんの迫真溢れる演技のほうに心を動かされました。
51歳という高齢での妊娠は命がけで
周囲の戸惑いも本当によく分かるけれど
望んで望んでいるにも関わらず、赤ちゃんに巡り会えない。
その切実な気持ち、追い詰められてしまう気持ちに
女性として寄り添ってしまいました。

ドラマとしては情報を盛り込みすぎて、説明場面が多かったかなー、とか
出産にまつわる情報を盛り込むために、
いろんなエピソードをヒロイン家族に抱え込ませすぎたかなー、
とも思うのですが、でも、こういった情報ほど「勉強」としてではなく
楽しみながら知ることができる「ドラマ」という手段が向いているよね、
とも思いました。少なくとも、私は最初から最後まで楽しみながら
妊娠にまつわる知識を得られたな。

それにしても堀北さん!美しすぎ!!
私、堀北さんの瞳や芯の強そうな表情が大好きなんだわー、
とドラマを見ながらしみじみと思いました。
そして、ダウン症の男の子を演じた高井萌生くん。
「以上です!」という口癖がとってもかわいかったな。
また他のドラマでぜひとも会いたいです。

BOSS

2011年07月06日 22時24分44秒 | テレビ鑑賞
■BOSS
■のりぞう的2011年度春クール1位
■木曜22時 フジテレビ放送
■出演
天海祐希、竹野内豊、戸田恵梨香、玉山鉄二、温水洋一、溝端淳平
ケンドーコバヤシ、成海璃子、長谷川京子

■脚本:林宏司
■感想 ☆☆☆☆☆
かっこいい!
この一言に尽きます!
最初から最後まで大大大大大満足で見終えたこのドラマ。
前回の「BOSS」も本当に大大大大大好きだったので
続編が作られると聞いた時には「嬉しい!」と喜んだのと同じぐらい
「でもなー。続編で変な風にあの世界観が壊れちゃってもいやだなー。」
と第一作目が大好きだったからこそ、の不安も感じていたのです。
その不安、嬉しいぐらいに吹き飛ばされました。
今回も「やっぱり大好きー!」と思わず叫びたくなるぐらい大好きな作品でした。

前作の世界観はそのままでコメディ部分は更にパワーアップ。
登場人物のキャラクターも崩されることなく、その魅力が更に追求され、
その一方で、一作目ではお茶目な部分少なめのシリアスキャラだった登場人物たちも
人見知りしてたけど、ようやく慣れてきた転校生のように
少しずつ少しずつ素の部分が垣間見えて、チームワークはより強固に。
前作以上に痛快な作品でした。

その痛快さは、やはり天海姉さんのぶれないリーダー像によって
作り出されているんだろうな、と毎回毎回、天海姉さんにほれぼれと見惚れていました。
男気あふれるチームの采配がとにかく素敵。
けれど、豪快なだけというわけでもなく、
部下のいいところも悪いところも細かいところまできちんと見ていて
その変化にきちんと気付いてあげるところとか
折に触れ、さりげなく部下に声かけするところとか
部下のいいところはすぐに手放しで褒めてあげるところとか
そういう繊細な思いやりも持ち合わせているリーダーで
とにかく素敵だな、かっこいいな、と思いながら見ていました。

メンバーもみんな変わらずおもしろく愉快な面々でした。
溝端さん、玉山さんのイケメンコンビは、前作より天然度合い増加。
玉山さんはその残念っぷりが、溝端さんはその空回りっぷりが
それぞれキュートでうっかり母性本能をくすぐられそうになりました。
二作目から登場の長谷川さん、成海さんの美人さんコンビも
この濃いメンバーの中に、ナチュラルに溶け込んでいて存在感たっぷり。
長谷川さんに関しては、いつも若干、「演技が苦手だわ・・・」
と思いながら見ていましたが、今回はキャラが秀逸で苦手意識なく見られました。
我関せずにマイペースを貫き、
周囲の人たちをちょっぴりイライラさせてしまう困ったさんは
絶妙な間あいが面白く、長谷川さんによく似合ってたと思うのです。
何より、彼女がまばゆいばかりに美しくて、毎週、眼福の1時間でした。
成海さんも本領発揮の毒舌キャラを楽しそうにのびのびと演じてた気がします。
こういう役が本当によく似合う!(というか、好き。私が。)

