秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

石を買う話。

2010年12月15日 09時40分53秒 | ハマチャンネル
昨日、店で「鑑定団」を見ていたんですけどね。カウンターで飲んでたJちゃんとT社長に
相方が「お二人の家には何か鑑定して貰うようなお宝ってあります?」って訊ねたら・・。

T社長「ん~、お宝かぁ。そういえば桐箱に入った岩みたいなのがあったなぁ。」

え、ただの岩?と、皆が聞いたら、「いや、なんか知らんけど、隕石みたいなモンやと聞い
ているけどなぁ」とおっしゃる。

ソレを聞いたJちゃんが、「あ、そういえばお爺ちゃんの家にも桐箱入りの石があったわ」

「それがな、お爺ちゃんは月の石やて言うてたわ。」

ちょっと待ってよ、そのころはまだアポロも月に行ってまへんで!

そんなウソ八百ならべて石を売ってたヤカラが暗躍した時代があって、またそんな石を収集
するブームがあったのでしょうか?もしかしたら古いお家にはそんな怪しげな石が一つくら
いは残されているのかも知れませんナ。

宇宙の石はともかく、石の収集家は昔からいたようで、山紫水明で有名な頼山陽も自宅の庭
に数多くの石を並べて悦にいってたそうです。

また、それより昔には石の収集家で有名な公家が、「何日に石を買うぞ~」という噂を流し
たところ、街中から大勢の人々が買い上げてもらおうと石を持ちこんだそうです。

ところが、今日は日がヨロシクないでおじゃる、なんて言って買い上げ拒否。人々はガッカリ
して「あ~、重たいめぇしてあほくさ、こんなもん持って帰るのも業腹じゃ」と言ってその
屋敷の前に捨てて帰ったそうです。

皆が帰ってしまったあと、その屋敷の主は門前に捨てられた石の中から値打ちのありそうな
石だけ選んでコレクションのなかに加えたとか。

怪しげな石を売って儲ける連中もいれば、その上をいくツワモノもいるから世の中面白いですナ。

同じ石でもこんなふうに石灯篭として人々の役にたってたのもあります。闇の深かった昔は
辻に灯されたほのかな明かりでも心強い「ともし火」だったのでしょうね。

この「愛宕の石灯籠」は街中でときおり見かけますけど、実際に火が灯されているのは
珍しいことです。(私は初めて見ました、昨夕。)