優しさの連鎖

いじめの連鎖、って嫌な言葉ですよね。
だから私は、優しさの連鎖。

Dさんのこと

2017-12-28 18:26:50 | 日記
介護の仕事を始めて間もないころ担当したDさんが94歳で亡くなった。そのころ私はまだ30代で、Dさんは70代後半だった。
割烹着の似合う日本のお母さんといった風な方で、病気をしてから思うように家事が出来なくなったのでヘルパーを頼むようになったのだった。
あの頃はまだ介護保険制度も無くて、要望があれば市役所を通してヘルパーが週二回、二時間程度派遣されていたので今の訪問介護とは違いゆったりと話し相手をする時間もあった。途中で担当を代わったこともあったけれどDさんとは通算15年のお付き合いだった.

Dさんの通院介助をしていた時のこと、薬局に行って待合室に戻ってきたら、誰かと話をしていた。知り合いの人なのかと思って会釈するとその人が私のそばに来て「ヘルパーさんですか?あの方は福の顔をしてらっしゃる。きっといい人生を送ってこられた方に違いない。あなたもそれに関わってくれたのでしょう」」と言った。そして私に「ありがとう」と言って去って行った。
すぐに私はDさんに「今の人誰?知り合いなの?」と聞くと、全く知らない人だとのことで「病院へ一人で来られたんですかと声を掛けられたから、市内に娘はいるけれど忙しくて来られないから、専らヘルパーさんのお世話になって暮らしている」と話したのだとのこと。
「えーっ!?知らない人なの?親しげに話してたからてっきり知り合いだと思いましたよ」と私は驚いた。
なんとなく不思議な出来事だったが、確かにDさんが、不平不満や愚痴、他人の悪口など言ってるのを聞いたことが無かった。Dさんはいつも「自分は学も無く無教養だ」と言っていたが、とんでもない。博学で、地域の歴史や伝統料理、ボランティアでやってきた活動のことなど、Dさんから学んだことは数知れない。


数年前、いつもと同じように朝訪問すると、Dさんは二度目の圧迫骨折のため動けなくなっていた。娘さんに連絡し救急車を呼んで最後に見送ったのも私だった。入院になればもうヘルパーは関与できないので、救急車が来るまでのわずかな時間でお別れの挨拶をし、またよろしくと言うDさんに、また会えますからと気休めの言葉を掛けた。

お見舞いに行きたいとずっと思っていたが、お見舞い等はもちろん禁止されているし、Dさんが病院からショートへ、それから施設へと移った話は風の便りに聞いていたが、介護保険制度が改定されながら何年も過ぎ、結局あれが最後のお別れになってしまった。


粗品の恨み

2017-12-19 09:48:54 | 日記
そもそも夫は子供の頃から「おまけ」が好きだった。
それから瓶のふただとか輪ゴムのようなものも捨てずに取っておくようなタイプで、それは今でも夫の机の上を見ると窺い知ることができる。当然ポイントやクーポンも好きだ。
金融機関を利用するときもどうせ金利はさほど変わらないのだし気に入った「おまけ」の付く方に決めるのは当然のことだ。

というわけで夫はある金融機関でくれる粗品が気に入っているらしく、もっぱらそこを利用している。その粗品というのは、私に言わせれば変な色のタオルで、私だったら絶対に選ばないだろうなと思う色だ。夫はそのタオルを気に入っていて、確かにあんな変な色のタオルを買おうと思ってもなかなか探すことはできないだろうから、そろそろ古くなってきたなと思う頃、粗品でもらえるのはありがたい。
そうやって、もう何年もそこを利用しているのだが先日帰宅した時、タオルを貰えなかったとプリプリしていた。
夫の話を聞くと外交の人が変わって若い人が担当になったそうだ。粗品の袋に入っていたのはティッシュやラップ。
夫が、「俺はティッシュやラップはいらないからタオルくれっていつも言ってるんだけどな」と言うと「今品切れしてますんで」と言われたそうだ。
家へ帰って来て夫がしみじみ言うには
「今まで担当が変わっても俺の所には必ずタオルを持ってきてくれていた。この顧客にはティッシュやラップ持って行っても喜ばれないからと、おそらくそのように引き継がれて来たんだと思う。そしてその時の外交員たちは皆出世している」
ということだった。

それ以外にも一口契約すれば貰えるはずの「おまけ」を妻の名前でもう一口入れてあげたのに、一個しか「おまけ」をくれなかったということにも憤慨していた。
「おまけ」好きな夫にしてみればそれは重大な事のようだ。
(私に言わせれば、趣味に合わないコップを二個も貰ったって何にもうれしくないんだけどね)

kさんのこと

2017-12-18 22:22:49 | 日記
三年前に奥さんに先立たれた90代の男性。
物知りで話好きなのでいろんなことを教えてくれるし、温厚で誰からも好かれるタイプ。
ところが、あんなにしっかりした人だったのに最近認知症の症状が出てきた。同じ市内に住む娘さんが時々様子を見に来てくれるのだが、物が無くなるとその娘さんが盗って行ったと言うのだ。もちろん自分のしまい忘れなのだが、そのうち娘さんを悪く言うようになってきた。
何かにつけて思い出すのは奥さんのことで、寂しいさびしいと繰り返す。こんなに寂しいものなら長生きなんてするもんじゃないな…とつぶやく。この頃は笑顔も少なくなってきているので、せめて楽しい話をと思い、若いころの趣味だったというスキーやスケートの話を聞くのだが、それにつけても一緒に行った奥さんのことを思い出してまた寂しさを募らせてしまうのだった。

不倫騒動の陰で

2017-12-16 22:33:48 | 日記
今年は政治家や芸能人の不倫騒動が多かったような気がしますが、先日友人が、妹夫婦が離婚するかもしれないと騒いでおりました。
友人の妹夫婦は50代半ばで、原因は夫の不倫というから芸能人に限ったことではありません。
相手の女性に怒りをぶちまけないと腹の虫がおさまらないから会いに行くと息巻いている妹を何とか止めるように説得していると言っておりました。
友人はつい先日、検診で引っかかって精密検査した時、肺に癌が見つかったらしいのです。取り除くのは十分可能なのであまり深刻にはなっていませんでしたが、まず自分の身体を第一に考えないといけないです。若くは無いのだから…。

昔の方が良かった物

2017-12-14 09:24:55 | 日記
ボイラーを交換したのは去年の7月。一年半も前になるので今更言ってもしょうがないのだが、失敗した。
以前使用していたのが優秀で二十年も頑張ってくれたので同じタイプの物を購入した。当然昔の物に比べたら改良もされているだろうし(確かに小型になっていて場所を取らなくなった)安心していた。
ところが、いざ使用してみてびっくり。湯温が低いので設定温度を60度にしないといけない。シャワーを使うときは70度だ。これはもしかしたらパネルの表示の問題もあるかと気にしないようにしているが、普段お湯を使うときも湯温が一定せず、それどころか水になる。これって十分クレーム対象だったよね。