でもね、今回の私のクライマックスは
なんといっても田中圭さんが取調室にたてこもる第7話でした。
犯人が提示する「相棒」というキーワードから
それぞれが思いだす過去の「相棒」にまつわるエピソード。
中でも野立参事官演じる竹ノ内さんと天海姉さんの過去エピソードは
そこはかとない恋愛感情を思わされて、思わず大興奮で心ときめきました。
恋愛感情がありそうでなさそうなふたりの関係。
オープニングで絵里子が野立に身を寄せて囁くところなんて
いやいや!同期で仲良しにしたって、親し過ぎるよー!
めっちゃお似合いだよー!と思っていましたが、
やっぱりそうだったんだー!!と嬉しくなりました。

でも、ここで恋愛方面に話を進めるのではなく
そのつかず離れずの関係のまま、
お互いへの揺るぎない信頼や尊敬をベースに「仲間」のラインを超えない
ふたりの関係がもどかしいけれど、好きだったな。

幸せになろうよ

2011年07月02日 00時04分50秒 | テレビ鑑賞
■幸せになろうよ
■のりぞう的2011年度春クール4位
■月曜21時 フジテレビ放送
■出演
香取慎吾、黒木メイサ、藤木直人、仲里依紗、大倉孝二、綾部祐二
原田美枝子、小林薫、高畑淳子、玉森裕太、橋本さとし、国仲涼子

■脚本:井上由美子(第1話のみ)・古家和尚

■感想 ☆☆☆
もう!もう!もう!!
なんで?!なんなの?!
と叫び通しだった最終回。

私、このドラマ、とても好きだったのです。
香取さんのドラマは私にとって当たり外れの大きいドラマが多いだけに
不安いっぱいだったけれど、今回は今までになく身近な感じの主人公が繰り広げる
等身大の恋愛ドラマで親近感を持ってるなーと毎週、楽しみにしていたのです。
なにせ、ここ最近のドラマってば
役柄紹介で「ごくごく普通の会社員」とうたっていながら
服装とか仕事への取り組み態度とか見ていると、
「いやいや!あなた!!それ、どー考えたって
 『ごくごく普通の会社員』じゃありえませんから!許されませんから!」
と突っ込みたくなる場面や設定ばかりで。

でも、このドラマの香取さんはいつだって本当にごくごく普通のグレースーツ。
仕事にも真面目に取り組んでいて
(会社行ってるけど、仕事してる場面はないよね??と不安になることもなく。
 仕事する場面がちゃんとあって。)
ちょっぴり不器用だけれど、その取り組み姿勢故に
上司や同僚からの信頼が厚い様子がまったくもって不自然じゃなくて
(なんで実績何もないのにそんなにみんなから信頼されてんの?
 いつもリーダーシップ取ってるけど周囲を振り回してるだけだよ?
 みんな目を覚ましてー!!と周囲の方々にこんこんと
 訴えたくなるようなこともなく。ちゃんと仕事できる感が伝わってきて。)
それらのどれもが「うんうん。本当に等身大だわー。こんな人、いそうだよー!」
と納得できる「ごくごく普通の会社員」で好ましく見ていました。

そうなんだよ!SMAPさんだって、いつまでもカリスマ美容師とか
宇宙飛行士とか、カリスマ社長とかそんな非現実的な役柄ばかりじゃなく
いろんな役柄演じたほうが見るほうも演じるほうも楽しいに決まってるんだよー!
と常に上から目線で思っていた私にとっては、
本当にドツボで大好きだったドラマでした。

