台風の通過後も本州の真ん中に居座る秋雨前線のおかげで山には行きにくい。先週電車に揺られたのが心地よかったので今度はもう少し足を延ばして金沢まで行って見ることにする。
芦屋を0728時発の新快速に乗れば敦賀、福井で乗り換えて金沢には1242時に到着予定だ。京都で通勤、通学客の大半が降りてしまっても車内は座れない人もいるぐらいの混み方。その多くが18切符利用者の雰囲気を醸し出している。敦賀での乗り換えも座席を目指してけっこうなダッシュが必要だった。福井でかなりの人が降りてやっと車内は落ち着く。車中のニュースチェックで早朝の北海道での地震発生を知る。地震、大雨、台風と今年は災害の多い年だ。
金沢は何年か前に白山へ行ったとき以来。あの時もすでに駅周辺はきれいに整備されていたが、新幹線はまだ開業していなかった。開業後の今は外国人観光客も多く平日でも大賑わいだ。
金沢駅はなんといっても正面の門がシンボル。なかなか大胆のものを造ったものだ。地震のニュースを知った直後なので、木組みが壊れないか思わず見上げてしまう。
中には支柱が入っているので大丈夫かな・・・。
駅前のだれたやかん
市内の見どころは兼六園付近に集中しているのでぶらぶらと歩いて行く。
道に転がる物体
まず観たかったのは21世紀美術館。新しいタイプの美術館で建物自体もひとつの作品になっている。
芝生に転がる石
現在の展示はこれ
建物の中庭には小さなプールがあるが、これも作品のひとつ。これは撮影OK
下は空洞になっていて見上げれば上にいる人が見える
上から見るとこうなるのだが、なんだか不思議に感じがする。
現代美術の作品が展示されているが年齢的には1950、60年代生まれの作家のものが多い。略歴を見るとほとんどの人が芸大や美大出身のようなので最初は神妙に石膏のデッサンなどで基礎は学んだのだろう。そのあと、はじけて抽象に走るのだろうか。それぞれに思い入れがあっての作品だと思うが、観る方はつい「なんじゃこれ」とか「わけわからん」などと思ってしまう。しかし案外そう思わせるのが目的のような気もする。
一方では正統派の具象に走る人、なかには写真と見まがうばかりのスーパーリアルな作品に走る人もいるのだから芸術も幅が広い。これも今流行りの多様性ということか。
それにしてもこういういわゆるアーティストと言われる人が作った前衛的な作品と子供が思うままに作ったものとの価値の差は何なのだろう。
外に出ると隣の敷地の店舗の屋上が気になる。これも作品?時期が時期だけに崩れて落ちてこないか気になってしかたない。
美術館の近くにはきれいなレンガ建ての歴史博物館がある。昔の陸軍の兵器庫だったそうだがレンガの建物は温かみがあって落ち着く。
こちらも趣のある建物
兼六園、近江市場などを見て回り、今日は金沢泊。
旅は旅でも飛行機でのそれはあまり好きではないが、揺れに身を任せ、車窓からの眺め、読書、居眠り、弁当などを楽しめる列車での旅はやはりいいなぁ。
そこでこんなことを考えた。電車の座席、揺れを再現し、車窓の風景も映し、列車での旅を居ながらに楽しめる書斎にも寝室にもなるボックス型の部屋を開発し製品化したらどうだろう。鉄道ファン、特に乗り鉄には受けると思うのだが。