A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ティトプエントのストレートアヘッドなジャズとラテンの融合は・・・

2015-11-02 | CONCORD
El Rey / Tito Puente and His Latin Ensemble

三木敏悟のインナーギャラクシーオーケストラ(IGO)が復活して2年近く経つが、定期的にライブが続いている。ジャズをベースにしているが、和と洋の融合したサウンドは実にオリジナリティー豊かだ。洋も、単にジャズだけでなくロックやラテン、さらには北欧の文化の香りも加味して、まさにコスモポリタンという言葉がピッタリだ。

オーケストラの編成もサックスを減らしてチューバを加えているところが、デビットマシューズと似ているが、マシューズのホルンの代わりに尺八を加えているのが日本的だ、さらには女性3人のコーラスを加えているのがユニーク。
IGOが最後のアルバムを作ったのは20年以上前、完全復帰を果たした記念にそろそろ新アルバムを期待したいところだ。

ジャズとロックの融合をフュージョンといわれているが、この和とグルーバルが融合したIGOは何と呼んだら良いのだろうか?

さて、ジャズとの融合というとまずはラテンが挙げられるが、ラテンと一口に言っても時代や国で色々バリエーションがある。自分はラテンを聴かず嫌いであったのであまり詳しくはないが、共通しているのは強烈なリズムとその多彩さ。ジャズのビートにラテンのリズムが加わるとジャズのスイング感とは違ったリズム感が身を包む。

そのラテンとジャズとの融合は色々な時代、地域で行われてきた。40年代ジャズがスイングからbopに大きく変った時にも、バップとラテンとの出会いがあった。ディジーガレスピーなどは、当時からラテンのリズムを多く取り入れていた。



ティトプエンテは、この当時から活動を始めている。最初はダンサーになりたかったそうだが、足の怪我で断念、ドラムを叩き始めたのが13歳だった。その後、ティンパレスの第一人者になったが、一方で、ジュリアアードで作曲などを学び、バイブ奏者としても若い頃から有名になった。

60年代、70年代にもヒットアルバムを多数出したが、80年代は心機一転、コンコルドレーベルに所属する。ジャズとラテンの融合を狙ったアルバムを出していたコンコルドPicanteにはピッタリな大物であった。流石オーナージェファーソンのリクルート力だ。
コンコルドでの初のアルバムOn Broadwayがいきなりグラミー賞をとったのも、王者の貫禄であった。

第2作目は、コンコルドの地元サンフランシスコのグレートアメリカンミュージックホールでのライブ録音となった。大きなホールのラテンならではの観客の熱気が伝わってくる。
前のアルバムでも、自らの作曲したラテンナンバーに加えて、ジャズナンバーを演奏しているが、枯葉やステラバイスターライトなどのスタンダードに加えて、ジョンコルトレーンのジャアイアントステップスなども。このバリバリのモダンジャズナンバーをラテンのリズムでこなしてしまうのが、ティトプエンテの凄いところだろう。
今の季節には「枯葉」がピッタリだが、ラテンのリズムでティトのヴァイブでの枯葉も少し味わいが違っていいものだ。

1. Oye Como Va
2. Autumn Leaves
3. Ran Kan Kan
4. Rainfall
5. Giant Steps
6. Linda Chicana
7. Stella By Starlight / Delirio
8. Equinox
9. El Rey Del Timbal

Tito Puente (Timbales, vibes, Vocal)
Francisco Aguabella (congas)
Johny Rodriguez (bongos, congas, vocal)
Johnny Frisaura (vtb)
Ray Gonzalez (tp,flh)
Jorge Dalto (p,elp)
Jose Madera (congas, timbales)
Mario Rivera (fl, ss, ts)
Bobby Rodriguez (b)

Produced by Tito Puente
Engineer : Phil Edwards
Recorded live at The Great American Music Hall, San Francisco. CA, May 1984

Originaly released on CJP-250  (所有盤はCD盤)

El Rey
クリエーター情報なし
Concord Records
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