恋愛の進み方も本当にごくごくゆっくりで。
主人公はヒロインの女性にほぼ一目ぼれに近い感じで恋に落ちていたものの
すぐに恋愛に突っ走ることもなく、自分の気持ちを押し付けるでもなく
ただ純粋に「彼女に幸せになってほしい」「彼女の笑顔を見たい」と思って
行動していて、その奥ゆかしい感じの恋愛感情がとっても素敵だったのです。

ヒロインの黒木メイサちゃんもその肉食獣的、かつ好戦的な風貌が
私は今ひとつ苦手だったのですが、
今回の役柄ではそういった派手な外見とは裏腹に
「こてんぱんに自分をフッた元カレを忘れたいと思っているのに、
 でもやっぱり好きで忘れられなくて、そんな自分が悔しくて」
という古風な役柄でこれまた見事に私の好みドンぴしゃのヒロイン像でした。
いつものメイサちゃんぼくない役柄だけど、まったく違和感がなく
むしろ黒木さんへの苦手意識を消すことができました。

それに主人公の友人男性陣にはピースの綾部さんと脇役でおなじみの大倉さん!
テンポよいコントっていつも演技をしているようなものなのか
演技がすごーく自然だった綾部さんと、いつだって存在感ある脇役で
むしろ主役より目立っちゃうこともあるけど、
それもまた大倉さんテイストなんだよね!の大倉さんが
しっかりと脇を固めていて、三人でわちゃわちゃ騒いでいる場面は
思わず声出して笑っちゃうぐらい愉快だったな。
女性をとっかえひっかえしていい加減なことばかり言っている綾部さんに
女性にまったくモテることなく過ごして女性への免疫がまったくない大倉さん。
正反対の役どころを二人とも徹底的にコミカルに
でもドラマから浮き上がり過ぎない自然さで楽しそうに演じていました。
三人が飲んで騒いで酔っ払って、
悪口言い合ったり、コイバナで盛り上がったりする場面が
楽しそうで楽しそうで大好きだったなー。
めっちゃくだらないことで盛り上がったてるけど
めちゃめちゃ楽しそうだなー、男友達っていいなー、
と羨ましくなるような三人の関係が大好きでした。

でも!
なんといっても脇役でピカイチだったのは仲里依紗ちゃん!
気が強くて、恋愛力が高くて、計算高くて、
とある意味無敵の「三高」を誇る素敵な役柄を楽しそうに嫌みなく
演じていて、ますます大好きになりました。
仲さんのどんな役柄だって自分テイストにしてしまうところ、
どんなに困った感じの人だろうと、「嫌な人」だけには見せず
ちょっとかわいらしいところが見えてしまうというか
「憎めないんだよね、この人」と思わせてしまう役の捉え方が大好きです。
まったく躊躇なく綾部さんを罵倒してるとことか
盛大に舌打ちしているとことか大好きだったなー。
綾部さんが仲さんに罵倒されて振り回されてばかりなんだけど
それでも、このふたりの関係が「なんやかんや言っていいコンビだよねー」
というふうに見えたのは、ふたりの演技力故だと思うのです。

と、本当に最終回直前までドラマを目いっぱい楽しんでいたのに。

なんで。
なんで最終回であんなに崩れちゃったかなー、と脱力しっぱなしの最終回でした。
今までの世界観、今までの主人公、ヒロインの役柄とかすべてゼロクリア。
「え?!今までのそこはかとない恋愛の進め方はなんだったの?
 1進めるのに、あんなに悩んで迷ってたあなたはどこ行っちゃったの?」
と思わずテレビの中の主人公に問い詰めたぐらい、
「今まで」を無視した強引なストーリー展開で、
最後の最後になって見事に恋愛に突っ走った主人公の姿に
30回ぐらい「ありえんし!」と突っ込みました。

もう!本当に!!
30過ぎて、恋愛のためだけに仕事を辞めるとか
振られたにも関わらず、毎日、家に会いに行くとか
返事が来なくても毎日メールを送り続けるとか
仕事中にも関わらず会社に乗り込んじゃうとか
会社に乗り込んだ上に、受付での制止を振り払って
フロアに上がっていくとか
会社フロアのど真ん中でみんなが仕事しているのを横目に
ヒロインへ愛の告白とか
全部全部、ありえないよー!!

