仕事に慣れるということは、効率よく進められる、自信を持って判断できる、心に余裕ができるなど、もちろんいいことではあるのだが、慣れることには気をつけなければならない。
長年やってきた介護の仕事、福祉の意味合いが強いのは当然だが、仕事がマニュアル化されるにつれ福祉の部分が置き去りにされていくような気がするのだ。
自宅で最期を迎えたいという末期がんの男性。
薬で抑えられているので痛みはそんなに無いとのことだが、身体が底なし沼に引きずられていくようなだるさはおそらく経験した人で無いとわからないであろう。
往診、訪問看護、そして朝昼晩と入るヘルパーでケアプランが組まれ、遠方の娘さんや息子さんが時々訪れ、兄弟達も代わる代わる来てくれているようだ。理想的な介護プランではあるし、一人暮らし世帯は増えているのでこのようなケースはこれからも増えていくと思う。
ヘルパーの仕事はケアプランで決められた内容を決められた時間でこなさなければならない。
食事を用意し、服薬させ、清拭し着替え…、と義務的に行うだけ。
具合が悪いのでいつまでも食べようとしない。
昔、介護保険なんてものが無かったころは、ゆっくりその人のペースに合わせて、たまに世間話なんかしながらその人に寄り添う介護が出来てたのにな、と思う。
自分の身体が徐々に衰えていく不安、一日生きれば一日死に近付く不安、残された時間をどう過ごしたいのか、私にはうかがい知ることもできず、ただ一時間内で仕事が終了できることを考えていた。
長年やってきた介護の仕事、福祉の意味合いが強いのは当然だが、仕事がマニュアル化されるにつれ福祉の部分が置き去りにされていくような気がするのだ。
自宅で最期を迎えたいという末期がんの男性。
薬で抑えられているので痛みはそんなに無いとのことだが、身体が底なし沼に引きずられていくようなだるさはおそらく経験した人で無いとわからないであろう。
往診、訪問看護、そして朝昼晩と入るヘルパーでケアプランが組まれ、遠方の娘さんや息子さんが時々訪れ、兄弟達も代わる代わる来てくれているようだ。理想的な介護プランではあるし、一人暮らし世帯は増えているのでこのようなケースはこれからも増えていくと思う。
ヘルパーの仕事はケアプランで決められた内容を決められた時間でこなさなければならない。
食事を用意し、服薬させ、清拭し着替え…、と義務的に行うだけ。
具合が悪いのでいつまでも食べようとしない。
昔、介護保険なんてものが無かったころは、ゆっくりその人のペースに合わせて、たまに世間話なんかしながらその人に寄り添う介護が出来てたのにな、と思う。
自分の身体が徐々に衰えていく不安、一日生きれば一日死に近付く不安、残された時間をどう過ごしたいのか、私にはうかがい知ることもできず、ただ一時間内で仕事が終了できることを考えていた。