彼がまだ大学生の頃からだったから、もう10年以上になる。
あるサイトを通じてメールをくれるようになったのは彼の心が荒んで周囲の人と打ち解けず、恩師や両親を恨んでいたころだった。
カウンセラーでもないのに私にその都度メールをくれた。多いときは日に何度も。
もちろん本当のカウンセリングを受けたりしたこともあったそうだが、私に聞いてもらう方がいいから止めたと言っていた。
自分の居場所がない。孤独だ。寂しい。
そう彼は言い続けた。
あれから10年にもなるんだなぁ。と驚いている。
今の彼は専門の知識を生かした職場で仲間からも一目置かれている。
彼の深い知識が必要とされ喜ばれているようだ。
メールの数は少なくなったが今でも時々近況報告をしてくれる。
職場の仲間に恵まれている。
営利追及の仕事ではないので残業もない。
子供からお年寄りまで喜んでもらえる。
居場所ができたね。
私は喜んだ。
けれども彼は今でも
「寂しい」
「孤独だ」
という言葉を繰り返す。
彼には本当の「寂しさ」や「孤独」はまだわからない。
昨日仕事で訪れた高齢の男性。
その人は1年前に妻が亡くなりしばらく一人で頑張ってみたが、寂しくてたまらずケアハウスに入居したそうだ。
ホールに出れば他の入居者と話はできる。困ったことがあれば職員に相談できる。
でも寂しさは募るばかりだと言っていた。
そして、一人になってこんなに寂しいものなら長生きなんてするもんじゃないな…と言っていたので私ははっとした。
私が仕事の決められた1時間で話し相手をしてあげたところでその寂しさは無くなるものではないのだが、その人は帰り際何度もありがとうと言ってくれた。
人間は孤独な生き物だ。
寂しさを纏って、それでも生きる。
あるサイトを通じてメールをくれるようになったのは彼の心が荒んで周囲の人と打ち解けず、恩師や両親を恨んでいたころだった。
カウンセラーでもないのに私にその都度メールをくれた。多いときは日に何度も。
もちろん本当のカウンセリングを受けたりしたこともあったそうだが、私に聞いてもらう方がいいから止めたと言っていた。
自分の居場所がない。孤独だ。寂しい。
そう彼は言い続けた。
あれから10年にもなるんだなぁ。と驚いている。
今の彼は専門の知識を生かした職場で仲間からも一目置かれている。
彼の深い知識が必要とされ喜ばれているようだ。
メールの数は少なくなったが今でも時々近況報告をしてくれる。
職場の仲間に恵まれている。
営利追及の仕事ではないので残業もない。
子供からお年寄りまで喜んでもらえる。
居場所ができたね。
私は喜んだ。
けれども彼は今でも
「寂しい」
「孤独だ」
という言葉を繰り返す。
彼には本当の「寂しさ」や「孤独」はまだわからない。
昨日仕事で訪れた高齢の男性。
その人は1年前に妻が亡くなりしばらく一人で頑張ってみたが、寂しくてたまらずケアハウスに入居したそうだ。
ホールに出れば他の入居者と話はできる。困ったことがあれば職員に相談できる。
でも寂しさは募るばかりだと言っていた。
そして、一人になってこんなに寂しいものなら長生きなんてするもんじゃないな…と言っていたので私ははっとした。
私が仕事の決められた1時間で話し相手をしてあげたところでその寂しさは無くなるものではないのだが、その人は帰り際何度もありがとうと言ってくれた。
人間は孤独な生き物だ。
寂しさを纏って、それでも生きる。