優しさの連鎖

いじめの連鎖、って嫌な言葉ですよね。
だから私は、優しさの連鎖。

同一人物

2016-09-29 08:23:04 | 日記
昨日、文学資料館の十周年記念の講座をやっていたので行ってきた。
取り上げられているテーマがちょうど関心のある作家についてだったので聞きたいとは思っていた。でも行けるかどうかわからなかったので申し込みをしていなかったのだが、運よく都合がついたので当日の朝電話してみた。定員になってはいますが後ろに椅子は準備できますのでどうぞいらしてくださいとのこと。

講師の先生は秀〇先生という大学の先生で、私は存じ上げなかったのだが、文学講座を受講している人達(中高年のおばさんですが)の間ではちょっとカリスマ的な尊敬の的となっている人だ。
今回初めてその先生のお話を聞いたのだがなかなか面白くて、父が生きていたらこの話もひけらかして自慢できたのにな、などと思ってしまった。

そして夜、夫になんとなく話をしていた。夫は文学だの芸術だの全く興味ない人なので中身の話ではなく「あそこの資料館は駐車場が狭いから車止めるの大変だった」とかそんなことだけど、話しながらふと思った。夫がたまに「秀〇が…」とか話しているけれどそういえば同じ名前だよね。先日も同級会に行ったとき「相変わらず秀〇は…」というようなこと言ってた。まさかとは思ったが「その人って今何してる人なの?」と聞いてみた。そうしたら「どっかの大学の先生だ」というではないか。「えっ?もしかして国文学とか?」と言うと「お前に何回も教えたことあったろ」と先日の同級会の時の写真を持ってきて「ほれ、これが秀〇だ」と見せてくれたのはまさしくあの中高年おばさんたちのカリスマ秀〇先生ではないか。

えーっ?そうだったのー?
だって夫はいつも秀〇!と呼び捨てにしているし、全く結びつかなかったよ。

「秀〇は話をしながらの動きがおもしろいだろ」
と夫が動作をまねして見せてくれたが、秀〇先生はそんな変な人じゃありません!

安心

2016-09-26 07:40:57 | 日記
日曜日に夫と次男の三人でグループホームに入所した姑の様子を見に行ってきた。
入所してちょうど一週間になるが、もしかしたらまだ慣れていなくて、家に帰してくれとパニックになっていたらどうしようと面会するまで不安もあった。
しかし姑は認知の程度がかなり進んでいたこともあり環境が変わったこと自体あまりわかってないようで、しかも四六時中介護職員がいて優しく見守ってくれていることで安心でき、意外に落ち着いていた。
でも、夫(息子)の名前も次男(孫)の名前もすっかり忘れて、顔を見ても自分の息子と孫が誰がどれなのかわからなくなっていた。(なぜか私のことは「〇子さん」とすぐわかっていたが)

そして不思議なことに私はここ何年かのうちでは抱いたことのない、姑に対する心の底からの優しい感情が湧き上がってきたことに驚いた。よかった。姑のことが大嫌いになる前に入所させることができて。
家にいたときは15分おきに「寝せてくれ」「トイレに連れて行ってくれ」「痛い」「寒い」「かゆい」と呼びつけられていたのに、面会していた間そういうこともなかった。

帰り際姑を見ると、職員さんを信頼しきったとびきりのいい笑顔で話しかけていたので、私の中にあった罪悪感も薄れたような気がした。
帰りの車の中で次男が、介護職の給料が安いことなどに触れ、もっと上げてやりたいよねと話していた。

ビビりも卒業していた

2016-09-25 08:42:30 | 日記
ここのところ一か月以上も車が駐車していない、郵便受けが塞がれていることなどからアパートの上の階の住人が引っ越したらしいと次男が言っていた。確認したわけではないのでもしかしたら長期の休暇で不在なだけかもしれないのだが、居ないと思われる夜に上から足音が聞こえると言う。
次男はびびりである。正確には子供の頃びびりであった。なので、その話おもしろいじゃんと茶化すと
「あ~俺はもう、ちゃんと克服できたからぜ~んぜん平気だけどね」
とのこと。
次男は学校に勤務しているので夜中のだれもいない学校で、一番端にある教室の電気の消し忘れをチェックしに行く事も珍しくなく、しかもその学校は創立100年以上の伝統校で木造の校舎が一部残されており、周りは林ときている。

冗談めかして私が
「……出るよね」
と言うと次男が
「出る出る。ゴキブリや蜘蛛やげじげじや」
「ん~、他にも出るよね」
「あぁ、先生たちの間では知れ渡ってる話だけど職員室の隅っこに何か出るらしい。何人かの先生が見たという話だ」
とのこと。

