2020-0209-man3504
万葉短歌3504 春へ咲く3249
春へ咲く 藤の末葉の うら安に
さ寝る夜ぞなき 子ろをし思へば ○
3249 万葉短歌3504 ShuG498 2020-0209-man3504
□はるへさく ふぢのうらばの うらやすに
さぬるよぞなき ころをしもへば
〇=出典未詳。
【編者注】相聞(3455-3566、112首)の第50首。男。
【訓注】春へ咲く(はるへさく=波流敝左久)[下記注]。末葉(うらば=宇良葉)。うら安(うらやす=宇良夜須)[「<うら>はもともと<裏>で、心の意」]。
【依拠本注-へ】時間を示す名詞には「春」と「夕」以外に付いた例がない。双方とも、待ち遠にしていた時を示す語として共通する。〔以下は編者付記〕01-0038(長歌)春部者 花挿頭持(はるへは はなかざしもち)、02-0199(長歌)烏玉能 暮尓至者(ぬばたまの ゆふへになれば)、など。夏・秋・冬には付かない。