猛暑を忘れられる映画「The Alpinist]を観てきた。
カナダのマーク・アンドレ・ルクレールは、以前観た「フリー・ソロ」のアレックス・オノルドもびっくりの天才クライマー。その彼のドキュメンタリー映画だ。オノルドが主に岩をよじ登るのに対してルクレールは岩、氷、雪のどれへもソロのフリーで登るというのだからあきれるしかない。
彼は少年時代にADSDと診断され学校になじめない。その特性を活かすために母親は自宅での学習を選び、自然の中に連れ出し、彼の素質を活かせるように育てる。そこで彼が夢中になったのがクライミングというわけだ。
命がけのクライミングだが彼には自己顕示欲がなく純粋によじることを楽しむので、撮影スタッフも予定外の行動に振り回されることになる。
岩の隙間に手を入れて素手で登る岩の壁もすごいが、さらにすごいのは途中で靴を替えたり、アックスを素手に変えたりして氷と岩のミックスの壁をよじていく場面だ。写した画像を公開しているのだから落ちないことはわかっているのだがそれでもヒヤヒヤする。
しかし映像を撮っていない終盤、思わぬ結末を迎えることになる。
スリルに満ちたクライミング、美しい氷瀑、雪山の映像を冷房の効いた映画館で観れば凍えること必定