A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

晩年のハンプトンホースのライブでのプレー、これが当時の本当の姿かもしれないが・・・

2014-11-25 | CONCORD
Hampton Hawes / Recorded Live At The Great American Music Hall

コンコルドレーベルは、設立当初は新たに録音したアルバムだけでなく、過去に自主録音されたアルバムの再発(あるいはお蔵入りしてたものを世に出す)アルバムも何枚かあった。ルイベルソンのビッグバンドの”150MPH”シェリーマンの”Perk Up”などもそれらの一枚だった。

その後、自社の企画や録音が軌道に乗り、このような形でのリリースは少なくなっていった。ハンプトンホースのアルバムがこの時期(1983年)になっていきなり登場したと思ったら、このアルバムは久々にこのように他で録音された音源のアルバム化であった。録音は75年なので、8年後にリリースされたことになる。当のホースは‘77年には亡くなっているのでなくなる2年前の録音になる。ライブレコーディングとしては、これがラストレコーディングとジャケットには記されているのだが。

ハンプトンホースも、麻薬がらみで逮捕され一時は刑務所で過ごし、その後再び60年代の半ばに復帰した。復帰後はエレキピアノを多用したこともあり、昔のファンにはあまり受け入れられず、アートペッパーのような復活劇を演じた訳ではなかった。自分も復帰後のMPS盤は持っているが、他のアルバムは気に留めることもなかった。

そのような中でのこのホースのアルバム、もちろんコンコルドには初登場である。プロデューサーもTom Bradshawとあり、カールジェファーソンが関与している訳でもない。リリースにあたってコンコルドの看板を貸しただけのように思える。

録音されたのは、ザ・グレートアメリカンミュージックホールでのライブ。先日紹介したウディーハーマンのライブアルバムの会場でもあった。普通のクラブよりも大きめのホールのような響きがすると思ったら、ここは由緒あるホール形式のナイトクラブ、小さなクラブとは趣が違う。



今回の編成はドラムレスのベースとのデュオ、それにB面全体に渡るThe Status of Maceoはピアノソロによる自作の組曲。ピアノも全編アコースティックを使用している。これも少し趣が違う。

A面はスタンダードが2曲だが、この料理の仕方も耳慣れた昔のトリオ演奏とは全く違うアプローチでこれも趣が違う。

もっともこの頃はこのようなプレーをしていたのかもしれないが他のアルバムを聴いていなかったので良く分からなかったが、実はこのアルバムの後の録音がその後リリースされていてこれを聴いてみた。このアルバムの翌年1976年の録音の”Something Special”だが、後でリリースされたので、どうやらこれがラストアルバムとなるようだ。
これもライブだがこれにフライツーザムーンとサニーの2曲も収められている。ドラムが入ったトリオで、演奏時間も異なるが、この2枚のアルバムのホースのピアノスタイルには共通点がある。



ライナーノーツにホースへのインタビューの一部が載っている。
「あなたは誰の影響を受けましたか?」との問いに、ホースは、「それは重要ではない、誰もが誰かの影響を受けている。一番大事な事は、今進行している事実だけだ」と。
ホースのスタイルはこの時期大きく変化していたということだろう。

この録音の2年後にはホースは他界する。この2枚のアルバムがリリースされたのはそれから大分時間が経ってから。このレコーディングがアルバム化を前提としたものであったのであれば、無事に世に出て良かったと思うし・・・。反対に、たまたまレコーディングされたものが残っていたのであれば、最後はこんなプレーをやっていたのだというホースの姿を知ることができるだけでも意味がある。

ジョージシアリングも、コンコルドに来てデュオの素晴らしさを味わい、そのプレーを披露してくれた。ホースもそうだと言いたいところだが、自分はやはり50年代のホースのピアノが一番だと思う。それに留まっていて良かったということであれば、麻薬もやらなくてすんでいたかもしれない。




1. Fly To The Moon
2. Sunny
3. The Status of Maceo(Suite For The Piano)
First Movement
Second Movement
Third Movement

Hampton Hawes (p)
Mario Suraci (b)

Produced by Tom Bradshaw
Recording Engineer : Lee Brenkman
Recorded at The Great American Music Hall, San Francisco, June 1975
Originally released on Concord CJ-222


Recorded Live At The Great American Music Hall
クリエーター情報なし
Concord Jazz
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする