夢七雑録

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高尾の梅郷散歩

2019-03-17 11:27:49 | 散歩道あれこれ

裏高尾の旧甲州街道沿いに梅林が点在しているというので、見に行くことにした。高尾駅を北口に出ると、運よく小仏行のバスが来ていたので、さっそく乗車。旧甲州街道に入ると道は狭くなるが、それでもバスは快調にとばし、そして前触れもなく停車した。何事が起きたのか分からぬまま時間が過ぎ、そしてようやく分かったのは、道が狭いため駅へ戻るバスとすれ違えるのはこの場所しかなく、待ち合わせているということだった。車は次から次へと来るのだが、バスはなかなか姿を現さない。ここで長時間待っているくらいなら、下りて歩こうかと腰を浮かした途端、それを察知したかのようにバスが姿を現し、するりと横を通り抜ける。そして、やおら、小仏行きのバスが動き始めた。

思わぬ時間を消費してしまったため、あまりのんびりとはして居られない。摺指で下車する人が居たのを幸い、こちらも摺指で下車。行く手を暫し眺めたあと、先に行くのは諦めて、引き返すことにする。

湯の花梅林の横を歩く。逆光で見る限りでは、花はまだ見ごろのように見える。蛇滝への道を右に分けて進むと、高尾梅の郷まちの広場に出る。梅まつりの時はここも賑わっていたのだろうが、現在は閑散としている。ただ、梅林をゆっくり見て回るには今の方が良い。

広場から、空高く架かっている圏央道を見上げる。ここまで高ければ圧迫感は無く、騒音も気にはならない。圏央道が高尾山の貴重な自然にどのような影響を与えているかは、今後も継続して見ていく必要はあるのだろうが、今となっては。

先に進むにつれ旧甲州街道は小仏川に近づいていく。梅郷橋を渡ると、その先で天神梅林の看板を見つけた。急坂を上がれば天満宮の祠があるようなのだが、手持ちの時間は多くない。見えぬ祠と梅林を仰いでから橋まで戻り、三筋の滝を眺めたあと、街道散歩を再開する。

緩やかな坂を上がって小仏関所跡に行く。もとは小仏峠に関所があったというが、江戸時代になって駒木野宿に関所が設けられる。その跡地に梅が植えられ、今は関所梅林と呼ばれるようになった。小休止したあと、関所跡の少し先を右に入って小仏川に出る。

小仏川の土手の道のような遊歩道を歩く。振り返ると、傾き始めた日の光を受け止めて輝いている梅の並木が見える。こちらを見送ってくれているような、そんな気がした。遊歩道梅林の道は程なく尽き、現在の甲州街道に出る。裏高尾には、本日見て回った他にも梅林があるようだが、それは次の機会に回し、本日の梅郷散歩はこれにて終了とする。お疲れさま。

上椚田橋から小仏川の上流をしばらく眺め、それから高尾山口駅に向かう。山から下りて来たらしいグループが前を歩いている。そう言えば、近頃は山に登っていない。せめて高尾山ぐらいは、また登りたい。そう思いながら、到着したばかりの特急電車に乗り込む。

 


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