と、思わず叫びながら、若干、早送りしました。
ごめんよ。香取さん・・・。
でもって、エンディングでは脚本家さんもチェックしました。

・・・うん。納得しました。
そっかー。「月の恋人」も担当した脚本家さんでしたかー。
そりゃ、最終回はあんな感じになっちゃうわー。
ある意味、「いつも通り」だわー。
むしろ、最終回までのテイストが今までと異なってたから、わかんなかったよー。

とにもかくにも。
最終回まで(ある意味、最終回もとてつもなく)楽しませてもらいました。
なんやかんや文句を言ってますが、
再放送があったら、ついつい見てしまう気がします。
だって、このドラマの香取さんはめっちゃかっこよかったんだものー。
今の髪型と今のスタイルの香取さんが私はとっても好みです。

犬を飼うということ

2011年06月13日 23時28分33秒 | テレビ鑑賞
■犬を飼うということ-スカイと我が家の180日間-
■のりぞう的2011年度春クール3位
■金曜深夜(23時15分) テレビ朝日放送
■出演
 錦戸亮、水川あさみ、久家心、山崎竜太郎、田口淳之介
 武田航平、風見しんご、杉本哲太、泉谷しげる
■脚本 寺田敏雄
■ストーリ
21歳でできちゃった結婚した本郷勇次(錦戸)と幸子(水川あさみ)は8歳の大(山崎竜太郎)と6歳の眞子(久家心)の二児の親。完成間近のスカイツリー近くの団地に暮らしている。サラリーマンである勇次の収入だけでは生活は苦しく、幸子がパートに出てやり繰りしている。家計は苦しくても家族でハワイ旅行をするためにお菓子の缶に貯金する微笑ましい一家である。しかし、それぞれが少しずつ言い出せずにいる小さな不満も抱えていた。そんなある日、眞子が犬を拾い、なりゆきで飼うことになり、そこから家族が再生し始める。

■感想 ☆☆☆☆
錦戸さんの演技が大好きです。
決して分かりやすいイケメンさんではないけれど
(というか、単に私の好みではないというだけ、ですが。)
彼が演じると、どんな役柄もとても魅力的になる気がします。
アイドルがこんな役を演じちゃってもいいの?!大丈夫?!
と衝撃的だった「ラストフレンズ」のDV彼氏さんも、序盤こそ、
「ありえん・・・怖すぎる!!」とドキドキしましたが
中盤以降はその演技力(というか、その恐ろしさ)に圧倒されて
むしろ「すごい!この人!!」と目が釘付けになりました。
どうしようもないDV彼氏なのに、その暴力の影に見え隠れする
「好きなのに自分でもどうしたらいいのかわからない」みたいな葛藤が
終盤に向かえば向かうほど、不憫になり、決定的には嫌いになれませんでした。
暗示にかかりやすい私は、彼の演技を見続けると、
なんやかんや言いつつも、最終的に彼の(役の)ことが好きになっているような。

というわけで、「犬を飼うということ」も期待大!で視聴しました。
そもそもこの枠のドラマは深夜枠だけに視聴率が取れないけれど
好みの番組に出会える確率が高いのです。
でもって、予想を裏切られることなく大好きなドラマでした。
主要登場人物みんなが困ったところもあるけれど、
その困ったところを愛しいと思える人たちばかりで
彼らが迷ったり傷ついたり、ぶつかりあったりしているところを
嫌な気持ちになることなく、全員に共感しながら見ることができました。

