熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
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駒は、なぜ五角形かということ

2024-02-20 07:52:10 | 文章

2月20日(火)、曇り。

2月ですが、このところ4月5月の陽気。
10年前のブログで「駒の5角形」について述べていました。そのことは今回の本「駒と歩む」にも、述べていますが、10年前のブログをもう一度、アップします。

 

先日、ある方から「将棋の駒の五角形の成り立ちについて」の質問を受けました。その方は商業史の研究をされていて、「江戸時代の豪商が発行した『株札』には五角形のモノがある。五角形の代表は将棋の駒だから、教えてほしい」と言うことでありました。

「歴史的な成りたちのことは、良く分かってはおりません。他の研究者は¨船とか絵馬とかの形¨からだと言ったりしていますが、単なる思いつきに過ぎず論理性が欠落しています。何故、日本の将棋駒が五角形になったのかについては、合理的な理由を挙げて述べなければなりません。小生なりに考えた事は幾つかあります。そのことは講演などで話したりしていますが、電話でよろしければお話します」。
と言うことで、次のようなことをお話しました。

①、道具を使う遊びには、道具が簡単に作れるのが重要。  
  道具は、容易く手に入れられる材料で簡単に加工出来ることがポイント
  で、日本将棋の原型が我が国にもたらされた当時は「木簡」という恰好な
  材料が身近にあって、先人はそれに文字を書いて駒にすることを思いつい
  たのは自然なこと。  
  因みに、東南アジアでは石や貝。中国では木の枝を輪切りにしたものが多
  く使われた。

②、最初は四角い形だったかもしれない。しかし時を置かず、文字の方向
  (=駒の方向)に合わせて先端を削って山形にした五角形に改善すること
  を思いついた。 
  さらに外国のチェスや将棋駒のように敵味方で色分けしたり駒の文字
  (名前)を変えたりすることなく、駒の向く方向で敵味方を区別する事を
  考えついた。
  これは我が国の文化であり先人の知恵であり、これが合理的なところか
  ら、まもなく定着したものと考えている。

③、日本将棋の駒の最大の特徴は、駒自体に敵味方の区別が無いところ。
  これは、相手から取った駒を自分の駒としてそのまま使える日本独自の
  ルールとも相互に密接で、同じ駒を敵方にも味方にも使える駒があれば
  こそ、このルールが出来て支障なく定着した。

④、理由は、このほかにまだまだあります。
  電話で伝えるのは、それほどでもありませんが、文字にして書くのは
  結構時間がかかります。

 以上ですが、この続きを「本」にはもう少し詳しく述べていますので、参考にしていただければ幸いです。

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