「へぇー、あんなに怖がりだったアンタが成長したもんだね~」
と、我が家で何度も繰り返し話題に上る話を蒸し返した。

小学生の頃次男は家族が見ているテレビをいち早く消した。ホラー映画である。映画でなくてもドラマなんかでホラーチックな展開になるとすかさずチャンネルを変えられた。
「こんなの全然おもしろくない!何でこんなもの見るのか意味わかんない!」
と次男は言った。
中学生の頃は部活の遠征でバスで移動中の時のこと。生徒たちがうるさいので先生が「少し静かにビデオでも見ていろ」と映画をつけてくれた。用意したものではなくそのバスにあった何本かの一つだったのだが(当時はビデオテープね)なんとそれが日本のホラー映画だったのだ。前の方に座っていた私はすかさず、これはまずいぞと思った。
映画が始まると確かに先生の思惑通り車内は静まり返った。しかし、しばらくすると後ろからやけに威勢のいい声が聞こえてきた。「あれね!次にこうなるよ絶対!」とか「言ってること矛盾しちゃってるよねー!」とか。
そう、次男の声である。いるよね、怖さを紛らすためにわざと元気な振りするやつ…
そのうち女子達にうるさいとひんしゅく買っていたが、映画が終わるまでずっと饒舌にしゃべり続けていた。

あのびびり君がね。大人になったものだと感慨一入だ。
そういえば、我が家でも息子たちが一人暮らしを始めたころ、二階には誰もいないはずなのに夜になると「ドンドン」と足音が聞こえることがしばしばあった。夫と、隣の家の音が反響してんのかなとか、国道を通るトラックの音か、遠くの鉄橋を通過する電車の音かもと話したが、本当に床を踏み鳴らすどんどんという音なので不思議だった。ある時ネットでそういうサイトを見ていたら、私的に妙に気に入った回答があったので私はそれで納得することにした。
だから今回次男にも
「君のアパートの上階から聞こえる音は、妖怪地団太のいたずらです」
と教えてやった(笑)

敬老の日

2016-09-19 14:32:16 | 日記
今日は敬老の日、ということで地元の新聞の社会面に大きく取り上げられた記事は「高齢化率また更新、全市町村で上昇。今後も続く見込み」というものだった。それに伴い、高齢者に贈られる祝い金も縮小や減額されるという。

私が介護の仕事を始めた二十年位前は100歳に100万円が贈与されていた。仕事先でもご高齢なお年寄りに、頑張って100歳まで長生きしてねと声掛けしたものだった。ところがどんどん平均寿命が延びていき100歳を迎える人も珍しくなくなってきて、10年位前になると祝い金も100万円から10万円ほどになっていた。少額の祝い金が支給される年齢も今まで77歳からだった市が80歳からにするなど対象者を縮小したり減額したりして財政負担を何とか減らそうというものだ。

20年前は私もまだ若かったのでお年寄りの気持ちを理解するまでには至らなかったということもあり、
「100万円もらえるなんてすごいじゃない、その時は盛大にお祝いしましょうね。きっとテレビ局の取材なんかも来るかもしれないね。Kさんお話が得意だし、ほらあの自作のどんぐりのうたを披露するってのはどう?」なんて冗談交じりによく話したものだった。(結局そのKさんは100歳を前に亡くなったのだが)

20年経って私も年を取り、どっちかと言うと老人に近い年齢になってきた。するとその年にならないとわからないことが解ってきて、なるほどあの時のTさんが言ってたのはこのことかとか、Yさんの気持ちはこんなだったんだといまさらながら思う。

そして祝い金についても思うのだが、高齢になってから欲しいものは決してお金なんかじゃないってこと。
大体欲しいものも無い。お金の使い方もわからない。
年を取って一番欲しいものは安心、安楽なのだ。

無事に

2016-09-17 16:24:50 | 日記
姑を無事にグループホームへ送り出すことができました。

急に入所が決まったので準備はあたふたしましたが、本人には不穏になるといけないので具体的な話はせずに昨日
「やさしいヘルパーさんがいっぱいいて友達もいるところにいけるんだって、よかったね~」
と言ってみました。すると全く意味が解っていない姑は、今行ってるデイで仲間とトラブル起こしたことを思い出して「あ~、デイなんかやめてやる!」と言うので、これ幸いと
「よかった、よかった、きれいな新しいところ(グループホーム)に行けるなんてうれしいよね~」
と言って、うれしいという気持ちを想起させるように努めました。

お昼はお寿司屋さんに連れて行って、その帰りに元気だったころやっていた畑を見せに行きました。今は夫が鍬で土を起こしたり除草剤をまいたりして畑の様相は全くないのですが、さすがにそこは畑だったことは覚えていました。

グループホームの職員さんが迎えに来てくれることになっていたので、いつもと違うことで不安になって騒いだりしないか心配でしたが、来てくれた職員さんをいつも行ってるデイの人だと思ってすんなり車に乗ってくれたのでやれやれでした。実はデイの職員さんもグループホームの職員さんもみんな笑顔でやさしい言葉がけをしてくれるので姑には区別がつかないようなんです。

鬼嫁と化した私に介護されるより、介護のプロに見てもらう方がどれだけ幸せなことか…
…と言う私も実は介護職なんですけどね…。