まじめで他人を陥れたり蹴落としたりできない主人公、
勇次が会社のリストラ政策に疑問を抱いてしまったがために、
会社をクビになってしまうところから物語が始まります。
どこか大人になりきれない、長いものに巻かれてしまえない不器用な主人公。
学歴はないし、新しい仕事も見つからない。
心のどこかにかつての夢だった「音楽」への未練もある。
けれど、家族を愛していて、音楽という夢よりも家族を、
父親としての責任を躊躇なく選べるへたれなのに
強くてあったかいお父さんが錦戸さんにぴったりでした。
特に素敵だな、と思ったのは最終回で飼い犬スカイが危篤状態になり、
担当獣医さんから
「人によって考え方は色々あると思う。たかがペットと言う人もいるかもしれない。
 けれど、僕はそれでも言いたい。家族に連絡をとりなさい。」
と言われた水川さん演じるお母さんが家族全員に緊急連絡を取る場面。
大急ぎで学校から帰ってくる子どもたち。
けれど、その連絡を確認しても、周囲の仕事仲間に動揺を見せることなく
黙々と仕事に取り組む勇次は、仕事が終わった後もいつものように
「お疲れ様でした。」と笑顔で挨拶をし、角を曲がったところから
ダッシュで病院に向かいます。携帯で奥さんに連絡を取り、そこで
自分が間に合わなかったことを知り涙する勇次の背中がとても印象的でした。
安易に「仕事よりも何よりも飼い犬の命が大事」
「ペットも人間も命の重さは同じ」というような一辺倒の結論に
落ち着かせないこのドラマの姿勢を素敵だな、と思いました。
命は勿論、とても大事だし、ペットも家族の一員だという考え方に共感もします。
けれど、父親として仕事を放り出さない勇次を
社会人として、人手が足りなくて困っている仕事仲間のことを思いやり、
お父さんとして、自分の仕事を全うした勇次をとてもかっこいいと思いました。

脇役陣もみんなキャラクターぴったりで素敵な方ばかり。
獣医さんを演じられた杉本哲太さんはいかにも杉本さん!という感じの
生真面目であったかく、そしてユーモアあふれるお医者さんで、
重い雰囲気になりがちなこのドラマを明るく引き立ててくれていた気がします。
このドラマが重くなりすぎなかったのは、
杉本さんの暖かい雰囲気があればこそ、じゃないかな。

そして、そしての泉谷さん!
最愛の奥さんが末期癌になり、なおかつ会社からリストラされるという
役柄を朴訥に、ぶっきらぼうに、でも丁寧に演じられていて、
彼の姿を見るたびに「年輪」という言葉をかみ締めました。
言動は荒々しいし、分かりやすい優しさはちっとも見せないけれど
勇次たち家族を見守るその視線の根底にある優しさ、あったかさが
しっかりこちら側に伝わってくる演技でした。
「家族」じゃなくても、人と人とがお互いに思いやりあえれば
あったかい関係が築けるんだな、としみじみ納得できる素敵な役でした。

それにしても子役さんたち。なんで?
なんで最近の子役さんたちはこんなに演技がうまいの?
とひたすら感嘆しながら、そしてそんな彼らの演技に
涙を誘われながらドラマを見続けました。本当にすごい。

最終回。
大切な家族の一員を失った彼らは、悲しみながらもお互いを支えあい
「スカイを忘れたいわけじゃない。」から「これから先も
気を紛らわせようとか考えないようにしようとか」そういう無理はせず、
スカイの想い出を抱きしめて生きていこう、と決意します。
その場面で、またも震災のことを、多くの失われた命のことを思いました。

