優しさの連鎖

いじめの連鎖、って嫌な言葉ですよね。
だから私は、優しさの連鎖。

芝浜

2017-03-04 20:52:36 | 日記
先日あるイベントで講演会があり、それとタイアップして落語が聞けるというので行ってみた。

お題は「芝浜」。
有名な人情噺なので、ほんの少しではあるが内容は知っていた。
でも、なんだか私の知っている話とどことなく違うような気がした。
どこが違うかというとよくわからないのだが、すばらしい夫婦愛が描かれていた。

大酒飲みで怠け者だった亭主がある日大金の入った財布を拾ってくるのだが、女房がそれは夢だと嘘をつき亭主を更生させるという話だ。
私の頭の中では亭主を上手く騙して、あれだけ好きだった酒も断ってまじめに働くように改心させた賢い女房(ちょっぴり狡賢い)というイメージだったのだが、今回の落語では女房は心から自分が嘘をついたことを詫びて、亭主を愛すればこそ、これぞ夫婦愛といった内容で語られていた。
あまりに麗しくて、世の中の夫婦が皆こんな風にお互いを思いやって暮らしていけたら世の中も平和だろうになどと思ったりした。

後から知ったのだが、女房の描き方によって聞き手が、偉ぶってるとか鼻持ちならんとか思ってしまうこともあり、噺家さんによってその辺の描写が異なるようだ。なるほど、私がどこか違うと思ったのはそういうことだったのか。

私が驚いたのは、亭主が誰もいない夜明けの浜辺で煙管を吹かすという場面があるのだが、噺家さんの所作で本当に扇子から煙管の煙が立ったように見えたことだ。これぞプロのなせる技。

コメントを投稿