つまり、なんとなく

観光ボランティアガイドをしている友人が、若いガイドを養成する研修に出て憤慨していた。
今の若い人ってば、すぐにスマホを見るんだよ、と彼女は言った。
私たちの時は話す内容を吟味し何度も繰り返し自分の頭の中に叩き込み、どんな質問が来ても答えられるよう事前にチェックして臨んだものだ、と。
その若い女の子はガイドしながら途中で「えー…っとですね、ちょっと待ってください」と言いながらスマホを操作して「あっ、やっぱりそれはこうでした」と当たり前の顔をして続けるので、おばさんガイドたちがざわついたというのだ。
ふむ、確かにベテランガイドからしたら、何でもスマホというやり方はどうなのかという気持ちなのだろう。でも昔だって話す内容すべて覚えられるわけないんだから当然メモに書いたデータを読み上げることだってあったはずだ。
私が
「手書きのメモだったら良くて、スマホのデータ見るのはだめなの？」
と言うと彼女は
「うん…そう…、何だろう…。つまり、なんとなく嫌なの」
と苦笑いしていた。

髪切った？

近所にカット専門の美容院が出来たので行ってみた。
カットが１５００円。プラス５００円でオートシャンプーがあると言われた。
オートシャンプーって何だろうと思い、頼むことにした。
よくある１０分でカットするお店とは違って結構時間をかけてカットしてくれて珍しく気に入った髪型になった。
そしてそのオートシャンプーだが、簡単に言うとあれだ、車の洗車機みたいなやつだった。

夜、夫が帰宅して私を見るなり
「カニ食った？」
と言うので
「昨日食べたじゃん」
と答えた。すると夫が
「えっ？」
と言うので、てっきり私は、夫が大事にカニの缶詰の残りを取っておいたやつを勝手に食べたと思われてるのだと思ったので
「昨日カニチャーハンにして食べさせたでしょ！」
と言った。
そしたら夫が
「…。俺、『髪切った？』って言ったんですけど」

ああ！
夫の口から「髪切った？」などという言葉が出るなんてこと今まであったか？
「かみきった？」「かにくった？」
これ聞き違えるか？

歩行者優先

横断歩行者妨害摘発が過去最多になったとのこと。
今日車で走行中、横断歩道を通過してから「あっ」と思ったことがあった。前の車に引き続き何の気無しに横断歩道を通過してしまってから、歩行者がいることに気付いたのだ。通過してから「これって駄目なんじゃないの」とバックミラーで後ろを見たら、私の後続の車はちゃんと止まって歩行者が横断し始めていた。これは摘発対象になったかも。
しばらく行ってから、今度は作業服を着たおじさんが二人、横断歩道の所に居た。でもこの時は近くで道路工事があって何かの作業中なんだと思ったのでそのまま通過した。するとまた私の後ろの車が止まって、そのおじさんたちが横断歩道を渡り始めたではないか。
なんということか、私ってば歩行者にやさしくない運転なのか！
そう思って気を付けて、今度こそはと直線道路でかなり遠くからおばさん二人が立っているのが見えたのでスピードを緩めながら横断歩道の手前で止まった。するとそのおばさん二人、立ち話に夢中になって一向に渡ろうとしないではないか。もちろん私の車が止まったのにも気付かない…

私もショッピングモールの広い駐車場で車から降りて、どっちの店に行こうか思案していたら目の前で車が止まった。見ると私がいたのは横断歩道の前だった。止まってくれた車に悪いと思って急いで横断歩道を渡ってとりあえずそこにあった店に入ったのだが、なんだか恐縮して小走りになった。もしそれで足がもつれて転んだりなんかしたら止まってくれた車の人にも悪いし、なんだか複雑な気持ちになったのは変かな。
ちなみに摘発されると反則金９千円、違反点数２点とのこと。

人生の先輩

先月、賢治の会の仲間が月に一度の例会を欠席した。いつも欠席の連絡を入れる人なのでどうしたのかなとは思った。
会の人が、家の前を通っても車が動いた気配がなく電話してもつながらないと言っていたが私は、孫の結婚式に行くと言ってたからそれを兼ねて旅行でもしてるんじゃないのかと思っていた。
１０日ほどしたらその彼女から「ご心配をおかけしました」と電話があった。
確かに新潟で行われた孫娘の結婚式には行ってきたとのこと。でもその前後に大変なことがあって連絡とるどころではなかったようだ。

まずは結婚式の前には娘が急に婦人科の手術をすることになって、それが１週間前。そして愛猫が亡くなったのが２日前。でも娘さんも無事手術を終え、愛猫とのお別れも済ませ、結婚式には家族そろって出席出来やれやれ…といったところで気のゆるみが出たのか、その２日後高い所の物を取ろうと椅子に上がってバランスを崩し腰椎を圧迫骨折したのだそうだ。近所の病院であまりの痛さに失神して救急車で総合病院へ搬送。高齢なこともあってどんな処置をするかで色々検査し、２週間後に骨セメント注入術が施されその後２週間のリハビリを受け退院してやっと会の皆さんに電話したとのことだった。
骨折にもびっくりしたけれどそれより私がびっくりしたのは、手術して２週間で日常生活ができるまで８０代の彼女が回復したことだ。動かないと動けなくなると言って、今日も彼女は近所の小学校で行われる読み聞かせのボランティアに行ってきたところだと話していた。

お店の対応

増税前セールというのに乗せられたわけではないが、ちょうどオーブンレンジを買い替える時期に来ていたので９月末に購入した。そのセールで結構売れたとみえて在庫は無かったので、製品が届くまで２週間かかった。
１０月中旬にお店から電話があり持ち帰って箱を開けて出して見たら、ドアの部分がなんだか歪んでいるように見えた。注意して見てみると左右不対象なのがわかる。触れてみると微妙に歪がある。２ミリ弱のずれがあるのだ。そこを見ないようにすれば特段問題は無いのだが、どうしてもそこに目が行ってしまって気になる。夫も「これは見てもらった方がいい」と翌日用事があって行けない私に変わって、それをまた箱に入れて店に持って行った。
私はもしかしたら、使用するのに何ら不都合ありませんよなんてことを言われておまけのラップかなんかを持たされて帰ってくるのかなと思っていたのだが、店長さんが見てくれて「これはクレーム対象になりますから交換させていただきます」と言ってくれたそうだ。しかも「新しい製品が届くまで二週間ほどかかりますから、ご足労をおかけしますがそれまでこの製品をお使いになっていてください」と言われたそうだ。
私は自分がめんどくさいクレーマーと思われるかなと心配していたので、その話を聞いてほっとした。
そして１０月の下旬、やっとのことでオーブンレンジが我が家に届いた。