私たちの時代

2011年02月11日 20時22分26秒 | テレビ鑑賞
■2010年12月 フジテレビにて放送

■内容(番組HPより)
 2007年能登半島を襲った震度6強の地震が石川県門前町を直撃した。
 町が、声をあげて泣いた。その落胆と絶望の町の中を胸を張って
 駆け抜けていく少女たちがいる。
 石川県立門前高校「女子ソフトボール部」の若者たち。悲嘆にくれる町中に
 突然響きわたった女子高校生たちの明るい掛け声。そこには「明日への希望」
 が映し出されていた。3年に及ぶ密着取材が捉えた青春ドキュメンタリー。 

■感想 ☆☆☆☆☆
 年末に録画していたドキュメンタリー番組。あまりに素敵な作品で
 年が明けてからも3回ほど見返しました。「民放」らしくないつくりで
 この作品を年末の特番シーズンに(お昼の時間帯ではありましたが)
 放送したフジテレビさんもすごいな、と思いました。
 
 番組は石川県門前高校の卒業生で、ソフトボール部マネージャをしていた
 女性の大学生活から始まります。2007年からのソフトボール部練習
 風景を思い返す卒業生。彼女たちは、毎年国体に出るほどの強豪校で
 その生活のほとんどをソフトボール部に費やしています。
 ナレーションも彼女で、ゆっくりとかみ締めるような言葉が印象的です。

 過疎が進む門前町でソフトボール部の監督を30年続ける室谷監督。
 彼女は、自分の自宅に遠方の学生を常時、20名ほど下宿させています。
 そんな室谷監督を慕って、コーチをするべく門前高校の図書室に
 司書として就職した道コーチ。彼らが一途に練習に明け暮れる様子を
 丁寧に追いかけるカメラ。
 そんな中、彼女たちは能登半島地震に襲われます。震源地は門前高校の
 すぐ傍の海。呆然と立ち尽くす町の人々。部員たちもみな被災者です。
 それでも練習を続ける彼女たち。コーチは懸命に叫び続けます。
 「声出してー。声は祈りなの!まだやれる、こんなもんか!
  まだやれる!という気持ちを込めなきゃ!」
 自分たちの元気な声が街中に響くように。
 早く「震災地」から「日常の生活」に戻れますように。
 自分たちの元気な声でみんなも元気になりますように。

 年が明け、卒業式。卒業生代表の答辞がとても印象的でした。

 「今、日本中が大きく揺れ動いています。何を信じ、頼りにすればいいのか
  生きる指針が定まりません。心が痛む凶悪な事件が多発し、荒みきった
  人の心が浮き彫りになりました。自然界では人間の力の及ばざる災害が
  相次ぎ、私たちもそのおそるべき力の前に屈し、改めて人間という存在の
  小ささを実感しました。そんな不安ばかりが募る日々、助け合うことの
  大切さを学び、家族や友達とのつながり、絆の強さを再確認しました。
  今こそ本当に大切なものは何か、平和、真実とは何かということと向き合い、
  やるべきことを見つめていかなければならないと思います。

  私達の前途は決して容易なものではありません。時には急な坂道が待ちうけ、
  孤独という文字が襲い掛かってくるかもしれません。
  そんなとき、この門前高校で育んだ規律を守る精神、友情、感謝する心を
  胸に、苦難を乗り越えていく覚悟であります。」

 番組のラスト、クライマックスはインターハイ石川県予選の決勝。
 昨年の新人戦では惜しくも1-0で負けた相手で、今回も0-0の
 緊迫感漂う展開となります。そんな中、ノーアウト満塁で追い込まれる
 相手チームのエース。味方がエラーをしても、常に笑顔でマウンドに
 立ち続ける彼女の姿をカメラは丁寧に追いかけます。その映像から、
 門前高校の生徒たちだけでなく、相手高校の選手にも惜しみない賞賛と
 応援の心を込めている番組スタッフの姿が伝わってきます。

