夢七雑録

散歩、旅、紀行文、歴史 雑文 その他

浅草名所七福神

2010-01-20 22:36:30 | 七福神めぐり

 浅草名所七福神は9社寺を巡るもので、寿老人と福禄寿が二か所ある、変則的な七福神巡りである。そのコース、浅草寺(大黒天)―浅草神社(恵比寿)―待乳山聖天(毘沙門天)―今戸神社(福禄寿)―不動院(布袋尊)―石浜神社(寿老人)―吉原神社(弁財天)―鷲神社(寿老人)―矢先稲荷神社(福禄寿)を、江戸の絵図で紙上散策を試みる。


(1)浅草寺(台東区浅草2-3)

 風雷神門(雷門)から浅草寺の支院の並ぶ道(現在の仲見世通り)を行く。人通りも多いが、茶店なども多い道である。しばらく行くと左手に伝法院の表門がある。正面は仁王門(現在は宝蔵門)、右手(現在は左手)には五重塔が聳えている。仁王門をくぐれば、まもなく本堂に出る(現在、本堂は改装工事中)。

(2)浅草神社(台東区浅草2-3)
 浅草寺の参拝を終えたら、東側にある三社権現(浅草神社)を参拝する。

(3)待乳山聖天(台東区浅草7-4)
 随身門(二天門)を出て山之宿町(花川戸2)で左に折れ、奥州街道を進んで聖天町(浅草7)に出る。ここで待乳山聖天を参拝する。

(4)今戸神社(台東区今戸1-3)

 聖天町で奥州街道と分かれ、山谷堀(現在は埋め立てられ緑道となる)を今戸橋(現在無し)で渡ると今戸町(今戸1)に出る。その先、左手に八幡神社(今戸神社)がある。

(5)不動院(台東区橋場2-14)
 瓦などを焼く窯が並ぶ今戸町を過ぎると橋場町となる。総泉寺(梅若所縁の寺。現在は板橋に移る)へ入る大門道を左手に見て北に向かうと、その先に砂尾の不動院がある。

(6)石浜神社(荒川区南千住3-38)
 橋場の渡し場を過ぎて、思川を渡ると真崎稲荷(石浜神社内に祀られている)があり、その先に石浜神明宮(石浜神社)がある。

(7)吉原神社(台東区千束3-20)
 石浜神社から戻り、大門道に入って総泉寺を抜け、田畑の中を進むと山谷町に出る。奥州街道を越え元吉町を過ぎると日本堤である。吉原大門から入れば新吉原で、遊郭内には稲荷社もあるが、今回は中には入らない(吉原神社は遊郭内の稲荷四社と地主神となる稲荷の五社を明治になって合祀した神社で、後に吉原弁財天も合祀している。現在は、大門から旧吉原内に入って吉原神社に行くことが出来る)。

(8)鷲神社(台東区千束3-18)
 吉原の大門の所から日本堤を右に行き、遊郭の北側を回る道をたどると、竜泉寺町に出る。大音寺の前を左に折れると、鷲神社がある(現在は、吉原神社の先を右に入る)。

(9)矢先稲荷神社(台東区松が谷2-14)
 鷲神社から南に行き、立花家の屋敷を右折し、その門前から南に行くと堀割(新堀川。現在は埋め立てられて、かっぱ橋道具街通りとなる)がある。昔、この堀割の西側に三十三間堂があり、その矢の先に稲荷社があったという(三十三間堂は焼失したため富岡八幡の近くに移転したが、稲荷社は元の土地に再建され、現在の矢先稲荷神社となる)。

(注)今回の連載にあたっては、次の資料を参考としました。「全国七福神めぐり」、「復元江戸情報地図」、「天保御江戸大絵図」ほか絵図、「江戸名所図会」、広重「名所江戸百景」、「東京名所図会」、台東区ほかの「史跡散歩」、各種ホームページ、その他。


コメント    この記事についてブログを書く
« 千寿七福神 | トップ | お知らせ »

七福神めぐり」カテゴリの最新記事