A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ベイカーにはやはりこのジャケットと演奏が似合う・・・・

2013-11-04 | PEPPER ADAMS
Chet / Chet Baker

10月も終わると残すところあと2か月。何となく「今年も終わりか」という気分になる。今年は夏の暑さの後、いきなり台風が続いて秋晴れの清々しさをあまり実感することなく肌寒くなってきた。いきなり晩秋の趣で、なんとなく冬の到来が早そうな気配だ。

ペッパー・アダムスにとって1958年の秋の到来はベニーグットマンのオーケストラのツアーへの参加であった。その節目で11月にレコーディングも済ませ、今年も終わったという気分になったであろう。
年末は同郷の仲間であるケニー・バレルとのgigをこなし乍ら、クリスマスシーズンを迎えていた。

この年はニューヨークに戻って本格的な活動を再開した年。年初に編成したドナルド・バードとの双頭バンドが自己のレギュラーグループであったが、相変わらず色々なバンドやオーケストラから声が掛かってgigやレコーディングに忙しかったが、最後はグッドマンのツアーへ参加することになった。

この年の締めくくりとして、クリスマス前の21日にはドナルド・バードとのグループの成果として、ブルーノートに”Off To The Races”のアルバムを残す。このアルバムにはジャッキー・マクリーンも参加し、ご機嫌なアルバムだ。

これで仕事収めかと思ったら、暮れも押し迫った30日に、チェット・ベイカーとのセッションに参加してアルバムを残している。

チェット・ベイカーというとジェリー・マリガンとのコンビが有名で、ペッパー・アダムスというと少し違和感があるが、・・・実はアダムスがロスに居た前年1957年には、チェット・ベイカーとグループを組んで、地元のクラブには録音の合間を縫うようにして連日出演していた仲だ。

この時のベイカーとの共演は、“James Dean Story”で録音に残されているが、2人のコンビの演奏はアルバムとして残っていないようだ。ライブも多く出ていたので、どこかでライブの記録でも陽の目を見たらぜひ聴いてみたいものだ。

チェット・ベイカーは、この年パシフックジャズからリバーサイドに移籍して、それまでに8月、9月とすでに続けて2枚のアルバムを録音していた。
2枚目は売り出し中のジョニー・グリフィンも加わって、これまでのクールサウンド&ボーカルのイメージから、ハードバップ色の強いトランペットプレーにイメチェンを図っていた。

その流れで、引き続き12月のセッションが組まれたが、そこにアダムスが呼ばれた。
以前一緒にやっていた仲なので何か助け舟を求めたのかもしれない。一緒に加わった他のメンバーも、ビルエバンスやハービーマンと前作とは大きく違った編成で、イメチェンを図ったものの中途半端で今一度リセットといった感じだ。

まず、このジャケットのインパクトは大きい。そしてこのジャケットイメージと演奏内容はピッタリだ。
最初の曲“Alone Together”はエバンスのイントロから始まる、情感の籠ったトランペットはこれぞベイカー。それにアダムスのバリトンが絡むようにソロを引き継ぐ。アダムスのお家芸はアップテンポのゴリゴリプレーだが、実はマリガンよりも太いサウンドのバラードプレーも捨てたものではない。



このアルバムは全編バラード~ミディアムテンポのプレーでベイカーの良さが光る。
ということは、リバーサイドに移籍をしてイメージチェンジを図ったが、ベイカーの良い所はやはり「この感じ」だということでこのアルバムになったのかもしれない。これに戻したのはプロデューサーオリンキープニュースだが、コンビを組んだことのあるアダムスの存在も何か影響しているような?
録音を終えた後、1959年の年明けは2人で一カ月近くgigを続けたそうだ。
益々、アダムスとのコンビのプレーを聴いてみたくなる。

1. Alone Together
2. How High The Moon
3. It Never Entered My Mind
4. 'Tis Autumn
5. If You Could See Me Now
6. September Song
7, You'd Be So Nice To Come Home To
8, Time On My Hands
9, You And The Night And The Music
10. Early Morning

Chet Baker (tp)
Herbie Mann (fl)
Pepper Adams (bs)
Bill Evans (p)
Kenny Burrell (g)
Paul Chambers (b)
Connie Kay (ds) 
Philly Joe Jones (ds)

Produced by Orin Keepnews
Engineer : Jack Higgins
Recorded at Reeves Sound Studio in NYC, December 30 & January 19, 1959





Chet
クリエーター情報なし
Ojc
コメント (4)
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