 門前高校の生徒たちも相手チームの生徒たちもみんながみんな懸命に
 必死に祈る場面でさよならヒットを打つ3年生。彼女は1年生に
 レギュラーを取られ、「控え」選手になっていた選手でした。
 その瞬間のみんなのくしゃくしゃの笑顔、涙、笑顔、涙、笑顔。
 番組は、マネージャーのかみ締めるようなナレーションで終わります。
 おそらく、思い返して、またこみ上げてくるものがあったのでしょう。
 その声は涙ぐんでいます。

 「全力で戦ったからこそ流すことの出来る涙がある。
  全力で戦った後に始めて見えてくる情景がある。
  あの時、戦っていたのは、本当は相手チームではなかった。
  みんな懸命に自分と闘っていたような気がする。

  勝ったから嬉しいということではなく。
  負けたから哀しいということではなく。

  今だからわかる、
  先生たちが、私たちに全力で伝えようとしてくれていた事の意味が。」

 そのナレーションにかぶさる監督とコーチの声。
 「言葉は祈りなんだから!」
 「諦めちゃ、だめー!!」
 「まだできる!まだやれる、こんなもんじゃないんだ、と自分に
  言い聞かせてあげなきゃ。」

 言葉に重みがあるってこういうことなんだな、と思いました。

SPEC

2010年12月31日 00時30分48秒 | テレビ鑑賞
■SPEC-警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿-
■のりぞう的2010年度秋クール4位
■金曜22時 TBS放送
■出演
 戸田恵梨香、加瀬亮、竜雷太、神木隆之介、福田沙紀、城田優、
 安田顕、田中哲司、椎名桔平、大森暁美、岡田浩暉
■脚本 西萩弓絵
■演出 堤幸彦、加藤新、今井夏木、金子文紀
■感想 ☆☆☆*
 大好きだったドラマ「ケイゾク」のスピンオフ的作品で同じ世界観
 同じテイストを踏襲していたこの作品。やっぱり大好きでした。
 でも大好きだからこそ、中盤あたりから不安がむくむくと胸の中に
 湧き上がってました。
 ・・・もしかしてもしかすると、ラストの迎え方まで「ケイゾク」を
 踏襲しちゃう?このドラマもあのなんとも言えないもやもやした
 「で?全部解決してるんだっけ?結局、結末はどうなったんだっけ?」
 というような終わり方を迎えちゃうんじゃないでしょうねぇ?
 むしろ、広げすぎた伏線を回収できないまま、「あれはどうなったの?!」
 という疑問を多数ばらまいたまま、終わりを迎えちゃうんじゃ・・・。
 それはちょっとやだなー。

 で。
 見事に予想は当たりました。最終回、ラストの場面を迎えての感想。
 「え?!」
 この一言に尽きます。もーね。あたしの貧弱なノーミソでは
 すべての伏線をドラマのストーリーから回収できませんでした。
 ドラマの行間をまったく読み込めませんでした。
 きっぱりはっきり分かりやすく教えてくれないと、わかんないよー。
 もーね。せめて公式ホームページに解説掲載しちゃってください。
 と嘆願書を出したくなったぐらい、頭の中がはてなマーク一色になりました。

 どうしても釈然としたかった私は(「なるほど!」という気持ちで
 ドラマの終わりを迎えたかったのです。)最終回の翌日に、ついつい
 「SPEC 結末」でグーグル大先生に「教えて!」と泣きつきました。
 でも、依然として分からず。

 とはいえ、ドラマの大筋はなんとなくつかめたし、黒幕はきっぱり
 はっきり分かったし、はっきりとは語られなかった経緯もなんとなく
 「こうなんだろうなぁ。」という推測はできたので、
 もう「これが結末なんだよね!」と納得することにしました。
 無理やり、すっきりさせました。ドラマ自体は大好きだったし。

