秀明記(syuumeiki)

着物デザイナーが日々感じたこと、
全国旅(催事)で出会った人たちとのエピソードなど・・・
つれずれなるままに。

花折峠の怪

2009年08月17日 09時18分38秒 | 秀明百話
お盆休暇も昨日で終わっちゃいましたね~。私は13日の定休日以外は平常通りの
生活でしたけど・・・・。

相方の従兄弟さんも墓参りをかねて帰郷され、うちのお店にも顔を出してくれまし
た。食後に九州まで帰るということでしたが、大変ですなぁ。

その従兄弟さんが話してくれた「お盆向け」の話。

まだ独身時代の頃、盆休暇を利用して男友達3人で小浜へ海水浴へ出かけたんです
が、停滞を避けるため真夜中過ぎに小浜を出発したそうです。

朽木街道をひた走り、花折峠のトンネルを越えると京都まではあと少し。

その先はつづれ折れのカーブがあるため、スピードをダウンしなくてはいけません。

その時、運転していた彼は右側ガードレールの際に立つ異様なモノを目の端でとら
えたそうです。

それはワンピースを着たオカッパ頭の少女・・・・。

一瞬だったので表情までは確認できなかったそうですが。

何でこんな時間に山中でたった一人で?同乗の友人たちに「今の、見た?」と聞いた
けど後の二人は気がつかなかったようです。

「錯覚か・・。そうだよなぁ」、と気を取り直して無事に峠を下りきると、後は
※途中の料金所を通過すれば左京区の大原です。

料金所で一旦停止して小銭を取り出そうとしているとき、後続車のヘッドライト
に気がついたのですが、どうやら後ろの車はタクシーのようです。

何気なく後ろを振り返った友人が「アレ、おかしいな」と誰に言うともなく呟き
ました。

「タクシーの助手席に客が乗ってるのって変やね、一人っきりやのに・・・。」

従兄弟さんはピンときたけど、ルームミラーで確認する勇気はありません。

「どんな客?・・・・」、と振り向いたままの友人に尋ねると・・。

「オカッパの若い女・・。服の色は薄い水色・・・・。」

「あかん、ついてきょった!」

その後、どうやって家まで戻ったのか記憶にないくらい恐ろしい思いをしたとか。

「百話」は自身が経験したか、身近な人が直接体験した話だけとりあげています。
人づてに聞いた話なら、あっという間に完結するんですけどね・・・・。

※「途中料金所」は現在真夜中は無料で通行できます。