熊澤良尊の将棋駒三昧

生涯2冊目の本「駒と歩む」。ペンクラブ大賞受賞。
送料込み5000円。
残部僅少ながら、注文受付中。

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作品 文章 写真 販売品

将棋馬日記のこと

2011-11-26 19:50:13 | 文章
11月26日(土)、晴れ。

午前中は久しぶりに「漆の盛り上げ」を少々。
その前に、棒っきれ体操でウオームアップ。
今日は、いつもの小学生の集団登校は見掛けませんでした。
どうやらお休みなのでしょう。

盛り上げは、ほぼ10日ぶりと言うところ。
心なしか調子が出るまでには至りません。
何事もお休みが永くなってはいけないということです。
戸惑いながら、以前残していた「玉将・王将」など10枚程度が終わったところで本日は終了。
早めの昼食にしました。

午後は、島本町。
例の展示会と、講演会に参加。
主たる展示は、2点。

先ずは、「墨書の中将棋駒」。
駒尻に「八十六才」とある本物の水無瀬駒。
これには確か古い桐の箱があったはず。
これも見てもらうのが良かったのでは・・。


もう一つの品は「虫食い箇所の修繕なった将棋馬日記」。
修繕後の姿を見るのは今日が初めて。楽しみにしていました。

虫食い部分は、すっかり分からなくなっており、見事。
第一印象は「綺麗」の一言。
しかし、どこかがおかしいとも。

紙の端は、直線で刃物で切ったような鋭さ。(本当に刃物で切っていなければ良いのですが・・)
上下左右の四つ角は鋭く直角。

古い和紙特有の、少し擦られて端がスレて丸くなったりしたところが無くなっていて、400年前のものとは思えないほど。
綺麗になりすぎなのですね。

虫食いだけを修繕すれば良かったところを、他のところもついでに綺麗にしてしまった。
そんな印象です。
やり過ぎて、チョッと残念。
横で見ておられた女性も「これはレプリカなんですね」とつぶやいて見ておられました。


ところで、古書画・古文書類の虫食い跡の修繕方法は大別すると、
①、全面を薄い紙で裏打ちする方法。(比較的簡便だが、紙全体が厚くなる)
②、虫食いで無くなった部分を、同質の和紙でつなぎ貼りして欠損部分を補う方法。(手間がかかるが、厚くならない)
の2種類。
今回は費用と手間のかかる後者が採用されました。

修繕するならこの方法がベストかと思いますが、程度によっては、修復をしない選択もあります。
と言うより、必然性が無いときはむしろ修繕しない方が良いという選択です。
書かれた内容に変化は無くても、下手に手を加えることで、全体の印象を含む歴史的価値を損なう恐れもあるからです。

と言うことで、今回の修繕は本当にこれで良かったのか。
率直に言って、少々疑問の残るところではあります。









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