 どの登場人物もキャラが立ちすぎているぐらい立っていて
 どこもかしこも濃厚すぎる登場人物ばかりでしたが、
 その濃厚なテイストが大好きでした。
 どいつもこいつもぶっきらぼうで一癖も二癖もあって、
 頭良いのに人付き合いがまるでダメだったり
 根性がありすぎるほどありすぎる筋肉バカだったり、
 何も考えてなさそうな昼行灯ふうの上司だったり。
 がっかり感漂う登場人物たちが真実を求めて泥臭く懸命に
 駆け回る姿がなんともかっこいいドラマでした。

 もうね。なんといっても野々村課長演じる竜さん!
 とにかくかっこよかったー!大好きでした。
 いつもはふにゃふにゃの課長で仕事に対するやる気なんて
 微塵も見せないのに、要所要所で見せるシリアスな表情、
 そして力ある言葉に心の底からしびれました。
 ギャップって必要なんだなー、と納得しました。
 特にしびれた科白は「真実に向かってひた走れ」。
 これって確か「ケイゾク」でも使われていた科白で
 その科白を野々村課長の口からまた聞けたのは嬉しかったなー。

 全体的に映像やカット割りがかっこよくてかっこよくて。
 「何かありそう」「何か起きそう」と思わせてくれる映像に
 心臓をどきどきさせられっぱなしでした。
 うん。ラストで思わずちゃぶ台をひっくり返しそうになったものの
 やはりこのドラマのこと好きだったなー。

黄金の豚

2010年12月30日 13時09分26秒 | テレビ鑑賞
■黄金の豚-会計検査庁特別調査課
■のりぞう的2010年度秋クール3位
■水曜22時 日本テレビ放送
■出演
 篠原涼子、大泉洋、岡田将生、桐谷健太、生瀬勝久、宇津井健、
 近藤芳正、もたいまさこ、山口紗弥加、矢沢心、能瀬あんな、
■脚本 吉田智子

■感想 ☆☆☆☆
 篠原さんと大泉さんで水曜22時といえば「ハケンの品格」を
 思い出すのですが、テイストも二人の掛け合いも
 その期待を裏切らない作品でした。
 「ハケンの品格」らしさを踏襲したテンポ良く面白い作品で
 勧善懲悪具合が見終わった後に気分をすっきりさせてくれました。
 週の真ん中に爽快な気持ちで睡眠に入れる作品だったなー。

 テイストはコメディなので、あえて分かりやすくしていた部分も
 あると思うのですが、でもひとつひとつの税金のごまかし方が
 いかにもありそうで、コメディドラマなのになんとなくリアルで。
 でもいくらなんでもここまで露骨なごまかし方はないでしょ?
 ドラマのためにデフォルメしているんだよね?と思っていたのですが。
 最終回が終わった後のテロップに

 「ドラマのために脚色はしていますが、
  基本的な手法、やり口はすべて実際に起こったままです。」

 というようなことが書かれていて愕然としました。
 そっか。今や「そんなそんな!ありえないでしょー!
 あからさま過ぎるでしょー!」なんてことすら「ありえないこと」ではなくて、
 「あってもおかしくないこと」「起こりうる出来事」なんだなー。
 「常識」とか「お日さんが見てる」とかそういう当たり前だったことが
 本当にどんどんどんどん揺らいで来ているのかな、と思いました。

 あ。でもドラマは本当にすっきり気分よし!の終わり方で。
 篠原さんは見事にかっこよいお姉さんでした。
 美しさも出産前以上。素敵過ぎました。
 でもって大泉さん。この方、こういうコメディテイストで
 なおかつ決めるところは決めちゃうよ?という演技がうまいなー。
 でもってこういう役すると、本当にかっこよく見えちゃうなー。
 とほれぼれ見とれていました。大好き。
 更に言うならば、桐谷さん。彼も変幻自在な役者さんで
 いろんな役を見事に面白おかしく、なおかつ時にはかっこよく
 演じてくれるのでこれまたひっじょーに大好きです。