優しさの連鎖

いじめの連鎖、って嫌な言葉ですよね。
だから私は、優しさの連鎖。

東京ドーム約640個分

2019-05-03 07:54:51 | 日記
広さを表現するとき使われるその言い方、なぜ基準が東京ドームなのかは分からないが、その640個分の敷地をもつ小岩井農場へ行ってきた。
宮沢賢治が長詩「小岩井農場」の中で「神聖な場所」と呼んでいる小岩井農場。牛乳やバターでおなじみの名前だが、その価値は明治から昭和初期にかけて建設された牛舎、サイロ、倉庫などが現存しており、しかもこれらの建物を使用しつつ保存しているというところにもある。つまり賢治が見たその風景を見ることができるということだ。

元号が改まって令和の初日、どこも混んでいるのは想定内だが、なんたって640個分の広さだからね。ほんとはソフトクリームやビーフシチューやチーズケーキもお目当てだったんだけど、賢治の足跡をたどるのが目的なんだから長蛇の列には目もくれず、いざ重要文化財のある上丸牛舎へ。片道100円のシャトルバスもあるけれど、そこは遊歩道を散策しながら歩く。
そういえば牛舎、最近見たことあると思ったのはNHK朝ドラ「なつぞら」の十勝の柴田牧場か。
まず見えてきたのは二つ立ち並ぶサイロ。明治40年に1号が、翌年に2号が建設されたそうだ。現代ではこの円筒形のタワーサイロはあまり用いられなくなり、牧草を機械で円筒形に整形しラップで巻き上げて作るロールベールラップサイロが多いらしい。ドライブ中たまに牧場のようなところに点在しているごろんとした俵のようなもの、何だろうと思っていたがそれだったんだ。
そして、1号牛舎、2号牛舎、3号牛舎、農場資料館を見学。3号牛舎の長さは100メートルもあるそうだ。

すみやかなすみやかな万法流転のなかに
小岩井のきれいな野はらや牧場の標本が
いかにも確かに継起するということが
どんなに新鮮な奇蹟だろう

という賢治の詩碑からは、小岩井農場を何度も訪れるほど好きだったというその思いが読み取れる。

小岩井農場のソフトクリームは食べられなかったけれど、帰りの道の駅でソフトクリームを注文したら、今日だけ「令和記念」でクッキーが付いてきますと言われ、ちょっと嬉しかったりして。